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D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、仲介業者を通さずに顧客と直接つながるビジネスモデルを示します。顧客と直接つながる特長を活かして事業発展に成功する企業が登場しており、いま注目を集めているビジネスの形です。本記事では、D2Cの基礎知識やメリット、成功事例をわかりやすく解説します。
1.D2Cとは
D2C(DtoC)とは、「Direct to Consumer」の略称で、製造業者(メーカー)もしくはブランド保有企業が仲介業者を通さずに、自社の販売チャネルで消費者と直接取引するビジネスモデルです。ダイレクトに最終顧客と接点を持つことで中間マージンを排しつつ、今まで収集できなかった最終顧客データを獲得できる点が特徴です。デジタルテクノロジーの発展を受けて2010年代から数々のD2Cビジネスの成功事例が生まれ、現在でも多くの国内企業がD2Cに取り組んでいます。
なお、よく混同される用語としてB2C(BtoC:Business to Consumer)とB2B(BtoB:Business to Business)があります。B2Cは一般消費者を対象とするビジネスを指し、B2Bは企業や組織を対象とするビジネスを指す言葉です。B2CとB2Bは「誰に向けた商品か」という“販売対象”の観点による分類となり、「どのように商品を提供するか」を限定する言葉ではありません。一般消費者向けにビジネスを展開するD2Cは、さまざまな取引形態が存在するB2Cの一形態と言えます。
1-1.従来の販売モデルとの違いとは
従来の販売モデルでは、一般的にメーカーから卸売および小売を経由して、消費者へと商品が届けられていました。一方のD2Cは、商品の企画・製造から販売・アフターケアまでを自社で完結させるビジネスモデルです。
D2Cと同じく仲介業者を介さないビジネスモデルとして、1986年に米GAP社が提唱したことで知られるSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)があります。「製造小売業」と訳されるSPAは、アパレル商品を主として企画・製造から販売までを一貫して行い、トレンドや顧客ニーズに合う商品を素早く展開するビジネスモデルです。
SPAのメリットの1つに、スケールメリットを活かした大量生産・大量販売によるコスト抑制があります。これは、多数の直営店舗による流通やマーチャンダイジングを軸に展開しているからこそ享受できるメリットで、D2Cとは一線を画します。D2Cはコモディティ化が進んだ市場状況下で誕生したビジネスモデルであり、差別化された商品・サービスによるスモールスタートに主眼を置いています。
そのほかSPAとD2Cの違いとして、販売チャネルの“軸”があります。基本的にSPAの販売チャネルの“軸”は直営店舗で、D2Cの“軸”はオンラインサイトのため、収益・コスト構造が異なります。ただし近年は、SPA事業者もオンライン展開しているほか、D2C事業者もオンラインサイトからスケールして実店舗やショールームを展開するケースが登場し、オムニチャネル化が進んでいます。
1-2.D2CとECの違い
もう1つD2Cと混同されやすい言葉として、EC(Eコマース)があります。ECとは、「Electronic Commerce」の略で、電子商取引と訳されます。一般的にECはインターネット上で商品を売買する取引を示し、ネットショッピングとほぼ同義として扱われる言葉です。ECはあくまでもインターネットを利用した「取引手段」を指すのに対して、D2Cは、消費者と直接取引するという「ビジネスモデル」を指します。つまり、ECはD2Cというビジネスモデルを実現する手段と言えるでしょう。
なお、D2Cは基本的に自社のECサイトを軸にビジネスを展開しますが、外部のECモールやECマーケットプレイスを併用するケースや、オフラインの実店舗に事業を展開するケースもあります。さまざまなチャネルの利点や強みを把握したうえでの戦略的なアプローチが、D2Cにおいては肝要です。
2.D2Cのメリットとは
中間業者を介さないビジネスモデルのメリットとして、余計な仲介手数料が発生しないことが真っ先に浮かぶかもしれません。しかし、D2Cには利益率の高さ以外にもさまざまなメリットがあります。
・メリット1:売り手のビジョンや思想を顧客に伝えられる
「こんな商品があったらいいな」というアイデアから生まれたブランドには、確固としたビジョンや思想があります。創業者の想いを消費者に直接伝えることができるのは、D2Cならではの強みです。
・メリット2:一人ひとりの顧客の声を聞ける
商品の企画から販売までを自社で完結するD2Cでは売り手と顧客との距離が近く、一人ひとりの本音を直に聞くチャンスがたくさんあります。ビジョンや思想を一方的に伝えるだけではなく、顧客側のフィードバックが得やすいのもD2Cの特長です。
・メリット3:顧客データをもとに良い商品を開発できる
ECモールに出店(出品)する場合、顧客の情報はモール側の所有物となるため自社で管理することができません。一方、D2Cでは顧客の属性や購入履歴、EC内での動きなどの詳細な情報を入手し、ペルソナを意識した商品の開発や改善につなげることができます。
