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料理撮影で重要なのは、料理をおいしそうに見せること。おいしそうに見える要素はさまざまありますが、「質感」をきちんと伝えてあげるのが重要です。見た目を忠実に再現することで、人の心を動かす料理写真を撮影できます。反対に、見た目と異なる料理やシチュエーションの写真は見る人の印象を損ねてしまうことも。

今回は料理撮影のテクニックをご紹介します。

1.道具不要! 今すぐできる撮影テクニック

1-1.まず選んでおきたい撮影のアングル

まず選んでおきたい撮影のアングル

料理やドリンクを撮るときに最も基本的なポイントになるのが「アングル」を選ぶことです。アングルは、被写体に対してスマホを構える角度(高さ)のことです。

〇ハイアングルとローアングルの違い

料理写真の場合、席に座っている目の高さから撮る「アイレベル」(約45度)を基準にして、それより高い位置から撮る「ハイアングル」、低い位置から撮る「ローアングル」があります。

アイレベルやハイアングルで撮った写真は全体像や大きさが分かりやすいという利点があります。ただ、素材の魅力やおいしさを伝えるには物足りません。

素材の魅力を伝えたい場合は、ローアングルにして料理に近づいて(寄りで)撮ってみましょう。

〇インスタグラムではやっている真上からのアングル

インスタグラムでは真上から撮る独特のアングルがよく使われています。普段とは違った角度から見る風景が「かわいい」と評価される傾向にあります。

1-2.見栄えが大きく変わる、3つの構図

「構図」とは被写体などを配置すること。基本テクニックとしては「日の丸構図」「3分割構図」「対角線構図」を覚えておくとよいでしょう。

〇日の丸構図

日の丸のように被写体を中心に置いた構図のこと。落ち着いて見える反面、面白みに欠けるといわれています。

〇3分割構図

フレームに縦横に3本の線を引いたと仮定し、その線、または交点に被写体を置いて撮る構図です。撮影時のスマホ画面に「グリッド」と呼ばれる線を見たことがあるかもしれませんが、これはその目安にするためにあります。

〇対角線構図

被写体を画面の対角線に大胆に配置する構図です。躍動感があります。

1-3.本来の魅力やシズル感が際立つ「引き算」

「写真は引き算」という言葉があります。撮りたいもの、見せたいものをフレームに入れるのは当然ですが、余分なものや見せたくないものはそのフレームから排除していくことです。

例えば、焼鳥の写真を撮るのに使ったおしぼりや調味料、タレやお皿などは余分なものです。ここは引き算、余分なものをフレームに入らないようにしましょう。

そして料理の魅力を引き出すために先ほど紹介した構図を利用してみてください。

〇ポートレートモードで主題以外を効果的にボカす

スマホで撮影時の「ポートレート」モードは人物撮影だけでなく、料理の撮影でも使えます。「ポートレート」モードは背景をボカす効果もあります。奥行き感を一層演出した、一眼レフで撮影したような写真を撮ることができます。また、主題の被写体以外のものをボカすことで、主題が引き立つ効果もあります。

1-4.被写体を印象づける順光と逆光

光の向きにこだわる人が増えています。被写体が写し手の方向からの光を浴びていることを「順光」、被写体が後ろから光を浴びるのを「逆光」、斜めからの光を「斜光」と呼びます。

「順光」と「逆光」で撮った写真では、かなりの違いが出ます。

順光の写真はサラダ全体に光があたって、とても明るい写真です。逆光はサラダの後ろから光が当たることで影ができ、凹凸がはっきりと表現されます。

ちなみに、順光で撮るときは撮影者の影がフレームに入らないように注意してください。

プロの撮影現場では基本は一般に逆光か斜光です。スタジオ撮影では四方から光を当てて影を消したり、ライティングの光に強弱をつけたりして影の角度や濃さをコントロールします。しかし、レストランや居酒屋では一般に、案内されたテーブルや席によって光の向きは決まってしまうので、逆光や斜光を選んで撮影するのは困難ですし、撮影のために席を立ってワイワイとやるのは個室でもない限り、他のお客さんの迷惑になるのでお勧めできません。上記の特性を理解した上で、少し料理の向きや身体の向きを変えるなど、工夫しながら静かに撮影してみましょう。

2.料理撮影時にオススメの背景や小物

料理と一緒に小物を写したり、背景を工夫したりして、写真のステップアップを目指しましょう。単に小物をプラスするだけでなく、余計なものを入れない画作りも大切です。テーブル周りは片付けて、事前準備を念入りにしましょう。

2-1.ランチョンマット・クロス・撮影用天板

ランチョンマットは、料理の下に敷くだけで、いつもの料理が華やいで見えるのでオススメです。普段使いのテーブルが料理に合わない場合も、クロスで色や模様を料理に合わせることが可能です。マットやクロスは生活感を出さないために、アイロンで折り目・シワを伸ばしておきましょう。

