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みなさんは「クロスメディア」と呼ばれる言葉をご存じでしょうか?

クロスメディアとは、一つのメディアだけではなく、複数のメディアを利用して商品・サービスの広告を行うことを意味します。

クロスメディア戦略は、企業において採用されることの多い非常に効果的なマーケティング戦略の一環です。

本記事では、クロスメディアについて成功事例と併せて分かりやすくご紹介していきましょう。

1.クロスメディアとは?

クロスメディアは、ひとつのサービスや商品をさまざまなメディアを活用し、PR、広告宣伝活動することを指します。混同されることの多い、メディアミックスとの違いと一緒に紹介していきます。

1-1.クロスメディアの意味とは

クロスメディアの意味とは、前述の通りひとつのサービスや商品を、複数のメディアを横断してPR、広告宣伝活動すること。例えば、テレビCMで「続きはWebで」や「詳細は明日の折り込み広告で」など目にしたことはありませんか。この手法は、生活者に幅広く訴求できるテレビCMと、より詳しい情報を掲載できるWebサイトや折り込み広告を横断したクロスメディア展開です。

クロスメディアは、それぞれのメディアの良いところを組み合わせて、効果的に情報を補完しながら生活者へ認知を促すことができます。定義の詳細はインテージのマーケティング用語集「クロスメディア(Crossmedia)とは」もあわせてご参照ください。

1-2.メディアミックスとの違い 

メディアミックスとは、複数のメディアに同じ内容のメッセージを掲載する広告宣伝の手法です。一見クロスメディアと似ていますが、目的が異なります。メディアミックスでは、訴求する生活者の裾野を広げて、不特定多数の生活者に認知してもらうことが目的です。

近年、メディアミックスを行って売上を拡大しているのが、エンターテインメント業界。特にアニメやゲーム業界で事例が多く、同じ作品をアニメ、漫画、実写映画、ゲームなどさまざまなメディアで展開することで、幅広い生活者の認知を獲得しています。

2.クロスメディアを行う3つのメリット

得られるメリットとして、特に期待できる3つのメリットについてまとめました。

2-1.購入見込みが高い生活者を集客できる

クロスメディアを活用することで、より購入見込みが高い生活者を集客できます。テレビCMや新聞広告などのマスメディアによって幅広い認知を獲得し、その中からより興味をもった人だけがWebサイトやチラシなどをチェックするように誘導します。

Webサイトやチラシでは、マスメディアよりも詳しい情報が掲載できるため、対象商品や対象サービスの認知が理解へ進み、購買意向を高めることが可能です。

2-2.それぞれのメディアの弱点を補い合える

活用するメディアそれぞれの弱点を補完します。例えば、テレビCMは幅広い生活者に訴求することができますが、放映時間が短いので伝えられる情報量には限りがあります。

一方、Webメディアはたくさんの情報を詳細に掲載することができますが、訴求力はテレビCMに比べると劣ります。テレビCMとWebメディアを組み合わせると、それぞれの弱点を補いあうと同時に、双方の強みを活かすことが可能になるのです。

2-3.メディアごとの効果測定がしやすい

複数メディアを活用することで、メディアごとの効果測定を行い、成果を比較することが可能です。また、メディアごとの最適な出稿配分を算出することも可能となり、ひとつのメディアだけでマーケティング活動、広報活動や広告宣伝を行うよりも、課題を抽出しやすくなり改善スピードが上がります。具体的な測定方法は広告効果測定とは?押さえておくべきポイントやデータ分析の手法を解説もあわせてご参照ください。

3.クロスメディアマーケティングで使える代表的な媒体

クロスメディアマーケティングで使える媒体にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的な媒体を紹介します。

〇マスメディア

マスメディアとは、マスコミュニケーションを行うメディアのことで、テレビ・ラジオ・雑誌・新聞の総称です。これらのメディアを使って展開する広告を「4マス広告」と呼びます。

・メリット

マスメディアを利用するメリットは、多くの人に広告を届けられることです。マスメディアは利用者が多いため、商品やサービスの認知度を一気に高めることができます。短期間で知名度をあげることができるのは大きなメリットでしょう。

・デメリット

マスメディアは、広告費の高いメディアです。コストパフォーマンスが悪いので、広告費を抑えたい場合にはあまり向いていません。

また、テレビCMは一過性のメディアです。せっかく興味を持った顧客を逃がさないためにも、インターネットメディアのURLを紹介したり、資料請求ができるといった導線を作っておくとよいでしょう。

〇インターネットメディア

インターネットメディアはネット広告やWEBサイト、ブログやメルマガなども含みます。また、企業の公式サイトなどもこれに当たります。

・メリット

インターネットメディアのメリットは、世界中に発信できることです。インターネットは閲覧できる環境さえあれば、日本だけでなく世界中から利用できるため、世界に向けて商品やサービスを伝えられます。また、マスメディアと比べると広告費も抑えられます。さらなるコスト削減のために自社で公式サイトを構築するなどもできます。

・デメリット

デメリットは、狭い範囲に向けた広告がしにくいことです。エリアを絞った宣伝は難しく、商品・サービスの内容によっては、思ったような効果が出ない場合もあります。

例えば、テレビCMなどマスメディアと組み合わせたクロスメディアマーケティングなら、より広範囲の顧客へのアプローチができます。

〇アナログメディアなど

アナログメディアとは、パンフレットやチラシ、ダイレクトメールなどを意味します。基本的には冊子や紙といった「モノ」を使う広告のことを指します。インターネットメディアなどに比べて効果がわかりにくいのが難点ですが、デジタルマーケティングに組み入れることで大きな効果を発揮する手法です。