・メリット4:ブランドロイヤルティを向上できる
顧客とのコミュニケーションを図りやすいD2Cには、ブランドに対するコアなファンを獲得しやすいという長所があります。こうしたファン層はリピーターとなって売上に貢献するだけでなく、オンライン上の口コミによって新たなファンを爆発的に増やす可能性を秘めています。
3.D2Cのデメリットとは
バズワードにもなったD2Cの未来は薔薇色に聞こえるかもしれませんが、デメリットが存在しないわけではありません。D2Cならではの課題があります。
・デメリット1:自分たちで集客せざるを得ない
Amazonや楽天などのモール型と異なり、「インターネット上にポツンと出店する」というのは、リアル店舗にも共通する点があります。お客様にショップの存在を認知させ、お越しいただき、購入していただく体験は他の誰でもない、ショップオーナーに責任があるのです。そのため、固定客がつくまではAmazonや楽天と併設する形をとるショップも少なくありません。
・デメリット2:初期投資が他業態より高くなる可能性がある
Amazonや楽天などのモール型では、それぞれのプラットフォームを利用させてもらえますが、D2Cではプラットフォームを1から作るのも自分の仕事です。プラットフォーム選定、構築、運用の人件費まで、モール型と比較すると高価になる可能性があります。ちなみにSaaS型のShopifyの価格は、月額29ドルから利用可能で、一人で運営している人も多いです。
4.D2Cブランドの成功事例10選
ここで、D2Cで成功した10のブランドの事例を紹介します。
4-1.Minimal – Online Shop -(食品)
Minimal – Online Shop -は、チョコレート専門店の「Minimal -Bean to Bar Chocolate-」が手掛けるオンラインショップです。Minimal -Bean to Bar Chocolate-は、2014年にスタートしたクラフトチョコレートメーカーです。
チョコレートづくりの全ての工程を自社で行う、珍しいスタイルを取り入れています。
東京にある直営店2店舗とECサイトのMinimal – Online Shop -で商品を販売しており、実店舗・オンラインショップ・SNSの全てが同じ世界感で統一されています。
https://www.facebook.com/minimalchocolate/posts/4386598428044184
また、消費者と積極的にコミュニケーションを取ることで、ファンづくりに力を入れている点も特徴です。
実店舗での丁寧な接客はもちろん、ECサイトに寄せられた商品レビューにコメントを返信するなど顧客目線で対応されています。さらにSNSでは、商品開発や店舗運営に関するストーリーを公開しています。
ブランドの認知度を高め、多くの人に興味を持ってもらう取り組みがポイントです。
4-2.BULK HOMME(化粧品)
BULK HOMMEは、主に男性向けの化粧品を販売している化粧品ブランドです。
「世界のメンズビューティーをアップデートする」とのビジョンのもと拡大を続けており、日本だけでなく、ヨーロッパなどの海外進出にも力を入れています。
2013年から販売を開始し、ECサイトからの定期購入を基本としたことで、D2Cブランドの先駆け的存在とも呼ばれています。
特にInstagram上でのコミュニケーションに力を入れているほか、SNS広告も活用するなどの方法により、国を問わず新規顧客の獲得に成功しました。
オンラインでの直接販売から徐々に販路を拡大し、2020年の秋には1,000店舗以上の大手ドラッグストアでの取り扱いもはじまっています。
・参考記事:https://company.bulk.co.jp/information_201001
4-3.FABIUS(美容)
ファビウス株式会社は、美容製品や健康食品の製造販売を行う会社です。代表商品である「すっきりフルーツ青汁」が2017年に累計30,000万個の大ヒット商品となり、年商131億円を達成しました。
商品は全てECサイトで販売し、「毎月定期便」によって業績を伸ばしたことが特徴です。
また新商品に興味を持ってもらうため、積極的にメルマガやLINEで商品の情報を発信し、顧客を惹きつける取り組みを行っています。
・参考記事:https://fabius.co.jp/blog/blog-4021
4-4.Allbirds(アパレル)
Allbirdsは2014年にサンフランシスコで誕生した、スニーカーの販売をメインで行うアパレルブランドです。
靴の素材にはニュージーランドのスーパーファインメリノウールを使用し、「世界一快適なシューズ」として日本でも多くの人気を集めています。
またD2Cブランドの代表としても話題を集めており、ECショップをメインとして商品を販売するほか、2020年には原宿に日本1号店をオープンしました。
Allbirdsは、どちらかというとD2Cブランドとして後発です。ですが、Amazonなどのプラットフォームに頼らず、自社のECサイトでブランドのストーリーを重視してきました。
さらに消費者の意見をもとに商品の改良を繰り返した結果、多くの人気が出て、世界中で求められるブランドとなっています。
・参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000052205.html
