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マーケティング部に配属された新入社員、または異動になったばかりのマーケターは、専門用語を含めたマーケティングの基礎知識がまだ十分ではないこともあるでしょう。

ここではSNS広告においての基礎知識をはじめ、各媒体の特徴や動画広告のメリット、またPDCAを回す際におさえておきたいことを解説します。

基礎知識をしっかりと理解し、即戦力になることを目指しましょう。

1.SNS広告の現状

SNS広告に注目が集まっていることをデータを見ながら確認していきましょう。

〇SNSの利用状況

まずは、SNSの利用状況について見てみましょう。総務省が発表した「令和2年通信利用動向調査の結果」によると「ソーシャルネットワーキングサービスの利用動向」は、令和元年と令和2年を比較し、どの年代においても令和2年の利用率が令和元年より高くなっていることがわかります。

20代で90%、30代、40代でも80%以上と利用率は高く、また利用率の伸びは20代、30代に比べて50代以上のほうが多くなっています。さらに、70代、80代でも50%弱の人がSNSを利用しています。

このように全年代でSNSの利用率は高まり、また年齢が高い層でも利用されていることがわかります。

参考資料:総務省 令和2年通信利用動向調査の結果

〇インターネット広告に占めるSNS広告の割合

SNS広告の動向についてはどうでしょうか。2020年12月~2021年2月にかけて、株式会社サイバー・コミュニケーションズ(CCI)、株式会社D2C 、株式会社電通、株式会社電通デジタルの4社が共同で調査を行い発表した「2020年 日本の広告費」の調査結果によると、インターネット広告自体、前年比105.6%と伸びていますが、ソーシャル広告は前年比116.1 % とソーシャル広告以外と比較しても伸びが大きく、ソーシャル広告はインターネット広告費全体の3割を超えていることがわかります。

このようにSNS広告はインターネット広告の中でも存在が大きなものになってきています。

〇インターネット広告に占める動画広告の割合

動画広告の注目度についても確認しておきましょう。先述した「2020年 日本の広告費」にある「インターネット広告媒体費の広告種別構成比」では、動画広告の前年比が121.3%と他のどの広告種よりも増え、広告費全体の中でも2割を超えています。つまり、インターネット広告の中でも動画広告に費用をかける流れができてきているといえるのです。

参考資料:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析(電通)

2.SNSマーケティングをより重要視した方がよい理由

SNSのユーザー数は年々増加しています。

SNS利用者数は、2013年から2019年までで約1.4倍に増える見込みということが上記調査結果から見えています。今後もユーザーが増加する傾向は続いていくと予測されています。

昨今では、テレビや新聞といったマスメディアや、インターネットの検索エンジンから得る情報よりも、SNS上の情報をもとに購買行動をする消費者が増加しているという調査結果も出ています。そのような市況からも、インターネットを活用したマーケティングを行うのであれば、SEOのみならずSNSマーケティングも重要視すべきであるということが言えます。

3.各SNS広告の特徴を理解しよう

ここからは各SNSの特徴を説明していきます。

〇各SNSのユーザーの特徴

まずは4大SNS(Facebook、LINE、Instagram、Twitter)のユーザーの特徴についてみていきましょう。

自分や周りがどのSNSを多く使っているかを考えるだけでも、SNSごとにユーザーの年代等が異なっていることがわかるでしょう。ユーザーがターゲットと異なるSNSに広告を出しても効果は得られません。そのため、各SNSのユーザーの特徴を理解することはとても重要になります。

例えば、Facebookのユーザーは他のSNSに比べ年齢層が高めで、管理職や会社経営者層の割合が高いという特徴があります。LINEのユーザーは子どものいる中年女性が多く、共働きのパート、アルバイトや主婦層という特徴があります。Instagramのユーザーは若い女性中心で、ファッションやコスメ、美容への関心が高いという特徴、そして、Twitterは20代の男性が多く、TV離れが進んだネットユーザーが多いことが特徴です。

このようにそれぞれのSNSユーザーの特徴が異なるため、SNS広告を検討する際には、まず各SNSのユーザーの特徴や傾向を理解することが重要です。

〇Facebook広告

こんな方に向いています

・BtoB向け商材を扱っている方

・ECサイトのPR、セミナー集客をしたい方

各SNSユーザーの特徴を知るだけでは、効果的な広告にはなりません。各SNSの特徴を理解することが大切です。

Facebook の広告が優れているポイントは3つ。1つは「ターゲティングの正確性が高い」ことです。実名制を基本とした情報を元に配信するユーザーが決まること、ユーザー自ら登録した性別や年齢、趣味・関心からターゲティングするため、正確性が高くなります。

