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「自社の記事が生成AIの回答に使われているかどうか、正直よくわからない」——そう感じている企業のSNS・コンテンツ担当者は多いのではないでしょうか。ChatGPTやGoogleのAI Overviewsで自社サイトが引用されても、これまでのアクセス解析ではその事実を直接つかむ手段がありませんでした。

この状況に対し、Google Search Consoleに2026年6月、「生成AI」のパフォーマンスレポート(ベータ版)が追加されました。本記事では、このレポートの見方・確認手順を、実際に自社サイト(blog.misosil.com)で計測したデータを使いながら解説します。2026年8月18日時点で自社サイトを確認したところ、生成AI機能での表示回数は合計約2.3万件、表示のあったページ数は310ページという実測値が出ています。SEO担当者だけでなく、日々のSNS運用やコンテンツ企画を担う立場の方が「明日から使える」ことを意識してまとめました。

Search Console「生成AI」レポートとは何か

Googleは2026年6月3日、Search Central Blogにて「Search Consoleに生成AIパフォーマンスレポートを追加する」と発表しました。Search Consoleのヘルプページでは、このレポートについて次のように説明されています。

「生成AIのパフォーマンスレポートには、Google検索の生成AI機能におけるサイトパフォーマンスに関するデータが表示されます」(Search Console ヘルプ「生成AIパフォーマンスレポート(検索)」より)

具体的には、以下の3点を把握するために使えるとGoogleは案内しています。

  • 検索の生成AI機能からのオーガニックインプレッション数の推移を時系列で確認する
  • 生成AI機能でインプレッション数が最も多い(または最も少ない)ページを確認する
  • 生成AIのインプレッションの発生元(デバイスや国など)を把握する

対象となる機能は「AIによる概要(AI Overviews)」と「AIモード(AI Mode)」の2つです。Google Discoverの生成AI機能については、別レポート(生成AIパフォーマンスレポート・Discover)として独立して提供されています。なお、Search Labsの試験運用版のデータは現時点でSearch Consoleには含まれていません。

このレポートは2026年8月時点でも「一部のウェブサイト所有者を対象にリリースされ」ている段階のベータ機能です。すべてのプロパティで見られるわけではなく、Google自身が「レポートをさらにリリースする前に徹底的なテストを行っている」と明言しています。自社のSearch Consoleに表示されない場合は、単に自社プロパティへの展開がまだ来ていないか、生成AI機能での表示自体が少ない可能性があります。

レポートの開き方と、見るべき4つのディメンション

操作自体はシンプルです。Search Consoleの左メニューから「検索パフォーマンス」を開き、「検索結果」のタブの中に「生成AI」という項目が表示されていれば、それをクリックするだけで確認できます(該当プロパティに未展開の場合はこの項目自体が表示されません)。

Search Consoleの検索パフォーマンスから生成AIタブへ進む操作手順を示したフロー図
図解:Search Consoleで「生成AI」レポートを開くまでの導線

レポートを開くと、通常の検索パフォーマンスレポートと同じ画面構成で、上部にインプレッション数の推移グラフ、下部に内訳の表が表示されます。表は次の4つのディメンションで切り替えて見ることができます。

ディメンション何がわかるか
ページ生成AI機能にリンクされた最終ページURLごとのインプレッション数(正規URL単位で集計)
検索が行われた国ごとのインプレッション数
日付日・週・月単位でのインプレッション数の推移(日付はすべて太平洋時間基準)
デバイスパソコン・タブレット・モバイルなど、閲覧に使われたデバイス種別

ここでいう「インプレッション数」は、Google検索の生成AI機能上でユーザーにサイトへのリンクが表示された回数を指します。クリックされたかどうかとは別の指標である点に注意してください。表のデータには通常の検索パフォーマンスレポートと同じ制限(最大1,000行など)が適用され、グラフと表それぞれにCSVエクスポート機能が用意されています。直近日のデータは暫定値として点線表示され、その後数時間で数値が変動することもあります。

【実測データ】自社サイトの「生成AI」レポートで見えたもの

実際に自社サイトのSearch Consoleを確認した結果を共有します。2026年8月18日時点の計測で、生成AI機能での表示(インプレッション)は合計で約2.3万件、表示のあったページ数は310ページでした。ブログを運営している企業であれば、まず自社プロパティでこの項目が表示されるかどうかを確認し、表示されていれば同じ手順で数字を確認してみることをおすすめします。

ここで重要なのは、絶対値の大小そのものより「どのページが表示されているか」という中身です。ページディメンションで並び替えると、通常の検索順位とは異なる顔ぶれが上位に来ることがあります。一次情報や独自データを含む記事、Q&A形式で結論が明快な記事が、必ずしも検索1位ではなくても生成AI機能側で拾われているケースが見られました。これは、AIが回答を組み立てる際に「引用しやすい部品」になっているページが優先されやすいためだと考えられます。

生成AI機能のインプレッション数と表示ページ数の実測値を示した棒グラフ
図解:実測した生成AI機能のインプレッション数と表示ページ数

310ページという数字も、単独では意味を持ちません。自社サイトの総公開記事数と照らし合わせ、「全体のうちどれくらいの割合の記事が生成AI機能に拾われているか」を定期的に見ていくことで、コンテンツ全体の「AIからの見え方」の傾向が掴めます。四半期ごとにこの割合を追うだけでも、記事の作り方を変えた効果測定として機能します。