4-5.BASE FOOD(食品)
ベースフード株式会社は、1食のみで必要な栄養素を摂取できるパンなど軽食の販売を行っている会社です。
「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」をミッションとして、完全栄養のパン・麺などを、主に自社のECサイトで販売しています。
過去に完全栄養のパンやパスタを販売している企業はなかったため、商品の特性を伝えるために、主に消費者とのコミュニケーションを重視しました。
Twitterのように、
- 購入を検討している人:購入した人の理由から商品価値を伝える
- 購入の継続を促したい人:他のユーザーの継続理由や、継続するための工夫を伝える
といったように、消費者の段階ごとのアプローチを実施。引き続き商品展開に力を入れていくと共に、今後は海外展開も推進していく予定です。
・参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000022258.html
4-6.土屋鞄製造所(アパレル)
土屋鞄製造所は、老舗の皮革製品ブランドです。高品質な皮革製品の販売で知られており、ランドセルから仕事鞄まで、数多くの皮革製品を製造・販売しています。
2,000年代からECによる販売をスタートさせたものの、消費者の声の反映や、新しいツールの導入に時間がかかることに頭を悩ませていました。
そこでShopifyを導入し、自社内にて、より多くの施策や開発を進行させる体制づくりに着手します。内製化が進められたことで、ブランディングに更に集中できるようになり、顧客層を大幅に広げることに成功しました。
・参考記事:https://www.shopify.jp/blog/success-story-tsuchiyakaban
4-7.snaq.me(食品)
snaq.me(スナックミー)は、素材の味を生かしたおやつが届く定期制のサービスです。
もともとは市販のおやつを寄せ集めて発送していましたが、消費者の「欲しい」商品を提供するために、D2Cモデルの導入を決定しました。
販売時には特に消費者とのコミュニケーションを重視しており、おやつに対するフィードバックを積極的に集め、商品に反映しています。
また商品の改善だけでなく、顧客の属性や嗜好に合わせた販売を目指しています。「おやつ体験」をキーワードに顧客体験を重視し、満足度の高いおやつBOXへ進化させることに力を入れています。
・参考記事:https://news.nissyoku.co.jp/tie-up-free-page/snaq-me
4-8.17kg(アパレル)
17kg(イチナナキログラム)は、韓国系ファッションで高い人気を集めるアパレルブランドです。主にInstagramを使って商品の宣伝を行っており、なんとフォロワー数は51万人を突破(2021年9月現在)。
更にECサイトだけでなく、原宿ラフォーレに実店舗をオープンするなど、10代のユーザーを中心として人気を集めています。今後はファッション以外にも、美容やコスメなどの商品展開が予定されており、さらなる飛躍が期待されています。
・参考記事:https://www.shopify.jp/blog/success-story-17kg
4-9.Mr. CHEESECAKE(食品)
Mr. CHEESECAKEは、「日本一入手困難なチーズケーキ」と言われるほど人気を集めているチーズケーキです。「世界一じゃなくあなたの人生最高に」をモットーとして、シンプルなチーズケーキを販売しています。
販売形式は公式サイトからの注文のみで、販売期間は週に2日に限定されています。代表の田村氏はフレンチレストランでシェフをしていました。
ですが、「Instagramに投稿したチーズケーキを販売して欲しい」という顧客の声がきっかけでレストランを辞め、チーズケーキのオンライン販売をスタートしました。
SNSで消費者とのコミュニケーションを重視し、TwitterやYouTubeなどで積極的にコメントの返信を行っています。
また独特の世界観を重視し、大量販売を行わないことで、ブランディングにも成功しました。現在はECサイトだけでなく、全国各地でのポップアップストアでも商品の販売を行っています。
・参考記事:https://www.hottolink.co.jp/column/20200826_107867/
4-10.COHINA(アパレル)
CONIHAは、小柄な女性を対象としたアパレルブランドです。
小柄な人にぴったり合ったサイズの服を販売するだけでなく、モデルにも小柄な女性を起用することで、着用感をイメージして買い物を楽しめます。
製品は自社ECサイトのみで販売し、Instagramのフォロワーは21万人を超えています(2021年9月現在)。Instagramの機能であるインスタライブを活用し毎日配信することで、広告や宣伝などはほぼせずにフォロワーを増加しました。
またInstagramの他にもTwitterやLINEなどのSNSも活用し、主にユーザーの口コミ投稿からつながりを強化しています。
・参考記事:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00204/00002/
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