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写真共有アプリ「BeReal.」を展開するBeReal SAS(フランス・パリ)は、2026年7月27日、Z世代ユーザーと企業をつなぐ新コミュニティ「BeRealz(ビーリアルズ)」を発足したと発表した(出典:BeReal SAS プレスリリース/PR TIMES、2026年7月27日11時00分配信)。この発表はWeb担当者Forum(2026年7月28日)MarkeZine(2026年7月30日)でも報じられており、Z世代マーケティングに取り組む企業の間で注目が高まっている。

BeReal自体の基本的な仕組みや特徴については、当ブログの「新時代のSNSアプリ「BeReal」とは?Z世代の若者がSNSに求めていること」で解説済みのため、本記事ではその内容とは重複させず、新たに発足した「BeRealz」というコミュニティ機能に絞って、何ができるのか、企業のマーケティング活用にどうつながるのかを整理する。

BeRealzとは?2026年7月27日に発足した企業とZ世代をつなぐ新コミュニティ

「BeRealz」は、BeRealが運営する会員制コミュニティで、Z世代向けの商品開発や広告・キャンペーンに取り組む企業に対して、アンケート、座談会、過去施策のレビュー、共創セッションといった形式でユーザーの声を届ける仕組みだ。BeReal単体のアプリ機能ではなく、企業とユーザーをつなぐ「場」として新設された点がポイントになる。

対象となるのは高校生・大学生を中心としたBeRealユーザーで、日本国内のBeRealは月間アクティブユーザー数(MAU)が650万人を突破し、特にZ世代を中心に支持を集めているという(出典:前掲プレスリリース)。BeRealzはこの既存ユーザー基盤を活かし、企業が一方的にアンケート調査を発注するのではなく、継続的な対話を通じて施策に落とし込むことを狙いとしている。

BeRealz発足の背景「企業がZ世代がわからない」というギャップ

プレスリリースでは、BeRealz発足の理由として「多くの企業がZ世代向けのマーケティングに注力する一方で、実際には高校生・大学生が何をきっかけに商品を知り、何を理由に購入・利用するのか、どのような広告やコミュニケーションであれば自然に受け入れられるのかを十分に把握できていないケースも少なくない」という課題認識が挙げられている。

企業側だけで「きっとこうだろう」という仮説を立てても、実際のユーザー感覚とはズレが生じやすい。BeRealzは、日常的にBeRealを使う高校生・大学生に直接アプローチできる場を用意することで、このズレを埋めることを目的としている。

BeRealzで企業ができる3つのこと

プレスリリースの内容を整理すると、BeRealzで企業が得られる価値は大きく3つに分けられる。

① 施策前にターゲットの本音を聞ける
高校生・大学生を中心としたBeRealユーザーに直接話を聞くことで、商品やブランドがどう見られているか、何に興味を持つか、どんな表現なら自然に受け入れられるかを事前に確認できる。同じZ世代でも、高校生と大学生では使える金額や商品選びの基準、情報の集め方が異なる点にも触れられており、世代を一括りにしない設計になっている。

② 購入までのリアルな導線が見える
商品を知ってから興味を持ち、比較し、購入に至るまでの流れは、企業が想定しているものと食い違うことが多い。レビューをどの程度見るか、友人や家族の利用がどれだけ後押しになるか、SNSの何を見て気持ちが動くかといった、数値だけでは把握しにくい判断基準を確認できる。

③ 次の広告・キャンペーンに活かせるヒントが得られる
過去に実施した広告やSNS施策をユーザーに見せ、「なぜ印象に残ったのか」「どこに違和感があったのか」「どの要素が購入・利用意向につながったのか」を確認できる。声を集めるだけで終わらせず、次の広告表現やSNS投稿、キャンペーン企画への落とし込みまで整理してもらえる点が特徴だ。

BeRealzで企業ができる座談会・共創・検証の3つのことを整理した図解
BeRealzで企業ができる3つのこと

実施事例:日本ロレアル「メイベリン ニューヨーク」の座談会

先行事例として、日本ロレアルが展開する「メイベリン ニューヨーク」の担当者を招き、コスメに関心のある高校生・大学生のBeRealユーザーと「いまどきのコスメ選び」をテーマにした座談会が開催されている。

日本ロレアル コンシューマープロダクツ事業本部 デジタル アクティベーション リーダーの平尾美由紀氏は、プレスリリース内で次のようにコメントしている。

「大学生と高校生はZ世代と一括りにされがちですが、コスメ購入への心理的ハードルや購買行動に明確な差があることを再発見いたしました。それぞれの生活に寄り添った最適なアプローチの必要性を感じています。今回得られた『生活者の生の声』を今後のマーケティングに活かしてまいります」(出典:前掲プレスリリース)

この事例からは、BeRealzが単なるアンケートツールではなく、「高校生と大学生を同じZ世代として一括りにしない」という粒度の細かい気づきを企業側に持ち帰らせる場として機能していることが読み取れる。

参加条件と問い合わせ方法(2026年8月時点)

