今こそサプライチェーンマネジメントが必要！マーケティングとの連携も解説

昨今、サプライチェーンマネジメントに注目が集まっています。その背景にはさまざまな理由があります。

今回はサプライチェーンマネジメントの概要や必要な理由、方法、流れ、成功事例などを解説します。サプライチェーンの最適化に取り組みたい場合は、ぜひ参考にしてください。

サプライチェーンマネジメントとは

サプライチェーンマネジメントとは、商品販売の一連のサプライチェーンを管理する手法です。サプライチェーンは原材料の調達から製品が消費者に届くまでのモノやお金の流れを意味します。

サプライチェーンはサプライヤーやメーカー、卸売業者、消費者などに分割されますが、全体を統括して連携しながら最適化することがサプライチェーンマネジメントになります。

近年、サプライチェーンマネジメントの必要性が高まっていいますが、その理由は何でしょうか。

地球温暖化や自然災害、干ばつなどによって農作物や木材の供給に悪影響が出ています。気候変動による農作物や木材などへの影響は農家や林業だけにとどまりません。さまざまな企業に悪影響を与える可能性があり、ビジネス展開にも影響があります。

2020年初頭から世界を巻き込んだ新型コロナウイルスのパンデミックは、特定の商品への需要の急増につながりました。マスクや消毒液、アクリルパーテーションなど感染対策の商品は特に需要が高まりました。

パンデミックに関連した特定商品の需要の増加は、品不足や価格高騰につながり消費者の生活に影響を及ぼします。

近年では企業やビジネスのグローバル化が進んでおり、原材の調達や生産拠点を国外に移す動きも高まっています。結果としてサプライチェーンが複雑化して、モノやカネ、人の流れの連携を図る必要が高まりました。

ビジネスモデルの変化もサプライチェーンマネジメントの必要性を高めています。例えばAmazonや楽天などのインターネット販売、ユニクロやニトリなどのSPA、セブンプレミアムやトップバリュなどのプライベートブランドなど、顧客のニーズを安く早く実現できる企業が増えています。

サプライチェーンマネジメントは、マーケティングとの連携が必要です。先述のとおり、さまざまな理由からサプライチェーンマネジメントが必要となっています。

サプライチェーンの乱れによって企業に与えるダメージは大きいため、常にサプライチェーンマネジメントを念頭に置く必要があります。

例えば、POS情報や営業担当の受注状況をもとにして需要の変化を予測して、調達から販売までの各プロセスに反映させる方法があります。これはシステムやツールを導入して正確に将来を予測する方法です。将来の需要を予測できれば在庫管理や人件費管理なども適切に行えるでしょう。

サプライチェーンマネジメントの大まかな流れは下記をご覧ください。

まずはサプライチェーンマネジメントの導入目的や解決したい課題を明確にしましょう。そして、社内で共有しサプライチェーンマネジメントの有効性を検討します。

次はサプライチェーンマネジメントの担当者を決めてチームを構成してください。特定の部署が担当するケースや新たにプロジェクトチームを発足する方法などがあります。メンバーの役割を分担してチームを構成してください。

チームを構成したら、必要なサービスを比較・検討し選定していきます。需要予測や販売計画などを提供してリードタイムを削減するサービスや、クラウド上でサプライチェーンを一元管理するサービスなどがあります。自社の目的に応じてサービスの種類や特徴を比較し選んでください。

サプライチェーンマネジメントの導入後は効果測定を行いましょう。施策を実践してどのような効果を得られたのか、課題は何であるかを導入前後で比較してください。PDCAサイクルを回して効果を高めていきましょう。

既にサプライチェーンマネジメントに取り組んだ企業がありますので、2社を厳選して成功事例としてご紹介します。

花王のロジスティック部門はサプライチェーンマネジメントのために需要予測技術を開発しました。その結果、短期間で変化する顧客ニーズに応じて柔軟に製品を供給できる仕組みを確立しています。

60ブランド1500以上を超える製品を受注から24時間以内に納品できる体制の構築に成功。メーカーから小売店に直接製品を届けられることも同社の大きな強みです。

トヨタは「ジャスト・イン・タイム方式」を確立し「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ作る」方式を実現。生産現場における無駄やムラ、無理を徹底排除しました。

「注文を受けたら生産ラインの先頭にできるだけ早く」などの徹底したルールをもとにサプライチェーン全体の最適化を実現しています。

製品が消費者の手に届くまでのプロセスを管理するサプライチェーンマネジメント。取り組むことで必要に応じた生産ができ、コスト削減などのメリットがあります。

情報伝達の遅による機会損失など課題に対策をしつつ、サプライチェーンの最適化を目指しましょう。