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2026年8月20日、Meta広告の専門家として知られるJon Loomer氏(Jon Loomer Digital)が、Meta広告のAds Manager内で一部広告主に対し「配置(プレースメント)」設定から除外機能そのものを削除するという通知が表示され始めていることを報告した。同日、海外メディアのSocial Media Todayも「Meta removes option to exclude ad placements」として追随報道している。ここでは、今回の変更の内容を一次情報ベースで整理したうえで、混同されやすい「詳細ターゲット除外」廃止(2024〜2025年)との違い、そして企業アカウント運用者が今すぐ着手すべき代替策を解説する。
何が起きたのか:Ads Manager内の通知内容
Jon Loomer氏がブログで公開したスクリーンショットによると、Meta広告のAds Manager「配置」セクションには次のような趣旨のメッセージが表示されている。
「配置・プラットフォーム・デバイス・OSの除外は、広告セットで利用できなくなります(Excluding placements, platforms, devices and operating systems will no longer be available for your ad sets)」
Jon Loomer氏は記事内で「この変更がいつ発効するかは明確になっていない(It’s not clear when this change will go into effect)」と明記しており、2026年8月24日時点でMeta公式のニュースルームやBusiness Help Centerに正式な発表ページは確認できていない。したがって本記事では、Ads Manager内の通知文言と専門家による報告という事実の範囲に絞って解説し、未確定の実施時期について断定的な記述はしない。
「詳細ターゲット除外」の廃止(2024〜2025年)との違い
今回の変更を調べる過程で、日本語圏の解説記事の多くが「Meta広告 除外設定 廃止」というキーワードに対して、実際には2024〜2025年に段階的に実施済みの「詳細ターゲット除外(Detailed Targeting Exclusions)」の廃止を指して書かれていることが分かった。両者は名称が似ているためしばしば混同されるが、対象がまったく異なる。
| 変更 | 対象 | 時期 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 詳細ターゲット除外の廃止 | 興味関心・行動・属性(インタレスト/ビヘイビア)による除外 | 2025年1月21日発表、2025年3月31日に広告セットから、2025年6月10日にブーストされた投稿から除外 | 完了済み |
| 配置・プラットフォーム除外の廃止(本記事のテーマ) | 個別配置・プラットフォーム(Facebook/Instagram等)・デバイス(モバイル/デスクトップ)・OSによる除外 | 2026年8月20日にAds Manager内で通知が確認された。発効時期は未定 | 予告段階(一部アカウントに通知) |
詳細ターゲット除外の廃止については、Meta Business Help Centerの「Updates to Detailed Targeting」ページで、除外を使用しなかった場合のコンバージョン単価(CPA)の中央値が22.6%低くなったというMeta自身の調査結果が公表されている。今回の配置除外の廃止も、Metaが繰り返し説明してきた「手動制御を減らし自動化された配信システムに委ねることでパフォーマンスが向上する」という同じ方針の延長線上にある。
具体的に何ができなくなるのか
Jon Loomer氏の報告によれば、今回の変更で広告セット単位から失われる操作は次の4つに整理できる。
- 個別配置の除外:Facebookフィード、Instagramストーリーズ、Audience Networkなど特定の配置枠だけを外す操作。最も利用頻度が高い機能とされる。
- プラットフォーム単位の除外:Facebook・Instagram・Messenger・Audience Networkのいずれかをまるごと外す操作。
- デバイスによる配信制限:モバイルのみ、デスクトップのみに配信を絞る操作。
- OSによる配信制限:iOSのみ、Androidのみといった配信先の限定。

これらはいずれも「除外」の名がつく操作であり、Meta広告を長く運用している担当者ほど、キャンペーン設計の初期段階で当たり前のように使ってきた機能でもある。
代替策1:バリュールール(Value Rules)による入札調整
Jon Loomer氏が提示する主な代替策は、配置を「外す」のではなく、配置ごとに入札額を調整する「バリュールール」への移行である。2026年8月時点では、配置別のバリュールールは7つの対象配置(Audience Networkを含む)に限定されているが、Facebook/Instagramのようなプラットフォーム単位、モバイル/デスクトップといったデバイス単位、モバイルOS単位のバリュールールも設定可能とされている。
ただし、バリュールールは配置を完全にゼロにするものではなく、あくまで入札の重み付けを変える仕組みである。「特定の配置に一切配信したくない」という要件を完全には満たせない点は運用上の注意点として理解しておく必要がある。
代替策2:アカウントレベルのPlacement Controls
広告セット単位での除外がなくなった後も、アカウント全体に対する配置制御は「広告設定(Advertising Settings)」内の「アカウントコントロール(Account Controls)」>「配置コントロール(Placement Controls)」から設定できるとされている。特定の配置を「このアカウントでは常に配信しない」という業務要件がある場合は、広告セットごとの除外ではなく、このアカウントレベルの設定に切り替えて対応する運用フローを整えておくとよい。