・メリット

CMなどとは違い、アナログメディアには写真や文章などで商品やサービスの詳細を記載できるので、顧客により具体的なイメージを持ってもらえます。モノとして手元に残るので、例えばインターネットメディアと組み合わせることで一過性になりがちな商品情報もじっくり検討してもらえるメリットもあります。

・デメリット

パンフレットやダイレクトメールだけでは、高いニーズを持った顧客でなければ実際の行動にまで結びつかない懸念もあります。クロスメディアマーケティングを活用し、ECサイトと組みあわせてすぐに商品が購入できる形を整えることで、よりスムーズな成果に結び付けられる可能性が高くなります。

なお、アナログメディアは、使い方を間違えるとクレームなどの原因にもなります。パンフレットやダイレクトメールを頻繁に送りすぎる、無理やりチラシを渡すなどすると、イメージが悪くなるので注意しましょう。

4.【重要】クロスメディアを成功させるためのポイント

次に、クロスメディアを成功させるために押さえておきたい、重要なポイントをご紹介します。

4-1.ターゲットに合わせたメディアを選ぶ

クロスメディアを成功に導くためのポイントの1つ目は、ターゲットに合わせたメディアを選ぶことです。

例えば、ターゲットが10代から20代の若者である場合、テレビや新聞広告等のマスメディアよりも、TikTok・X(旧Twitter)・InstagramなどのSNSを利用した方が効果的であると予測出来ます。

なぜなら若年層は、新聞やテレビへの接触機会が、他の年代層と比べて低いからです。

逆に、ターゲットがシニア層であれば、SNSよりもマスメディアを利用する方がはるかに有効でしょう。

メディアの選定は結果に大きく影響しますので、慎重に選定しましょう。

4-2.消費者の心理・行動を予測する

クロスメディアを成功に導くためのポイントの2つ目は、メディアを見た消費者の心理や行動を予測しておくことです。

消費者は、商品を認知した後、情報収集、比較検討というステップを踏んで購買に至るのが一般的。

消費者が購買に至る各段階において、企業は消費者が期待するものを具体的に予測しておくことが大切になります。

例えば、消費者が「いくつか比較検討して購入を検討している」段階では商品の大まかなイメージや概要よりも、商品の詳しい使用感、価格、口コミなど、より購買に結びつきやすい情報をメディアに組み込むことが重要です。

消費者が期待したものと、実際に提供されたものとの乖離が激しい場合、消費者が商品の購入に至るまでに断念することが多いため、消費者の目線に立ったイメージを持つことが必要ですね。

5.クロスメディアの成功事例

クロスメディア戦略では、実際にどのような媒体が組み合わせられるのでしょうか。

3つの成功事例を順に見ていきましょう。

5-1.「ハイボール」のイメージを転換し若者に浸透させた事例

一昔前まで、ハイボールと言えば年配の方が飲むお酒というイメージがありました。

しかし、サントリーは有名女優を起用したテレビCMや、YouTubeでの動画コンテンツの配信、カラフルなデザインの店舗ポスターを組み合わせるクロスメディア戦略を行い、ハイボールの若者への認知度を高めることに成功しました。

5-2.多数の媒体を活用し大きな経済効果を生み出した「妖怪ウォッチ」の事例

2012年12月に『月刊コロコロコミック』で連載開始した「妖怪ウォッチ」も、クロスメディア戦略によって大きな経済効果を生み出した事例です。

発売から3週間で10万本を売り上げる大ヒットとなったゲーム版をはじめ、スマートフォンアプリ、おもちゃ、アニメ、映画、グッズなど、さまざまな媒体で積極的に商品展開を行った結果、妖怪ウォッチは国民的人気コンテンツに成長しました。

5-3.電車の中吊り広告とWebキャンペーンを組み合わせた「JR西日本」の事例

JR西日本は、電車の中吊り広告とWebキャンペーンを組み合わせるクロスメディア戦略を実施しました。

専用のスマホアプリを使い、中吊り広告の画像を読み取ってもらうことで、キャンペーンページへ誘導するだけでなく、ユニークな乗車体験を提供することに成功しました。

また、専用アプリを通じてGPSデータを取得し、乗客の居場所とキャンペーンページの閲覧を紐付けることで、位置情報を元に広告配信を最適化する「ジオターゲティング」にもつながりました。

6.まとめ

クロスメディアとは、ホームページだけでなく、テレビCMや紙媒体、SNSなど複数のメディアを組み合わせて商品・サービスをPRするマーケティング手法です。それぞれのメディアが持つ長所と短所を補い合うことで、単独のメディアだけでは得られない相乗効果が期待できます。

比較的取り組みやすい例としては、パンフレットやチラシにホームページのURLやQRコードを掲載する方法や、SNSからホームページへ誘導する方法などが挙げられます。自社サイトと他のメディアをどのように位置づけるかについてはオウンドメディアとは?ペイドメディアやアーンドメディアの役割も解説!も参考になります。

ターゲット層に合わせたメディア選定と、消費者の心理・行動を踏まえた導線設計を意識しながら、自社の商品・サービスに合ったクロスメディア戦略を検討してみてはいかがでしょうか。

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