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Instagram広告の投稿に届くコメントに対して、特定のキーワードを検知すると自動でダイレクトメッセージ(DM)を送る新機能「Reply to Keywords」を、Metaが一部の広告主向けにテスト配信していることが2026年8月25日、複数の海外メディアの報道で明らかになった。Meta広告に精通するJon Loomer氏が自身のブログで広告作成画面のスクリーンショットとともに紹介し、Social Media Today、Socialsamosa、Global Dating Insightsなど英語圏のメディアが後追いで報じている。2026年8月27日時点で、Meta公式のニュースルームやヘルプセンターにこの機能に関する発表は確認できておらず、本稿はこれら一次情報に基づく報道内容の範囲で機能の内容を整理する。日本での提供時期や対応可否についても、現時点で公式情報は見当たらない。
「Reply to Keywords」の機能概要
Jon Loomer氏の報告によると、一部の広告主のInstagram広告作成画面に「Conversations」という項目内で「Reply to Keywords」というオプションが表示されるようになっている。説明文には「コメントに特定のキーワードが含まれていたら、自動的にプライベートメッセージを送信して時間を節約できます」という趣旨の案内が付いており、「Turn On」をクリックすると設定画面に進む仕組みだ。
設定できる項目は次の2つ。
- キーワード・フレーズ:最大5個まで登録可能。広告への投稿コメントにこれらの語句が含まれていた場合、自動DMのトリガーとなる。
- 自動返信するプライベートメッセージの本文:リンク、電話番号、メールアドレスを含めることができるとMetaは説明している。
設定画面の右側には、Instagramのコメント欄とプライベートメッセージのプレビューが表示される仕様になっており、Loomer氏はこの見た目から「Instagram広告に特化した機能であり、Facebook広告には現時点で対応していないと考えられる」と指摘している。実際、テストが確認されているのはInstagramの広告設定画面のみで、Facebook広告での表示例は報告されていない。この点はSocial Media Todayの報道でも同様に「現段階ではInstagram広告のみで確認されている」とされており、複数の情報源で一致している。なお、いずれの報道も画面のスクリーンショットを提示した上での確認であり、Meta側からの機能名や仕様に関する公式コメントは掲載されていない点には注意しておきたい。テスト表示の対象がどのような条件(アカウント規模、業種、地域など)で選ばれているかについても、報道内では明らかにされていない。
想定される使い方
Loomer氏は、この機能が活用される場面として2つのパターンを挙げている。
1. コメント量が多い広告の一次対応
反響の大きい広告ではコメント数が膨大になり、担当者が一件ずつ目視して返信するのが難しくなる。よくある質問(送料の有無、割引条件など)をキーワードとして事前に登録しておけば、コメントが投稿された時点で該当する内容のDMを自動送信でき、一次対応の負荷を下げられる。特に季節性のセールやキャンペーン期間中など、短期間にコメントが集中しやすい広告での活用が想定される。
2. 「コメントで合言葉を書いてもらう」誘導施策
広告クリエイティブ側で「『資料』とコメントしてください、詳細をDMでお送りします」のように呼びかけ、コメントしたユーザーに自動でDMを送るいわゆる「コメントtoDM」施策との相性もよい。Loomer氏は「スパム的に見えるリスクはあるが、実際に成果が出ている手法でもある」と評している。美容室の予約導線や不動産の資料請求、ECの割引クーポン配布など、コメント一つでリードを獲得したい業種との親和性は高いと考えられる。
ただし同氏は、キーワードを最大5つまで登録できるにもかかわらず、送信できる自動DMの文面は1パターンのみである点に違和感を示している。質問内容ごとに異なる回答をキーワード単位で出し分けたいニーズには応えられておらず、「テスト段階ゆえに機能が作り込み途中である可能性が高い」との見方を示した。5つのキーワードすべてに同一のDM文面しか設定できないのであれば、実務上は「複数の言い回しを1つの用途にまとめて登録する」使い方が中心になると考えられる。例えば「資料」「詳細」「詳しく」といった表記ゆれを5枠に割り当て、1つの案内文を確実に届ける、といった運用が現実的だろう。
既存の自動DM機能との違い
Meta広告への自動DM機能自体は今回が初出ではない。Instagramのビジネス設定にある「自動化」やMeta Business Suiteの受信箱ツール、Meta Business Agentといった仕組みを使えば、フォロワーからの通常投稿(オーガニック投稿)のコメントに対して、以前からキーワードに応じた自動DM送信は可能だった。Social Media Todayも「Reply to Keywordsに似た機能は、受信トレイの自動化やMeta Business Agentを通じてすでに提供されている」と指摘している。
今回のテストが意味を持つのは、この仕組みが広告(プロモーション投稿)のコメント欄にも広がる可能性がある点だ。従来はオーガニック投稿の運用担当者が個別に設定する機能だったが、広告の入稿画面から直接設定できるようになれば、広告出稿とDM施策を同じワークフローの中で完結させやすくなる。これまでオーガニック投稿でのコメントtoDM運用と、広告配信のオペレーションを別々のチームや別々のツールで管理していた企業にとっては、設定の一本化というメリットが生まれる可能性がある。