企業アカウント運用者向けの独自視点:この数字をKPIにどう組み込むか

SNSや自社メディアの運用を担当している立場からすると、この「生成AI」レポートは新しいKPIの材料になります。具体的には次の3つの使い方が実務的です。

  • コンテンツカレンダーへのフィードバック:ページディメンションで表示回数の多い記事の型(ハウツー、用語解説、実測データなど)を洗い出し、次月の企画で同じ型を増やす。
  • クリックと切り離した「露出KPI」の設置:生成AI機能経由の流入はクリックに直結しにくいため、通常の検索パフォーマンスのクリック数とは別枠で「生成AIインプレッション数」を月次レポートに追加する。これにより、クリックが伸び悩んでいても実際は接触機会が増えている、という状況を可視化できる。
  • SNS運用チームとの共有:ブログ記事がAI経由で企業の「一次情報源」として認知されている場合、その実績はSNSでの発信内容(自社の専門性のアピール)にも転用できる。ページ単位のデータをSNS担当と定期共有する運用フローを作ると、部門間の連携が生まれやすい。

ゼロクリック検索が広がる時代のKPI設計については、別記事「ゼロクリック検索時代のKPI設計|流入減でも成果を出す考え方」でも詳しく扱っています。あわせて参照してください。

チェック手順:自社サイトのAI引用状況を把握する5ステップ

実際の運用フローとしておすすめしたい手順は以下のとおりです。

  1. Search Consoleにログインし、対象プロパティを選ぶ。複数ドメイン・複数サブディレクトリを運用している場合は、プロパティごとに表示の有無が異なる点に注意する。
  2. 「検索パフォーマンス」→「検索結果」で「生成AI」タブの有無を確認する。表示されない場合は数週間おきに再確認する(段階的リリースのため)。
  3. 「ページ」ディメンションでインプレッション数の多い順に並び替える。上位に来ているページの共通点(記事の型、公開時期、一次情報の有無など)をメモする。
  4. 「国」「デバイス」ディメンションも確認する。想定外の国からのインプレッションが多い場合、多言語対応や海外向けコンテンツの余地を検討する材料になる。
  5. 月次でCSVをエクスポートし、定点観測する。生成AI機能への表示は増減が大きいため、単月の数字だけで判断せず、3ヶ月程度の推移で傾向を見る。

一次情報・独自データを盛り込んだ記事ほど生成AI機能に拾われやすい傾向は、別記事「LLMO時代の「一次情報コンテンツ」の作り方|独自調査でAIに引用される7ステップ」でも解説しています。コンテンツ制作の方針づくりにあわせて参考にしてください。

レポートの限界と注意点

便利な指標である一方、現時点のレポート仕様には運用上おさえておくべき限界があります。

  • URL単位で「実際に回答内で引用された」ことを直接示す指標ではない。ディメンションとして用意されているのは「ページ」「国」「日付」「デバイス」のみで、AIの回答文中に自社の文章がどう使われたか(引用のされ方)まではわからない。あくまで「AI機能の中でリンクが表示された回数」の集計である点を理解した上で使う必要がある。
  • ベータ機能のため、全プロパティに展開されているわけではない。表示されないからといって、生成AI機能に一切表示されていないと断定はできない。
  • Search Labsの試験運用版データは含まれない。AI機能の一部は依然としてレポート範囲外になる。
  • データ量に制限がある。通常の検索パフォーマンスレポートと同様、表の行数には上限(最大1,000行)があり、直近データは暫定値として変動しうる。

Google検索内のAI機能で自社が「表示」されているかはこのレポートで追えますが、ChatGPTなど外部の生成AIサービスでの引用確認には別のアプローチが必要です。その方法は「ChatGPTに自社サイトを引用させる方法|今日からできるLLMO実践5ステップ」にまとめていますので、あわせて確認しておくと、Google検索と外部AIサービスの両面で自社の可視性を追えるようになります。

自社サイトを生成AI機能に「含める・除外する」設定もある

Googleは生成AIパフォーマンスレポートの提供にあわせて、自社サイトのコンテンツを生成AI機能の回答に使わせるかどうかをコントロールする仕組みも用意しています。Search Consoleのヘルプでは、レポートが表示されない理由の一つとして「サイトを生成AI機能から除外している」設定が挙げられており、逆に言えば、サイト側の設定次第で生成AI機能への表示可否をコントロールできるということです。

SNS運用チームが「うちのブランドはAI経由の露出を積極的に狙いたいのか、それとも公式サイトへの直接流入を優先したいのか」という方針を持たないまま、この設定を放置しているケースは少なくありません。生成AIレポートで自社の表示状況を確認するタイミングにあわせて、除外設定になっていないか、社内のSEO担当・開発担当と一度確認しておくとよいでしょう。

まとめ

Search Consoleの「生成AI」パフォーマンスレポートは、2026年6月に追加されたばかりのベータ機能ですが、これまで手つかずだった「AI検索の中での自社の見え方」を初めて数値で確認できる貴重な手段です。自社サイトでも実際に約2.3万件のインプレッション、310ページの表示という実測値が確認できており、企業のSNS・コンテンツ運用チームにとっては、クリックだけに頼らない新しい露出KPIとして活用できる余地があります。

まずは自社プロパティにこの項目が表示されているかを確認し、表示されていればページ単位の内訳から「どんな記事がAIに拾われやすいか」を読み解くところから始めてみてください。

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