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one to oneマーケティングという言葉をご存じですか? ここ数年話題に上ることも多いため、何となく把握しているという人も多いかもしれません。具体的に施策としてはどのようなことが可能なのか? 果たして成果は上げられるのか? という疑問に対し、分かりやすく解説していきます。
one to one マーケティングとは?
one to oneマーケティングとはどのようなマーケティング手法なのでしょうか。まずは用語の意味を確認していきましょう。
顧客ひとりひとりに対して働きかける
one to oneマーケティングは、名称通り「ひとりがひとりに」働きかけるマーケティング手法です。対極にあるのがマスマーケティングだと言えます。
マスマーケティングの典型例は、メディアへの広告掲出です。年齢や性別などの属性で区別されないような広告であればあるほどマス性が増します。
一方、one to oneマーケティングはひとりに合わせたアプローチを取ります。メールをよく読む人ならメール、特定のSNSだけ使っている人ならそのSNSと、媒体もタイミングもすべて変えていくのが特徴です。
古典的な顧客システムと言えるかも
顔の見える範囲で言うなら、古典的な顧客システムとone to oneマーケティングはよく似ています。八百屋が常連さんの台所事情をよく把握していることなどを考えてみましょう。「一週間前にネギを買ったから、そろそろネギが切れているはず」というのはある種のone to oneマーケティングなのです。
一方、現代では会ったこともなければ個人情報についてもほとんど分からないような見込み客に対してマーケティングをする必要があります。そのため、八百屋さんシステムではなく、新たな手法の構築が必要になってきます。
one to one マーケティングを負担なく実施するには?
ひとりひとりに異なるアプローチを行うわけですから、手動で実施するのが難しいことはすぐに分かります。それでは、担当者に過度の負担を掛けずに実施できるone to oneマーケティングとはどのようなものなのでしょうか。
ターゲティング広告を使う
ユーザーの閲覧履歴等を利用してインターネット広告を掲出するターゲティング広告は非常に利用しやすい手法です。特定のウェブサイトにログインした状態での閲覧履歴をパートナー企業に提供するなどといったサービスもあります。SNSならSNSのみ、ウェブブラウザならブラウザのみという閉じた環境で広告を表示させるのではなく、当該ユーザーの生活を追いかけることができる仕組みです。このような方法でターゲティング広告を行うことにより、ブラウザの検索履歴から適切な広告を拾ってSNSに流すといったことが可能になります。
MAツールを使う
「広告を一度クリックしたものの、そのままリアクションがなかった」「カートに商品が入ったまま購入されない」といった経験はないでしょうか。この状態に対してさらにアプローチを掛けるのにはMA(マーケティングオートメーション)ツールが便利です。
たとえばカートに商品が入って一定期間経ったユーザーにリマインドを送る、商品紹介のメールマガジンを開封して読んだ人にだけ追加でお得情報を送るといったことが可能です。MAツールには様々なものがあるので、特に対策が必要な部分に適切なツールを選ぶようにしましょう。
ECの機能を強化する
AmazonなどのECサイトには、サイト内の閲覧や購入履歴に基づいて商品をピックアップする「レコメンド」という機能があります。自社でECサイトを構築している場合は、このレコメンド機能を強化することも方法のひとつです。
閲覧したけれど買わなかったユーザーは、商品に対して「何か違うな」と思っていることが少なくありません。それに対して類似の商品をいくつかレコメンドすることで、希望に合うものが見つかるかもしれません。
また、ユーザーが最初に閲覧するウェブページを改善することも重要です。いわゆるLPO(ランディングページ最適化)というものです。SNSからのリンクを辿ってECサイトまで来たは良いものの、サイト内が分かりにくい、といった場合には、ユーザーの直帰率が上がってしまいます。しかし、最初に辿り着いたページにちょうどユーザーが求めている情報や商品があれば、そのままサイトに残る確率が上がります。
セグメンテーションとの違いを疑問視する声も
一方、マーケティングの現場からは「one to oneといわれているものと、今までにもあったセグメンテーションとは実質的に同じなのではないか?」という疑問の声も上がっています。
セグメンテーションとは、ユーザーを属性などで細分化し、その分けられたグループごとに異なるアプローチを行う方法です。ユーザー全体というまとまりから出発すると、どんなにone to oneを行おうとしても、結果的に可能なのはどんどんユーザー全体を細かく分けていくことだけなのではないか。ひとりのユーザーに辿り着くことは不可能なのではないか。という問題提起です。
属人的なところで言えば、SNS担当者とフォロワーがコメントなどで1対1のやりとりをすることは可能です。しかしそれをシステム化するのはなかなか難しいものです。ただのセグメンテーションではないone to oneはどうしたら可能なのか、は、これからのマーケティングにとって大きな課題であると言えるでしょう。
参考:
私が流行りの「One to Oneマーケティング」に抱いた違和感の正体 【LIFULL 菅野勇太】 | Agenda note (アジェンダノート)
私がCRM・マーケティングオートメーションに限界がきていると考えた理由【LIFULL菅野勇太】 | Agenda note (アジェンダノート)
まとめ
one to oneマーケティングの概念と手法について解説しました。まだ確立された方法論があるとは言いにくい手法であるため、マーケティング担当者のトライアンドエラーが重要になってきます。関心のある方は、ぜひ自分なりの方法で取り組んでみてはいかがでしょうか。
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