プレスリリースでは、BeRealzの活用やBeReal広告に関する相談窓口として「ads@bereal.com」への問い合わせが案内されている。あわせて「BeRealzの活用には一定の条件がございます」と明記されており、2026年8月18日時点では、参加費用や選定基準といった詳細な条件は一般公開されていない。実際に活用を検討する企業は、まず上記窓口へ問い合わせて条件をすり合わせる必要がある点に注意したい。

【運用者視点】BeRealzは既存のZ世代リサーチ手法とどう違うのか

ここからは、企業のSNS担当者・マーケティング担当者向けに、BeRealzを実務でどう位置づけるべきかを考えてみたい。

Z世代の本音を拾う手法としては、これまでもインフルエンサー起用によるヒアリングや、外部モニター調査会社を使った座談会、SNS上のUGC分析などが使われてきた。BeRealzがこれらと異なるのは、調査対象が「BeRealを日常的に使っている高校生・大学生」に限定される点だ。BeRealは加工なしの写真をリアルタイムで共有する性質上、見栄えを整えたSNSアカウント上の発言とは異なる、素の反応が集まりやすいアプリだと位置づけられている。裏を返せば、BeRealzで得られる声はBeRealユーザーという特定層のものであり、Z世代全体の代表値として扱うにはサンプルの偏りに注意が必要だ。既存のインフルエンサー起用やモニター調査と置き換えるのではなく、「BeRealという特定チャネルにおける生の反応」を補助的に取り込む位置づけで導入するのが現実的だろう。

また、化粧品・トイレタリーのようにBeRealユーザー層と購買層が重なりやすいカテゴリーでは座談会形式が機能しやすい一方、BtoB商材や年齢層の高い商材では対象ユーザーとのミスマッチが起きやすい。導入検討時は、自社ターゲットとBeRealの主要ユーザー層(高校生・大学生)が重なっているかどうかをまず確認すべきだ。若年層マーケティング全体の設計や成功パターンについては、「若年層マーケティングとは?ポイントや成功事例も紹介」でも詳しく整理しているので、BeRealz活用を検討する際の前提整理にあわせて参照してほしい。

BeRealz活用を検討する際に押さえておきたいポイント

  • 2026年7月27日発足の新しい取り組みであり、公開されている運用実績はメイベリン ニューヨークの座談会が中心。今後の事例蓄積を継続的にウォッチする必要がある
  • 参加条件・費用は非公開のため、導入検討時は早めにads@bereal.comへ問い合わせて条件を確認する
  • 得られる声はBeRealユーザーという特定層のものであり、Z世代全体を代表するデータではない点を前提に活用する
  • 座談会やレビューで得た声を、実際に広告表現・SNS投稿・キャンペーン企画へ落とし込む社内プロセスをあらかじめ用意しておくと、単発の調査で終わらせずに済む

BeRealzに関するよくある質問

Q. BeRealzは誰でも参加できるのか?
A. BeRealzはユーザー向けの機能ではなく、企業向けの会員制コミュニティである。個人ユーザーが自由に参加を申し込める仕組みではなく、Z世代向けの商品開発や広告・キャンペーンに取り組む企業が窓口を通じて申し込む形になる。

Q. 費用はどれくらいかかるのか?
A. 2026年8月18日時点のプレスリリースおよび報道では、参加費用は公表されていない。「BeRealzの活用には一定の条件がございます」とのみ案内されており、詳細はads@bereal.comへの問い合わせで確認する必要がある。

Q. 既存のBeReal広告メニューとBeRealzは何が違うのか?
A. 広告出稿は企業がBeReal上に広告クリエイティブを配信する施策であるのに対し、BeRealzはアンケート・座談会・共創セッションを通じてユーザーの声を収集し、施策の企画・改善に活かすためのコミュニティである。広告配信そのものではなく、その手前のリサーチ・共創フェーズを担う位置づけと考えるとわかりやすい。

Q. BtoB企業やシニア向け商材を扱う企業でも活用できるのか?
A. BeRealzの対象ユーザーは高校生・大学生を中心としたZ世代であるため、BtoCかつ若年層がターゲットに含まれる商材との親和性が高い。BtoB商材やシニア層向け商材では、対象ユーザーとのミスマッチが大きく、優先度は低いと考えられる。

まとめ

BeRealzは、BeReal SASが2026年7月27日に発足を発表した、Z世代ユーザーと企業をつなぐ新しいコミュニティだ。アンケートや座談会、過去施策のレビュー、共創セッションを通じて、高校生・大学生を中心としたBeRealユーザーの本音を企業の次の施策に活かせる形で届ける点が特徴で、メイベリン ニューヨークの座談会という先行事例もすでに公表されている。

一方で、参加条件は非公開かつ問い合わせベースであり、得られる声はBeRealユーザーという特定層のものである点には注意が必要だ。既存のZ世代リサーチ手法を置き換えるのではなく、BeRealという特定チャネルの生の反応を補完的に取り込む選択肢として捉えるのが現実的だろう。BeRealというアプリそのものの基本機能や特徴をまだ押さえていない場合は、「新時代のSNSアプリ「BeReal」とは?Z世代の若者がSNSに求めていること」もあわせて確認しておきたい。

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