一方で、外部の自動DMツールを既に導入している企業からすると、Meta標準機能でどこまで代替できるのかという比較検討も必要になる。現時点でReply to Keywordsは「キーワード最大5個・DM文面1パターン」というシンプルな仕様にとどまっており、条件分岐や複数パターンの自動応答、既読管理といった高度な機能を求める場合は、引き続き専用ツールの併用が必要になりそうだ。また、Social Media Todayは今回の動きを「ユーザー同士のやり取りがDMへ移行しつつある流れに対応するもの」と位置づけており、Metaが広告とメッセージング機能の統合を段階的に進めている文脈の一つとして捉えている。
企業アカウント運用者が今の段階で押さえておきたい視点
Metaは2026年に入ってからも、Meta AIが広告文案やレポートを自動生成する中小企業向けアシスタント機能の拡充など、広告運用の手間を減らす方向の機能追加を続けている(詳細はMeta AIの中小企業オーナー向けアシスタント機能の記事を参照)。Reply to Keywordsも、広告主が手作業で行っていたコメント対応を自動化する取り組みの一つとして位置づけられ、Metaが「広告運用の省力化」と「DM経由のユーザー接点強化」を同時に進めている流れの中にある。
この機能はまだ一部アカウントに限定表示されているテスト段階であり、正式リリースの時期や日本での展開有無は公式に発表されていない。とはいえ、広告運用の実務担当者としては次の2点を今のうちに整理しておく価値がある。
1つめは、コメント誘導文言と「エンゲージメントベイト」ポリシーとの線引きだ。「コメントで合言葉を書いてください」という誘導表現は、Metaがスパム的なエンゲージメント稼ぎとして制限対象にしている「いいねやコメントを不自然に促す表現」と紙一重になりうる。仮にReply to Keywordsが広く使えるようになった場合、キーワードコメントを促す広告文言がポリシー違反と判定されないか、事前にガイドラインを確認しておく必要がある。特に、景品や特典を条件にコメントを促す表現は、機能の有無にかかわらず従来からリスクが指摘されてきた領域であり、この機能が普及するほど審査の目も厳しくなる可能性がある。広告文言を作る段階で「合言葉を書かせる」表現と「単に情報を求める」表現の境界を社内で言語化しておくと、後から修正する手間を減らせる。
2つめは、DM対応の運用体制の整理だ。自動DMが届いた後、実際の商談・問い合わせ対応に移行するのは人の手になる。キーワードの設計だけでなく、DM受信後の一次対応フローや、どの部署が返信するかといった社内体制を先に決めておくことで、機能が実際に使えるようになった際にすぐ着手できる。特に複数のキャンペーンを並行して走らせている企業では、どの広告からのDMかを判別できるよう、キーワードと文面の対応表を管理しておくと運用が煩雑にならない。あわせて、自動DMを起点にした問い合わせが急増した場合の対応人数の見積もりも、テスト段階のうちに検討しておきたいポイントだ。
なお、既存のInstagramのDMの送り方や既読管理の基本を押さえておきたい場合や、Instagramの自動応答を含むAI関連機能の全体像を確認しておきたい場合は、それぞれの記事も参考になる。
まとめ
Metaは2026年8月25日前後、Instagram広告のコメントに特定キーワードを検知して自動DMを送る「Reply to Keywords」機能を一部広告主向けにテストしていることが、Jon Loomer氏やSocial Media Todayらの報告で明らかになった。最大5つのキーワードを登録でき、リンクや連絡先を含む自動返信メッセージを設定できる点が確認されている一方、対応プラットフォーム(Facebook広告への展開有無)や正式リリース時期、日本での提供予定は2026年8月27日時点で明らかになっていない。
現状ではごく一部のアカウントにのみ表示されるテスト機能であり、日本国内で同様の画面を確認できたという報告も、2026年8月27日時点では見当たらない。機能の細かい仕様を先回りして断定するより、広告運用担当者はコメント誘導施策とプラットフォームポリシーの整合性や、DM受信後の社内対応フローを今のうちに点検しておくほうが、実際に機能が使えるようになったときの立ち上がりがスムーズになるだろう。今後、Meta側から対応地域や対応プレースメントの拡大について正式なアナウンスがあった場合は、本稿も更新して追記する。

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出典
- Reply to Keywords Meta Ads Feature – Jon Loomer Digital(2026年8月25日)
- Meta tests auto-DM response for Instagram ad comments – Social Media Today(2026年8月25日)
- Meta tests auto-DM responses for Instagram ad comments – Socialsamosa
- Meta Tests Auto-DM Replies for Instagram Ad Comments – Global Dating Insights