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「サービス・マーケティング」という概念を知っていますか? 現代ではどのような商取引にも多少の「サービス」的視点が欠かせなくなってきました。しかし現実的に考えると、「サービス向上」というのは指標も曖昧で難しいものです。本記事ではつかみどころのない「サービス」を考える「サービス・マーケティング」の概念について解説します。
商取引の中で「サービス」という言葉は様々に言い換え可能です。「おまけ」を意味することもあれば、「接客方法」のこともあります。このようにやや漠然としていて具体的に言い表すことが難しいサービスをマーケティングの視点から考えるのが「サービス・マーケティング」です。フレームワークや実例を交えてサービス・マーケティングを解説します。
サービス・マーケティングとは何?
サービス・マーケティングとは、取引の中で特にサービスの部分に着目してマーケティングを行うという考え方です。ここで言う「サービス」には美容院のようにサービスそのものを商品として扱う業態から、飲食店のように商品に付属したサービスがある業態までが含まれます。
「製品」ではなく「サービス」に特化したマーケティング
サービスには以下のような特徴があります。
- 無形性:商品のように実体がない
- 可変性:担当者や環境によって質が変わりうる
- 生産と消費の不可分性:生産者=サービス提供者と消費の場面が切り離せない
- 消滅性:消費したらなくなってしまう
- 時間的偏在性:需要に対して在庫を増やしておくなどという対応ができない
これらのサービス独特の特徴を踏まえた上で、マーケティング的視点からサービスについて考えるのがサービス・マーケティングです。
参考:
サービスマーケティングの理論とその応用に関する一研究 : サービスマーケティング理論の応用実践による社会人基礎力の向上 | 愛知学泉大学・愛知学泉短期大学リポジトリ
サービス・マーケティング用「7P」が使われる
サービス・マーケティングを考えるためのフレームワークとしてよく使われるのは「サービス・マーケティングミックス」別名「7P」です。
これはコトラーがマーケティング4.0として提唱している7P「Product、Price、Service、Brand、Incentives、Communication、Delivery」とは異なるものです。詳細については次項で解説します。
なお、コトラーについては以下の記事でも解説をしています。
近代マーケティングの父フィリップ・コトラーについて知りたい!要点解説 | misosil
7Pはほかの7Pとは違うもの?
それではサービス・マーケティングにおける7Pについて解説していきます。ベースとなっているのは「マーケティングミックス」とも呼ばれるコトラーの「4P」です。
ベースの4Pは同じ
コトラーの4Pは「Product(製品)」「Price(価格)」「Promotion(販促・プロモーション)」「Place(場所)」の頭文字を取った名称です。商品を販売する側の立場から、4つのPについて分析し自社の立ち位置を決めるためのフレームワークです。
サービスについて考えるときは、商品を供給することだけでなく、受け取る側の消費者についてきちんと考えなくてはなりません。そのため、以下にある3つのPをさらに追加して分析を深めます。
4Pについては以下でも紹介しています。
4P分析って何?自社商品のマーケティングに活用する方法とは? | misosil
参加者(participants)
「参加者」は単純に「人(people)」とされることもあります。サービスを受ける消費者本人から見たときに、同じ店内にいる人たちがどのような動きをしているのかを考えます。落ち着きを与えたいカフェに賑やかな人たちがいると雰囲気が壊れるかもしれませんし、居酒屋は逆に活気があった方が良いかもしれません。その場の環境を作る人的要因と考えましょう。
物的な環境(physical evidence)
続いては物理的な環境です。飲食店のテイクアウトが充実してきた昨今では、「店で食べても家で食べても変わらない」と思う人もいるかもしれません。しかし実際に店舗で食べてみると、自宅では感じられない非日常感を楽しめることもあります。このように物理的な環境はサービスの質に大きな影響を与えます。
サービスの組み立てのプロセス(process of service assembly)
取引の中の「サービス」というと、実際に顧客と向き合っているときのことだけを考えてしまうかもしれません。しかし、サービスには3つの段階があります。
- 事前の設計や準備
- 顧客への提供
- 提供後の消費
このうちの最初の段階である設計・準備に力を入れることでサービスの品質を高めるという考え方です。
参考:
サービス学をサービス実務にどう役立てるか? | サービソロジー
サービス・マーケティングはどのようなときに使われる?
サービス・マーケティングの概要について解説してきました。それでは、サービス・マーケティングが具体的にどのように使われるのか考えてみましょう。
サービス業の戦略立案
現在30代以上の人は、マクドナルドのメニューに以前「スマイル0円」というメニューがあったことを覚えているかもしれません。笑顔での接客はマクドナルドで伝統的に重要視されているサービスですが、それを顧客にどうやって体験させるかを工夫して作られたのが「スマイル0円」でした。
無形で商品に従属している、普通に取引を行っていたら可視化されないサービスを、そのままの状態で可視化させるという特徴的な手法です。このように、自社のサービスを顧客に見える形でアピールしたり、サービス面で競合に差を付けたかったりするときにサービス・マーケティングの考え方は有効です。
他業種のサービス業的ビジネスモデル立案
製造業を中心に「サービス化」の動きが強くなっています。これは当該の業種において、製品・サービス・知識をひとまとまりとして提供する流れです。
具体的にはエアコンメーカーのダイキンが行っている「空気のサブスクリプション」とも言える「AaaS(エアアズアサービス)」などが当てはまります。とくにそれまでtoCの経験が薄かった業種が顧客との直接取引に乗り出す際にはサービス・マーケティングの考え方が役に立ちます。
参考:
製造企業のサービス化 : サービス・マーケティングの視点から | 関西学院大学リポジトリ
生産財企業におけるモノ売りからコト売りへのシフト | マーケティングジャーナル
まとめ
サービス・マーケティングという手法について解説しました。日常的には「思いやり」「感謝」「おもてなし」といった抽象的な概念で共有されてしまいがちなサービスですが、具体的に何を目指すのか、どういった価値を提供したいのかを数値と言語で表してみましょう。目標をはっきりさせるとスタッフのモチベーションも向上し、達成度が上がっていくはずです。
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