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近年、ECサイトでの新しい販売手法として「ライブコマース」に注目が集まっています。2020年春以降は新型コロナウイルスの影響もあり、アパレルブランドやカウンセリング化粧品、百貨店など、対面販売を中心に事業を手がけてきた企業がライブコマースを活用する動きも広がりました。
ライブコマースは、動画により発信できる情報量の豊富さ、ライブ配信による双方向のコミュニケーションなどがメリットです。一方、配信者や配信場所の選定、自社の商品がライブコマースに向いているのかなど、注意すべき点もあります。
今回は、ライブコマースの定義やメリット、プラットフォームの種類のほか、出演者の選び方や実施する際の注意点などを解説します。
1.ライブコマースとは
ライブコマースとは、ライブ配信を通じて商品の紹介や販売を行うことです。
ライブコマースでは、視聴者はそのライブで紹介された商品をその場で、もしくはECサイトを通じて購入することができます。
テレビショッピングと似通った部分もありますが、ライブコマースでは、ユーザーは配信者にチャット等を通じて直接話しかけることができます。
配信者とユーザー間で、リアルタイムで双方向的なコミュニケーションを取れることが、ライブコマースの大きな特徴のひとつです。
2.ライブコマースが注目されている背景・理由
ECサイトで商品を購入することは当たり前になっていますが、その風潮にさらに拍車をかけたのが、新型コロナウイルス感染症の蔓延です。
EC市場の規模がさらに拡大する中、既存のEC販売の形態をさらに発展させるという流れで、ライブコマースが注目されるようになりました。
ECサイトでは、消費者は商品をただ平面的に見ることしかできませんが、ライブコマースでは、実際に商品を着用・使用している様子を見ることができますし、販売担当者に直接質問することもできます。
消費者とのコミュニケーションの強化や、販売促進に有効な手段であるライブコマースは今、新たな注目を集めています。
2-1.ライブコマースの先進国、中国
ライブコマースという販売形態は、中国を中心に広がってきています。
中国では、すでにライブコマースで商品を購入することが一般的であり、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーが、タオバオ(アリババ・グループが運営するライブ配信プラットフォーム)などでライブ配信を行い、大きな成功を納めています。
経済産業省の報告書によると、2020年時点で KOL 経由での EC 市場規模は約3,000億元に達しているとのことです。
また、2020年以降もその勢いは衰えておらず、多くの消費者が KOL の紹介によって商品を購入していると考えられています。
このように、中国ではライブコマースで商品を購入することが広く浸透しています。
2-2.ライブコマース国内の市場規模
中国では一般的なライブコマースですが、日本ではまだそれほど浸透していません。
ライブコマースを見て、実際に商品を買ってみた経験があるという方は少ないのではないでしょうか。
ただ、ライブコマースが浸透するために必要な、物販系のEC市場は年々拡大しています。
経産省の調査によると、2020年度のEC市場では、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響を受け、物販系分野において大幅な市場規模拡大が見られたということです。
物販系分野のEC市場は大きな伸びを見せていますので、既存のEC販売手法とライブ配信を融合させたライブコマースの市場規模は、これから大きく拡大する可能性があります。
ライブコマースは、非常に伸び代のある分野であると言えるでしょう。
3.ライブコマースの特徴やメリット・デメリットは?
ここからは、ライブコマースの特徴や導入した場合のメリット・デメリットはどんなものがあるのかについて詳しく紹介していきます。
3-1.ライブコマースの特徴
従来のECでは難しかったオンライン上での双方向のコミュニケーションが行えることが、ライブコマース最大の特徴です。
ECサイトやSNSでは、一方通行でしか情報を伝えることができず、販売者はお客さんが購入前に知りたい情報を補えませんでした。
ライブコマースでは実店舗で見たり聞いたりするのと同じように、視聴者が配信者と手軽にコミュニケーションを取り、知りたい情報を得られます。
さらにリアルタイム配信の臨場感や第三者とのやり取りを見ることで、他の視聴者も購入意欲が高まるでしょう。
また、人気タレントやインフルエンサーがライブ配信を行うことで、今までアプローチできなかった層の獲得にも期待できます。
3-2.ライブコマースのメリット
ライブコマースには、「実店舗のような臨場感のある購入体験」「新しい購買層の開拓」「商品情報をリアルタイムで交換できる」などいくつかのメリットがあります。
〇実店舗のような臨場感のある購入体験
ライブコマースなら、実店舗で商品を見て購入するような感覚をリアルタイムで体験できます。
場所にとらわれずに、同じ時間を配信者や他の視聴者と共有することにより、その配信自体をコンテンツとして楽しめるでしょう。