2つ目は「認知~購入まであらゆる目的で使える」ことです。設定から広告の目的を選択できるため、多くの人に認知してもらう、購入検討段階の人に絞るなど、様々な用途に使えます。

3つ目は「BtoBユーザーを狙いやすい」ことです。Facebookは企業で使用するための専用ページが用意され、ビジネス目的で利用しやすいSNSであるため、BtoBユーザーをターゲットにできます。

〇Instagram広告

こんな方に向いています

・若年女性向けの商材を扱っている方

・商材の世界観やブランディングを大切にしたい方

Instagram広告の特徴についてみていきましょう。Instagram広告が優れているポイントは3つあります。1つ目は「若年女性に配信しやすい」ことです。日本では57%の利用者が女性で18~29歳が67%を占めています。そのため、女性に配信するにはInstagramを検討することが大切です。

2つ目が「ブランディングに適している」ということです。Instagramは写真や画像を投稿する媒体であるため、クオリティが高い、映える画像や動画を広告に利用すると反応が得られやすくブランディングに活用しやすいといえます。

3つ目が「BtoC商材の配信に使いやすい」ということです。プライベート利用目的のユーザーが多いため、BtoC向け商材の配信に使いやすい媒体です。

〇Twitter広告

こんな方に向いています

・若年層向けの商材を扱っている方

・トレンドや話題性のある商材を扱っている方

Twitter広告の特徴についてみていきましょう。Twitter広告の特徴は3つあります。1つ目が「情報を拡散しやすい」ことです。Twitter広告は通常のツイートのようにリツイートや「いいね」ができるため、二次拡散が期待できます。

2つ目が「ユーザーを狙い撃ちできる」です。キーワード、興味・関心に基づいたターゲティングが可能です。

3つ目が「若年層に広告配信しやすい」です。Twitterの利用ユーザーは10代と20代の若年層が多いため、これら年齢のユーザーをメインターゲットとした商材の認知拡大に適した広告です。

〇Tik Tok広告

こんな方に向いています

・10代を中心とした若年層向けにPRをしたい方

・他の企業の配信方法と差別化したい方

Tik Tokの広告の特徴についてみていきましょう。Tik Tok広告が優れているポイントは3つです。1つ目は「高品質な動画を使うことで、ユーザーからの興味関心を惹きやすい」ことです。元々動画をアップするSNSのため、高品質な動画への興味が高いといえます。

2つ目が「親和性の高い動画をみたユーザーのアクション率が非常に高い」ことです。親和性の高い動画を視聴するユーザーが多いため、広告についても親和性が高いとアクション率が高くなるといえます。

3つ目が「Tik Tok上で使用されたミュージックはAppランキング上位になるなど、視覚だけでなく聴覚アプローチも有効」なことです。Tik Tokの動画には音楽が入っていることが多いため、多く視聴された動画の音楽は、聴覚にも印象が残るといえます。

〇LINE広告

こんな方に向いています

・幅広い層に向けた商材を扱っている方

・クリエイティブのフォーマットが充実しているものを利用したい方

LINE広告の特徴についてみていきましょう。LINE広告の特徴は2つあります。1つ目は「幅広いユーザーにリーチできる」ことです。LINEはSNS利用者中81.3%が利用しているため、配信することで幅広いユーザーにリーチできます。

2つ目は「配信メニューが豊富」なことです。トーク画面やタイムラインなどの様々な配信面に出せるほか、LINE公式アカウントの友だちを増やす目標設定も可能です。

4.4大SNSをマーケティングで活用するポイント

日本において利用者数が多いSNSと言えば、LINE、Twitter、Facebook、Instagramの4つです。この章では、SNSマーケティングを行う上で、LINE、Twitter、Facebook、Instagramそれぞれの特徴と活用法をお伝えします。

〇LINE

2019年6月現在、公式サイトの発表によると、LINEの国内月間ユーザー数は約8,100万人あり、国内最大のSNSとして有名です。企業がLINEをビジネス利用する上で最も一般的な使い方としては、LINE公式アカウントのトーク機能を通じてお客様に対してクーポンやセールなどの情報を送ることが挙げられます。

