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「バイラル」と聞くと、「何となく危ない橋な気がする」と思う人はいないでしょうか。最近ではあまり良い意味で使われないことも増えた「バイラル」ですが、もともとは口コミを有効活用する「バイラルマーケティング」のことを指していました。本記事では改めてバイラルマーケティングについて解説します。インターネットならではのマーケティングについて考えるきっかけになさってください。
バイラルマーケティングとは?
「バイラル」という言葉を聞くと、「バイラルメディア」を連想する人は少なくないのではないでしょうか。不正確な情報を掲載してバズを狙うメディアなどもあり、「バイラル」という言葉自体にあまり良い印象を持っていない人もいるかもしれません。
しかし、本来の「バイラルマーケティング」は不正や炎上といったものとは関係なく始まったマーケティング手法なのです。
「ウイルスのように」広がるマーケティング手法
「バイラル(viral)」は「ウイルス(virus)」の派生語で、「ウイルスのように」という意味を持っています。ウイルスと言えば病原体なので、ネガティブな印象があるかもしれません。
しかし、この場合の「ウイルスのように」には異なる意味があります。ウイルスは分裂して増殖します。ひとつがふたつになり、ふたつがそれぞれ分裂して4つになり……というように、2の2乗(4)・3乗(8)・4乗(16)とどんどん増殖します。
このことを「指数関数的に増加する」と言います。この指数関数的増加を狙ったマーケティングが本来の「バイラル」なのです。
バイラルマーケティングの嚆矢はウェブメールの「Hotmail」だと言われています。1990年代後半にウェブメールサービスを始めたHotmailは、同業他社と比べて圧倒的なシェアを誇っていました。
Hotmailのユーザー獲得に使われたのがバイラルマーケティングです。プロモーションやマーケティングに経費をかけない代わりに、利用者が送るメール末尾にHotmail使用開始リンクを添付しました。利用者がメールを送れば送るほど、Hotmailの招待が潜在顧客に届くという仕組みです。
バズマーケティングとの違いは?
バイラルマーケティングと混同されやすいもののひとつに「バズマーケティング」があります。これは名前の通り、SNSなどでシェアされることによるバズ効果を狙ったものです。BuzzFeedなどが有名です。
バズマーケティングは短期間に大量のサイト流入を得ることを主眼に置く手法です。多くの場合ランディングページはスポンサード広告などで、アクセス数がサイトの収益に直接結びつくことになります。
バイラルマーケティングの場合は、コンバージョンがサイト流入ではなくユーザーの獲得にありますので、やや目的としているところが異なると言えるでしょう。
ステルスマーケティングとの違いは?
「バイラル = 何となく悪そう」という印象から、ステルスマーケティングと混同してしまうこともあるかもしれません。いわゆるステルスマーケティングとは、それが広告であることを隠した状態で商品やサービスのPRを行うことです。
一方、バイラルマーケティングは自社サービスのマーケティング手法として発達しました。どちらかというとステルスではない「ダイレクトマーケティング」の一種と考えると良いでしょう。
ただし、広告であることを隠した状態で口コミを広めるなど、「ステルスマーケティングでありバイラルマーケティングでもある」状態が発生することも考えられます。
バイラルマーケティングのメリットとデメリット
バイラルマーケティングの性質について解説しました。それでは、バイラルマーケティングを取り入れるメリット・デメリットはそれぞれどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
メリット
一番のメリットは、費用をかけずにプロモーション効果が狙えるところでしょう。ユーザーにとってインセンティブがあれば、情報は確実に広がっていきます。
Hotmailの場合は無料でメールを送信できるということがインセンティブでした。そのほか、ECサイトでは「お友達紹介キャンペーン」を行っているところが多数あります。これも紹介することにより商品券がもらえるなどのメリットがあるため、ユーザーは積極的に協力してくれます。
デメリット
デメリットのひとつには、ユーザーのインセンティブを作るのが難しいということが挙げられます。「メールを送りたい」という需要そのものがインセンティブになるHotmailのような場合は珍しく、何かしらユーザーがシェアしたくなるような仕組みを作っていく必要があります。
また、広告と異なり露出を調節できないのもデメリットです。たとえば「お友達紹介キャンペーンで商品券1,000円プレゼント!」というキャンペーンを実施したとします。想定外にバイラル効果を得てしまうと、用意していた予算があっという間になくなってしまう、といったことも考えられます。
口コミと同様の効果?インフルエンサーマーケティングとは
これまで見てきた事例から分かるように、バイラルマーケティングはインターネットサービスが一般化した当初から取り組まれてきたマーケティング手法でした。当時はインターネット上にそもそも口コミが少なく、口コミを横断検索できるようなツールも発達していませんでした。そのような状態では知り合いからの口コミが非常に意味を持ち、バイラルマーケティングが有効に働いていたと言えます。
現在では口コミサイトをはじめ、様々なサービスで多種多様な口コミを閲覧することが可能になりました。単に口コミがあると言うだけでは、潜在顧客の心を惹きにくくなっています。
このような現代にあって、特定のクラスタに働きかけるために有効なのがインフルエンサーマーケティングです。弊社misosilではSNS分析ツール「Tofu Analytics」や、インフルエンサーデータベース「Tofu Database」などインフルエンサーマーケティングに有効なツールをご用意しています。
参考:
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まとめ
バイラルメディア・バズマーケティングなどと混同しやすい「バイラルマーケティング」について解説しました。シンプルなバイラルマーケティングは、インターネットが発達した現代ではやや効果が薄く感じられるかもしれません。ターゲットとコンバージョンをしっかり設定した上で取り組んでみてはいかがでしょうか。
参考:
バイラルマーケティングとは(viral marketing) : 富士通総研
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