【実務視点】配置除外ができなくなった後、企業アカウント運用者がすべきこと
ここからは、複数クライアントアカウントや自社ブランドアカウントを日常的に運用している立場から見た、実務的な対応フローを整理する。
1. 既存キャンペーンの「除外設定棚卸し」を先に行う
変更が全アカウントに一斉適用されるか段階的に展開されるかが不明な以上、まずは自社で運用中の広告セットのうち、配置除外・プラットフォーム除外・デバイス限定・OS限定を使っているものを洗い出すことが先決になる。特にAudience Networkを除外している広告セットは、除外が使えなくなった瞬間に低品質なクリックやThruPlay水増しの影響を受けやすいため、優先度を上げて確認する。
2. Audience Network関連のリスクを個別に評価する
Jon Loomer氏も指摘する通り、配置除外を使う最大の理由はAudience Network経由の低品質な最適化アクション(安価だが質の低いリンククリックや、報酬型動画によるThruPlay水増し)を避けるためであることが多い。除外が使えなくなった場合、この対策はバリュールールでの入札引き下げに置き換える必要がある。パフォーマンス目標がリンククリック数やランディングページビュー数の最大化になっている広告セットは特に注意が必要である。
3. コンバージョン最適化のキャンペーンは影響が限定的と見込んで優先度を下げる
コンバージョン数や価値の最大化を目標にしているキャンペーンでは、配置起因の低品質な成果は起こりにくいとされる。全アカウントを一律に緊急対応するのではなく、パフォーマンス目標別に対応の優先順位をつけることで、無駄な作業を減らせる。
4. 変更の適用状況をアカウント単位で定点観測する
今回の通知は一部アカウントに先行表示されている段階であり、全アカウントに同時適用されたわけではない。複数アカウントを運用している場合は、どのアカウントで通知が表示されたかを記録し、Ads Manager内の「配置」セクションを定期的に確認する運用に切り替えることが望ましい。
今後の見通し:Metaが目指す「入力ゼロ」の広告運用
Meta CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、ジャーナリストのベン・トンプソン氏とのインタビューで「事業者はURLを渡すだけで、クリエイティブもターゲティングも測定も不要になる」という将来像を語ったと報じられている。今回の配置除外の廃止も、詳細ターゲット除外の廃止、Advantage+ Placementsのデフォルト化、除外配置への自動予算配分(最大5%)といった一連の施策と同じ方向性にある。手動制御を段階的に引き剥がし、AIによる自動配信に委ねる流れは今後も続くとみられる。
よくある質問
Q1. 今すぐ自社の除外設定を削除する必要はあるか?
ない。Jon Loomer氏の報告時点で発効時期は未定であり、一部アカウントに通知が表示され始めた段階。現時点で既存の除外設定を急いで削除する必要はなく、まずは自社アカウントの使用状況を把握し、影響度の高い広告セットから優先的に確認するのが実務的である。
Q2.「詳細ターゲット除外」の廃止とは別の話か?
はい。詳細ターゲット除外は興味関心・行動による除外で、2025年中に廃止が完了している。一方、今回報じられているのは配置・プラットフォーム・デバイス・OSの除外であり、対象が異なる別の変更である。日本語の解説記事ではこの2つが混同されやすいので注意したい。
Q3. Meta公式の発表はいつ出るのか?
2026年8月24日時点ではMeta Business Help Centerやニュースルームに正式な発表ページは見つかっていない。今回の情報はAds Manager内の実際の表示と専門家の報告に基づくものであり、公式発表があれば本記事も適宜更新を検討する。
まとめ
2026年8月20日に報告された今回の変更は、2024〜2025年に完了した「詳細ターゲット除外」の廃止とは別物であり、対象は配置・プラットフォーム・デバイス・OSの除外機能である。発効時期はまだ公式に確定していないため、現時点で慌てて設定を作り直す必要はないが、除外設定を多用しているアカウントほど影響が大きくなる。まずは自社アカウントの除外設定の棚卸しと、バリュールールおよびアカウントレベルのPlacement Controlsへの移行シミュレーションを進めておくことをおすすめする。
関連して、Meta広告の自動化トレンド全体については生成AI搭載「Meta Advantage+ Audience」でCPA半減!Facebook広告を爆速で勝ち切る運用レシピ、詳細ターゲティングの基本についてはInstagram広告のターゲティングとは?種類と成果を出すポイントを解説も参考にしてほしい。
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出典
- Jon Loomer Digital「Meta Is Removing Placement Controls From Ad Sets」2026年8月20日
https://www.jonloomer.com/meta-removing-placement-controls-ad-sets/ - Social Media Today「Meta removes option to exclude ad placements」Andrew Hutchinson, 2026年8月20日
https://www.socialmediatoday.com/news/meta-removes-option-to-exclude-ad-placements/828461/ - Meta Business Help Center「Updates to Detailed Targeting」
https://www.facebook.com/business/help/458835214668072