拡散力は他のSNSと比べると低めですが、顧客の公式サイトへの再来訪を促したり、ロイヤリティを高めること等に多く用いられています。

また、従来は公式アカウントの他に「LINE@」という企業向けサービスがありましたが、2019年4月18日をもって、LINE@はLINE公式アカウントと統合されました。

〇Twitter

2019年の公式発表によると、Twitterの国内月間ユーザー数は約4,500万人です。投稿が140字以内という文字数制限があり、実名を出さなくとも投稿ができるというのが特徴です。その投稿のハードルの低さと、投稿をシェアできるリツイート機能があることから、拡散性が非常に強いSNSです。その一方で、いわゆる「炎上」のリスクも高いです。また、時系列順でツイートが更新されていくことからリアルタイム性が高く、その時々のトレンドがTwitter上でたびたび話題になります。

なお、Twitterには個人アカウントとビジネスアカウントの明確な区分が存在しません。また、広告を出稿する上での最低出稿金額がないことも特徴の一つです。広告の種類は4種類あります。

それぞれの広告は視聴回数やフォロワー獲得数に応じて課金される形式をとっています。また、Twitterアナリティクスを利用すれば、企業アカウントを閲覧したユーザー情報を知ることができます。

〇Facebook

2019年9月の公式発表によると、Facebookの国内月間ユーザー数は約2,800万人です。実名を登録することが求められる点が、他にはない特徴です。そのため、比較的フォーマルで信頼性が高いと言われています。また、「Messenger」という機能を利用したユーザー間の個別のコミュニケーションも可能なため、顧客やフォロワーとの親密なコミュニケーションをとることもできます。

ビジネスで利用する際には、一般ユーザー向けの個人ページのほかに企業向けのFacebookページを利用することができます。インサイト機能もあり、自社の投稿に反応を示したユーザー情報の過去4週間の分析が可能です。また、 Facebookページ利用企業数は全世界で6500万社を超え、Facebookに広告を出稿している企業数も500万社を突破しています。それだけ、ビジネス活用の事例も多く、効果的なマーケティングを行いやすい、行われた実績も多いSNSでもあります。

〇Instagram

2019年3月時点で、Instagramの国内月間アクティブアカウント数は3,300万人を突破していると公式に発表されています。

Instagramは写真や動画をメインで投稿するというのが特徴のため、アパレルや食品など、フォトジェニックな活用ができるビジネスや業界との親和性が高いSNSとされています。

ビジネス利用をする上では、「ビジネスプロフィール」というアカウントを作成します。ビジネスプロフィール作成のためには、Facebookページ開設と連絡先設定が必要です。ビジネスプロフィールのみで使える機能は「Instagramインサイト」と「投稿の宣伝」の2つです。Instagramインサイトとは自社のフォロワーの性別、年齢、アクセスの時間帯や位置情報などのユーザー情報を把握できる機能です。一方、投稿の宣伝とは自社の投稿を、広告を用いて宣伝することができる機能です。

Instagramマーケティングを行う上での注意点としては、企業の宣伝色の強い画像を載せてしまうと客離れにつながってしまう傾向にあるという点です。ユーザーが共感できるようないわゆる「インスタ映え」する画像を投稿することが対策になります。

5.SNSマーケティングの勉強方法

SNSマーケティングを学ぶにはどうすればよいのでしょうか。SNSは2000年代前半に普及し始めたばかりであること、サービスの変更が多くトレンドも常に変化することなどから、独学で学ぼうにも、体系化されたテキストや本はあまり多くありません。しかしながら、SNSの利用者数が急拡大していることからもわかるように、今後SNSの活用は、多くの企業にとって課題の一つとなるはずです。

一般的に多いのが、セミナーやWebの専門スクールに通って学ぶという方法です。実践で活用されているSNSマーケティングを熟知した講師から学ぶことができるので、独学よりも効率的にSNSマーケティングについて知り、自社のビジネスに活用することができるでしょう。

ここで、お勧めしたいのがWeb専門スクールのインターネット・アカデミーです。 インターネット・アカデミーでは、Google社協力で開発したオリジナルカリキュラムのWebマーケティング講座をご用意しています。インターネット広告の運用・配信に関する知識だけでなく、Web担当者として知っておくべき解析ツールの使い方までご紹介しています。 法人研修では、一社一社のご要望に合わせて、SNSマーケティングの戦略アドバイスやデジタルマーケティングの実践演習といったオリジナルのカリキュラムを作成することも可能です。 また、インターネット・アカデミーの母体は、東京芸術大学や京都大学iPS細胞研究所、気象庁や情報処理推進機構(IPA)などのWebサイト制作を手掛けてきた実績のある制作会社ですので、 現場のノウハウに基づいた授業をご提供できることが大きな強みでもあります。SNSマーケティング、Webマーケティング、デジタルマーケティングにお困りの方、スキルアップをご検討されている方は、ぜひ一度ご相談くださいませ。

