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一昔前の発注業務を振り返ると、電話やFAXを使うことがほとんどでした。しかし、現在ではEDIと呼ばれる電子データを活用することが主流となっています。
この記事ではEDIについて詳しく解説するとともに、2024年問題やWeb-EDIとの違いについてご説明します。ぜひ、参考にしてください。
EDIとは
EDIとは「Electronic Date Interchange」の略称です。日本語にすると電子データの交換といったところでしょう。主に企業間におけるECサービスで利用されるため、企業間データ交換ということも多いです。
EDIの具体的な部分をみていくと、受発注において紙ベースの注文書や請求書などを発行するのではなく、インターネットを通じた電子データでのやり取りを行います。
EDIの種類
EDIには以下の4種類があります。
・個別EDI
限られた取引先との受発注システムです。取引先に応じて仕様を変更できますが、ほかの取引に活用することが難しくなります。
・標準EDI
データ形式や識別コードといった設定を複数の取引先と共有する受発注システムです。個別EDIのように取引先に応じた仕様変更はできませんが、ひとつのシステムで複数の企業と取引ができます。
・業界VAN
特定の業界に特化した標準EDIです。共通コードを利用する取引先を多く持つ場合に導入することが多いです。貿易業務に使われることでも有名です。
・全銀EDI
支払通知番号や請求書番号など商取引のデータのやり取りができるシステムです。売掛金や消込などの経理処理システムが搭載されている標準EDIになります。
EDIと電子契約の違い
EDIと電子契約を混同する人もいますが、両者には異なる点があります。EDIは取引に関するデータのやり取りであり、電子契約は文書データのやり取りを意味します。
また、電子契約には電子署名とタイムスタンプが必須ですが、EDIでは規定がありません。それから、EDIは企業間のやり取りですが電子契約は企業間だけではなく、企業と個人のやり取りでも活用できます。
Web-EDIとの違い
EDIにはWebを活用したWeb-EDIがあります。Web-EDIはインターネットとサーバーを活用したシステムです。従来のEDIは自社と取引先が同じシステム、専用端末を揃える必要があり、初期費用や保守費用が高額なものでした。
しかし、Web-EDIはパソコンとインターネット環境があると利用できるため、企業間で同じシステムを揃える必要がありません。
導入の初期費用も従来のEDIよりも安くなり、多くのメリットがあります。しかし、個別EDIのように取引先に応じてカスタマイズしたWeb-EDIを導入することになります。
EOSはEDIの一部
ここまでEDIにつてご説明しましたが、EOS(Electronic Ordering system)と呼ばれる電子発注システムと混同している人もいるかもしれません。EOSはEDIよりも先に登場しており、ハンディターミナルで利用することが多いです。
EDIのように発注書や納品書などの取引に関係するデータのやり取りはできません。ですからEOSだけを導入しても取引に関する業務が別途、必要になるわけです。EDIによってEOS機能を組み込んだシステムもあり、ほかのシステムとの連携もできます。
EDI導入のメリット
EDIの導入により以下のメリットがあります。
・業務効率化
EDIを導入することで取引関係の書類の作成から管理までデータ化できます。そのため、作業工程が大幅に簡素化されます。紙ベースでの取引では、書類の発行や郵送、ファイリング、保管場所の管理など多くの業務がありました。それらを解消できるのがEDIです。
・コストの削減
従来の紙ベースの取引ではさまざまなコストが発生していました。用紙代、インク代、郵送代、人件費など、EDIを導入することでそれらのコストが削減できます。
・取引先との信頼関係の向上
EDIではリアルタイムでのデータ管理が可能です。それにより、人的なミスや誤発注、取引スピードの向上などにつながります。そういった正確な取引が積み重なることで、取引先との信頼関係が向上していきます。
EDIの2024年問題とは
現在、多くのEDIがISDN回線を活用しているものが多いです。しかし、2024年にアナログ回線の完全廃止となり、ISDN回線が利用できなくなります。
それまでにWeb-EDIの導入に切り替えないと、機能に不具合が生じる可能性があります。しかし、その以降においても取引先に同意してもらったり、システム変更の費用があったりします。
移行の際にEDIに不具合が生じれば各種データの消失なども考えられます。移行計画とその対応は早期にすすめたいところです。
EDIを導入するときのポイント
EDIを導入するときは次の2つのポイントに着目してみてください。
・費用対効果
前述した2024年問題を見据えた導入を検討することが大事です。これからであればWeb-EDIの導入が主流となるわけですが、取引量に応じて初期費用や運用費用、保守費用を抑えられるシステムを検討してみてください。
・取引先との相談、合意
今後はWeb-EDIの導入を検討することが多いですが、取引先との合意が必要です。回線の問題を解消できれば、個別EDIや標準EDIなど、従来のシステム導入もできます。EDIの導入に関しては取引先との十分な協議を重ねてください。
EDIの導入を検討しよう
EDIの導入は業務効率化やコスト削減などに効果があります。Web-EDIも普及しており、さらなるコスト削減も期待できます。ただし、2024年問題などの懸念材料もあるため、EDIの導入には十分な検討が必要です。
この記事を参考にEDIの導入を進めてみてはどうでしょうか。
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