視聴者は気になることを直接聞けるだけでなく、他の視聴者と配信者のやり取りも参考にして商品を検討できるので、実店舗以上に満足感を得られる可能性があります。
さらに、ライブコマースなら実店舗のように買い物ができるので、今までECサイトの情報だけでは購入に踏み切れず実店舗で買い物していた層の購入も、期待できるでしょう。
〇新しい購買層の開拓
ECサイトや実店舗では、どうしても購買層が偏りがちです。
ですがライブコマースなら、多くのファンを抱えるタレントやインフルエンサーに配信を行ってもらうことで、今まで獲得できなかった購買層にアピールすることができます。
有名人が紹介したという実績が、会社や商品の信頼の向上につながる可能性が高く、リピーターの獲得も狙えるでしょう。
〇商品情報をリアルタイムで交換できる
写真とテキストだけのECサイトでは、使用方法や使用感など細かい部分まで伝えるには限界があります。
しかし、ライブコマースなら視聴者からの質問に答えられるので、リアルタイムに商品情報を伝えられます。
視聴者が商品に納得することで購入につながりやすくなり、購入後のミスマッチによる返品も減らすことが期待できます。
また視聴者にとって、商品を購入後にECサイトでレビューするよりも、ライブコマースでコメントする方が手軽なため、販売者は商品へのより多くの意見を得られるでしょう。
その後、そのコメントや意見を次の商品に生かせます。
3-3.ライブコマースのデメリット
日本では、様々な企業のライブコマースを開始していますが、撤退する企業もあります。そこには、以下ようなデメリットが挙げられます。
〇商品理解がありトーク力のある配信者が少ない
ライブコマースでの売上や集客は、配信者によって左右されます。
現状、日本でライブコマースに慣れていて、商品の魅力や熱意を伝えられるトーク力を持った配信者を探すのは、なかなか困難な状況です。
自社の社員だけでは集客力が弱いので、インフルエンサーやタレントを起用する企業も多いです。ただ、「インフルエンサー=売れる配信を行える」とは限りません。
もし間違った商品説明をするとファンが多い分、一気に商品イメージがダウンしてしまい、損失につながることもあります。
またインフルエンサーやタレントに配信を依頼する場合、ライブ配信に参加したのに人が多すぎて質問に答えてもらえなかったユーザーを損なう恐れもあることに注意しましょう。
〇生放送なので集客やトラブル対策が必要
ライブコマースは、リアルタイムでの双方向のコミュニケーションがメリットであるため、配信時間に視聴者を確保することが大切です。
そのため事前の告知が非常に重要で、どうしたら人が集まるか、どのように告知するかといった配信前の集客にも力を入れなければなりません。
また配信中にトラブルが起こると、商品や企業のイメージがダウンしたり炎上したりする可能性もあります。
サーバーがダウンしないか、配信遅延が起こらないかなど、主にシステム関連の入念なチェックが必要です。
4.ライブコマースを成功させるポイントや気を付けたい点とは
ライブコマースを成功させるのに重要なのが、自社の商品とライブコマースとの相性や、誰が配信を行うかという配信者の選定などです。
気をつけたい点としては、配信者が商品をどれだけ熱意を持って配信できるか、配信環境は商品を紹介するのに適した状況であるかなどが挙げられます。
このようなポイントを、ここでは掘り下げて紹介していきます。
4-1.ライブコマースと相性の良い商材・ジャンルかを考えよう
ライブコマースと相性が良いといわれているのは、「衣料品」「グルメ」「日用品」「コスメ・美容・香水」などのジャンルです。動画配信のため、見栄えが良く、トレンドを押さえた商品が適しています。
反対に相性が悪いのが、年齢層が高い人向けの商品です。
ライブコマースは、ライブ配信を日常的に使用している若い世代に向いている販売手法です。ライブ配信をあまり利用しない高齢の方向けの商品は避けましょう。
また、ライブ配信中に効果が見えづらい健康食品などもライブコマースには不向きといえます。
4-2.ライブ配信者をきちんと選定しよう
ライブコマースでは、配信者の選定が成功の鍵です。
配信者は、「タレントやインフルエンサー」「自社の社員」の大きく2つに分かれます。
タレントやインフルエンサーを起用する場合は、彼らのファン層が商品に合うか・商品に対して興味があるかを見定める必要があります。
多くの視聴者を集めても、商品の購入につながらなければ意味がありません。
また自社の社員が配信者の場合も、商品のターゲット層と同じくらいの年齢の社員を起用すれば、親近感をもってもらいやすいでしょう。
4-3.ライブ配信者に商品知識があるか・熱意を伝えられるか
配信中、配信者が商品に興味や知識がない場合、視聴者にすぐに見抜かれてしまいます。
タレントやインフルエンサーを起用する際には、商品説明を事前にして、もともと興味がある方に依頼しましょう。
自社の社員が配信する場合は、商品理解や熱意があり、商品説明に慣れている人を起用します。
継続して同じ人が出演すれば、視聴者に社員のことを覚えてもらえ、ファン獲得にもつながります。
4-4.コンテンツや配信環境の質が担保されているか