6.広告配信後のPDCAの重要性を知ろう

広告出稿にはまず、これまで説明してきたように各SNSの特徴を理解し、ターゲットに一番メッセージが届くSNSを選ぶことが必要です。しかし、広告を出稿したからといって、広告の運用はそこで終わりではありません。成果を出す広告にしていくためには、PDCAをしっかり回すことが大切です。

ここでは、広告運用の前に考えておくこととPDCAを回すうえで欠かせない4つのポイントについて説明します。

〇広告運用する前に考えておくべきこと

広告運用のゴールは広告出稿ではありません。運用を始める前に、なぜ出稿したら終わりではないのかをきちんと理解しておくことが必要です。

ここでは、運用前に知っておくべきことを2つ紹介します。

  • 動画クリエイティブも摩耗する
  • 勝負は最初の一歩

ということです。

1つ目の「動画クリエイティブも摩耗する」については、動画は印象に残りやすく最初に効果があった動画でも見られる回数が増えるにつれてその効果は減少するということです。つまり、クリエイティブは定期的に変更する必要があります。

2つ目の「勝負は最初の1秒」とは、SNS動画広告はSNS やWebをスクロールして流し読みしている際に表示されることが大半です。そのため、ユーザーは最初の1秒から2秒で動画を視聴するかどうかを決定します。摩耗しないように新しい動画を制作しながら、同時に「最適な動画の始まり方」を検証していくことが重要となります。

このように、PDCAを回すことなく広告の効果を出し続けることはできないことを頭に入れておきましょう。

〇PDCAを回すうえで欠かせない4つのポイント

PDCAを回すうえで注意しておきたい4つのポイントは以下です。

  • 動画で実現したいことを明確にする
  • チームを作る
  • 定期スケジュールを定める
  • 費用を考える

1つ目の「動画で実現したいことを明確にする」は、目標が良質なリードを獲得することなのか、自社の認知を拡大・深化させることなのか等で、定めるべき KPI が変わってきます。前者であれば、通常の広告と同様にもっとも重要な KPI は CPC、CVR、CTRになります。後者なら、再生回数と完了率、再生秒数も重要になります。

2つ目の「チームを作る」は、動画を制作する人、広告や SNS 等の媒体を管理・運用する人が複数人いる場合、それぞれが勝手に動くのではなくチームとしてKPI の進捗具合 や 施策の進行状況などを共有、確認する必要があります。動画制作者が社外にいる場合、チームでの動きが難しい可能性があるため、注意が必要です。

3つ目の「定期スケジュールを定める」については、動画は定期的にクリエイティブを変更する必要があるため、1日1つの動画を作成して投稿する、または週に 1度新しい動画広告を入稿するなど、運用が定着するまで、期間の目標を定めることが重要です。その際、あまりにタイトすぎるスケジュールにしてしまうと、⻑期的な継続が難しくなってしまうため注意しましょう。また、KPI の達成ではなく、「動画を作ること」が目的になるようなスケジュールになってしまうことも避けるべきです。

4つ目の「費用を考える」については、KPI、チームメンバー、施策の定期スケジュールが決まると、動画制作に必要な費用が試算できます。なかには費用から逆算してチームやスケジュールを決定する場合もあるでしょう。効果を高めるための質を落とさない動画制作を継続できる費用とスケジュールを考えることを意識しましょう。

7.まとめ

SNSは私たちの生活の中で、情報収集・発信の手段として欠かせないものになってきています。その変化に伴い、消費者行動も変化しています。マーケティングの手段として、これまで以上にSNSマーケティングの重要性は高まっていくことでしょう。

日本初のWeb専門スクールであるインターネット・アカデミーでは、SNSマーケティングを含むWebマーケティングを体系的に学ぶことができる「Webマーケティング講座」をご用意しています。また、カスタマイズが自由に行える企業研修も行っており、一社ごとのマーケティング戦略やご要望、ターゲット社員の知識レベルに合わせたマーケティング研修を行うことも可能です。

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