より本格的な写真を目指すなら、自分好みの撮影用天板(スタイリングボード)を用意するのもアリ。撮影用天板とは、撮影の際に背景として使うボードのことです。木目調や漆喰(しっくい)、大理石風、無地など……。色も質感もさまざまで、小物撮影にも使えます。リメイクシートなどを天板に貼り付けて、料理に合わせてDIYをするのも楽しいでしょう。

2-2.食器類

カフェやレストランを真似て、盛り付けの器にこだわるのもオススメ。シンプルな白色や木目調、料理が映えやすい濃い色の食器はどんな料理撮影にも使えます。

また、色だけでなく形や材質、深さによって写真の印象は変わります。たとえば、平皿はカメラアングルを下げられるため、料理の高さを強調させる撮影に向いています。器に加えて、グラスやスプーン、箸置きなどの小物で写真に統一感を出してみるのもいいかもしません。

2-3.花・植物

絵面に寂しさを感じたら、花や植物のちょい足しがオススメです。花は生花でなくても構いません。「フェイクグリーン」と呼ばれるワイヤー型の人工植物なら、枯れないのでさまざまな料理撮影に活用可能。特にデザートや洋食との相性は抜群なので、ぜひ取り入れたいアイテムです。

3.料理撮影時のカメラの設定

ここからは、よりこだわった料理写真を撮りたい方向けに、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)や一眼カメラの設定について解説します。

コンデジ・一眼カメラは、高い解像度はもちろん、焦点距離の変更、露出(取り入れる光の量)やホワイトバランスなどをカメラ内で設定できる点が強みです(※)。スマホでは難しい背景がボケた写真も、一眼カメラならお手の物。

カメラの設定は、絞り値優先モード(A、Avモード)にしましょう。

3-1.F値

F値は料理を撮影する際に重要な項目。F値を調整することで、カメラに取り込む光量の調整が可能です。F値を大きくする(絞る)と光の量は少なくなり、F値を小さくする(開く)と、光の量は多くなります。取り入れる光が多ければ写真は明るくなるので、明るさが重要な料理写真では、F値の小さな明るいレンズが重宝されます。F値は低いほどピント面が薄くなり、ピント合わせがシビアになる点が特徴。明るい写真でも、質感が伝わらないほどボケてしまっては意味がありません。

魅せたいところにはピントが合うように、F値を調節しましょう。被写体との距離によってもボケ味は変わるため、家の中での撮影では動きながら被写体との距離感を考えるのがオススメです。

料理撮影では、シーンによって異なりますが、F 2.8からF8ほどの幅広いF値が用いられます。背景をぼかしたい場合は、F2.8~F5.6前後のF値が一般的です。

3-2.露出

露出も料理の印象を良くする要素の1つ。そんな露出を決めるのは、F値とシャッタースピードです。絞り優先モードでは、F値を設定するとカメラが自動的に露出を決めてくれるため、シャッタースピードを気にする必要はありません。しかし、写真が暗いと感じたら、露出補正をプラス1前後かけて、適度に明るくしましょう。

露出補正をプラスにする分、シャッタースピードが遅くなる点には注意してください。三脚を使用しない場合は、手ぶれしない範囲にシャッタースピードを留めるのも忘れずに。

3-3.ISO感度

十分な光量が得られる部屋や三脚がある状況では、ISOは100~200に設定しましょう。意図した明るさにすると手ぶれを起こしてしまう場合は、ISO感度を上げるか、オート設定で手ぶれを防ぎましょう。

3-4.色温度

色温度とは写真の色味を示す単位です。数値が低ければ寒色系に、高ければ暖色系の写真に仕上がります。

青は食欲減退色といわれるように、料理写真では赤みのある写真に仕上げるのがオススメです。もちろん、色味を寒色系にして涼しさを演出する方法もあります。しかし、一般的な料理写真であれば、色温度を6000前後(カメラプリセットでは曇りや日陰)に設定した方が良いでしょう。食欲をかき立てる写真に仕上がること間違いなし。

4.料理の写真の上手な撮り方《注意点》

続いて、料理の写真を上手に撮る際に気を付けたい、注意点についてご紹介いたします。料理の写真は、美味しく見えるような撮り方をするのがコツです。まずは試しに写真を撮影してみて、料理の質感や色合いが美味しそうに伝わってくるか、見返してみると良いですね。

写真を見た人が、思わず食べたくなってしまうような撮り方ができたらばっちりです。また、光の当たり方・角度・指の映り込みなど、気になる点がないか注意して観察してみましょう。

4-1.暗くならないようにする

料理を撮影した時に、光が上手く当っていないと、全体的にどんよりしたイメージになってしまいます。料理が美味しく見えにくくなってしまうので、写真を撮影する時は、適度に光を取り入れるようにしましょう。

特に海鮮丼など、素材が透けていてみずみずしい場合は、より丁寧に光を入れるようにすると美味しく見えますよ。特に室外や窓際の席の場合は、逆光気味に撮影すると、太陽の光が反射して料理が美しく見えます。光を上手に使って、料理の色合いが鮮やかに見えるよう工夫してみてください。

4-2.料理によって撮り方を変える

料理によって撮り方を調整することで、より特徴的な写真を撮影できます。毎回同じ撮影方法でも良いですが、より食べ物を美味しそうに撮影するには、臨機応変に変化させることも大切です。料理を注意して観察して、大きさや形が魅力的に見える撮り方を探ってみましょう。

例えばハンバーガーであれば、ちょっと下の角度から撮影すると、ダイナミックで美味しそうな撮り方ができますよ。レストランでのディナーであれば、低めかつ、斜めのアングルで背景をぼかすとシックな印象に。

4-3.動きを大切にする

料理の美味しさが伝わる臨場感ある写真を撮るには、「動き」を意識してみましょう。より臨場感をアップさせるには、料理の構図の中に、動きを取り入れるのもおすすめです。

パンケーキにチョコレートソースをたっぷりかけている様子を撮影したり、ケーキのピースを手に取っている様子を撮影したりすると、今にも飛び出してきそうな臨場感を感じます。撮り方の工夫や動きがなく、「並べて撮っただけ」という印象にならないよう、注意すると良いですね。

4-4.余白を入れる

画面いっぱいに料理を並べたり、無秩序に道具を並べたりすると、写真に余白がなくなって窮屈な印象になってしまいます。料理を拡大して質感を撮影するズーム写真は別ですが、写したい料理の配置を工夫して、隙間を作るようにするのが上手な撮り方です。

テーブルの隙間や、何も置かないスペースを取り入れると、見せたいものがしっかりと伝わってきますよ。小さな物を撮影する時は、画面の端に寄せて、敢えて全部写さないようにするのも簡単な方法です。自然な余白が生まれるので、手軽にプロっぽい写真の撮り方ができます。

4-5.統一感をもたせる

写真に登場させるものに、統一感をもたせるようにするのも、料理の写真の上手な撮り方です。料理に全く関係のないメニュー表や携帯、私物などが映り込んでしまうと、そちらに意識がいってしまいます。

また、小物を取り入れる際は料理との関連性を意識しましょう。色合いや柄の組み合わせも考えるようにすると、より一層美しく統一感のある印象になりますよ。写真の風景として活用する場合は別ですが、関連性がないものはできるだけ写さないよう、注意しましょう。

4-6.バランスを考える

上手に料理の写真を撮影するうえで欠かせないのが、バランスです。お皿や小物などの配置したい物を、いかに美しく見せるかがカギになってきます。大胆に全部端に寄せて上から撮影する撮り方も良いですし、背景を壁や風景にして陳列し、シルエットを綺麗に見せる撮り方も素敵です。

「時短で撮影したい」「配置を考えるのが面倒」という時は、なるべくシンプルにするのが簡単な方法です。料理だけならアップ気味に撮影する、料理とコップ・カトラリーを上から撮影するなど、物を絞って構図を考えると上手くいきます。

4-7.主役を決める

写真のメインとなる主役を決めると、画面がスッキリとまとまります。特に、背景をぼかすタイプの写真の撮り方をしたい場合に、どれに注目させたいか考えて配置すると良いでしょう。

一方で、全部を主役にするという方法もあります。特に、上から料理を撮影するような構図の場合は、均等に配置することで一つの作品のように見せられますよ。その際は、色合いや食材の種類を揃えると、たくさん小物を使っても統一感をキープできます。

4-8.フィルターに注意する

アプリや携帯の機能で、気軽に取り入れられるフィルター機能ですが、色味に注意すると良いでしょう。料理が美味しく見えるのは、暖かい色合いの暖色系カラーです。ふんわりとした印象の赤みがかった色味のフィルターを活用すると、料理がより美味しく見えますよ。

レストランなどで撮影した写真が、店内の照明の影響で白く映ってしまったという時は、後から携帯の機能でホワイトバランスを調整できます。特に野菜や果物は、彩度がはっきりしていたほうが新鮮で美味しそうに見えますので、適宜調節してみましょう。

5.まとめ

今回は、料理写真の上手な撮り方や、プロっぽく撮影する方法ついてご紹介いたしました。光の入れ方や構図次第で、全く違った印象になりますよね。

気になる撮り方や撮影方法がございましたら、ぜひ参考にしてみてください。撮影する料理や、撮影時の環境によって撮り方が変わるところも、料理写真撮影の楽しいところです。

上手な写真が手軽に撮れるアプリも充実していますので、便利機能も活用しながら、より素敵な撮り方を研究してみてください。

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