視聴者は商品の購入が目的ではなく、ただ配信を見に来ただけという人がほとんどです。そのため、配信の内容や環境が悪ければすぐに離脱しかねません。
そこで、視聴者に満足してもらえるようなコンテンツの準備が必要です。配信の内容を配信者任せにするのではなく、配信者と企業側で協力し、視聴者が楽しめる台本を作っておきましょう。
ユーザーがリピーターになってくれるような企画や配信頻度も工夫することが大切です。
また、配信するためのネット環境やカメラの鮮明度・配信を行う場所も重要です。ネット回線が不調で配信が途切れてしまう、動画が不鮮明でよく見えないといったトラブルが起こらないよう注意しましょう。
販売したい商品にあった適切な配信内容・環境を整えて、何度も挑戦することで成功を見つけていきましょう。
4-5.時間帯や視聴者の分析ができているか
ライブコマースでは、視聴者が多くの質問やコメントを残してくれます。
配信後は、コメント・視聴者数・購入件数、買われた商品の傾向などのデータを分析し、次回の配信を効果的に行うことが大切です。
ライブ配信の効果測定は、次回の配信だけでなく実店舗や商品開発にも活かせる貴重なデータとなります。
5.ライブコマースの事例について
実際にライブコマースを活用している企業・ブランドの事例についてご紹介します。
【アパレル事例】ベイクルーズ
URL:https://baycrews.jp/event/live-styling/
JOURNAL STANDARDをはじめ多数人気ブランドを取り扱うベイクルーズは、2020年の5月からライブコマースの「LIVE STYLING」を開始。スタイリングの提案を交えつつ、ファッションアイテムの紹介をおこなっています。
【アパレル事例】SHIPS(シップス)
URL:https://live.shipsltd.co.jp/
ベイクルーズと同じく、2020年5月から「SHIPS SHOPPING TV」の名でライブコマースを開始したSHIPS。あえてタレントやインフルエンサーを起用するのではなく、ショップスタッフが登場して商品や着こなしについて紹介しています。配信は、まるで実際の店舗で買い物をしているような臨場感。またスタッフとのコミュニケーションを通してブランドイメージに親しんでもらう狙いもある模様です。
【食品】三越伊勢丹
URL:https://mitsukoshi.mistore.jp/seibo/live/20201024_live.html
百貨店の三越伊勢丹がライブ配信サービスを導入したのは、国内では一足はやい2018年。取り上げたのはお歳暮商品で、華やかなパッケージやこだわりの食材をリアルタイムで紹介し、大きな反響を得ました。
以来、お中元・お歳暮ともにライブコマースに注力し、多彩なゲストも交えて商品の魅力を配信しています。
【コスメ】資生堂
URL:https://brand.shiseido.co.jp/gfs-livestream.html
良質な製品を提供し、国内外から高い人気を集める化粧品メーカーの資生堂は、2020年7月から国内向けにライブコマースを導入しています。実は、その以前から中国の顧客を対象とした越境のライブコマースをおこなっており、売上アップに成功していました。ビューティコンサルタントによる商品の特徴紹介や使い方のアドバイスを提供し、ユーザーからの質問にもリアルタイムで答えています。
6.ライブコマースの準備は「プラットフォーム選定」「配信者の選定」「購入導線の整備」「商品の選定」の4点で
ライブコマースを始めるには、プラットフォームの選定や配信者の選定、購入導線の整備などが必要です。ここからは、ライブコマースの事前準備の流れを解説します。
1)プラットフォームの選定
①ライブコマース専用ツール
ライブ配信機能から決済機能まで、1つのプラットフォームで提供している、ライブコマース専用ツールがあります。視聴者はライブを視聴しながら、ECサイトに移動することなく買い物することができます。ライブコマースの実施方法は、ライブ配信の専用ページを生成して行う方法のほか、ECサイトやWebサイトにライブ配信機能を埋め込む方法など、ツールによって仕様の違いがあります。
※主なツール:「HandsUP」「Live kit」「TAGsAPI」など
②SNSのライブ機能
FacebookやInstagram、Twitter、YouTube、LINEなどのライブ機能を使って商品を紹介し、視聴者をECサイトに誘導する方法です。アカウントの取得も配信機能も無料で利用できることが最大の特長です。
また、これらのSNSは元からユーザー数が多く、顧客が使い慣れたUIでライブコマースを利用できる点も、ライブコマース参加のハードルを下げてくれるでしょう。
2)配信者の選定
ライブコマースを行う際は、配信者の選び方も重要です。ショップ店員や広報などの社員が出演するケースと、インフルエンサーなどに依頼するケースがあります。インフルエンサーのようなプロと社員のどちらが配信者として適切かは、ライブコマースのターゲットと目的によって異なります。また、それぞれにメリット・デメリットがあります。
社員がライブコマースに出演すれば、配信頻度を上げることができ、出演料も発生しません。何より、商品に対する知識も豊富です。一方で、カメラに向かって話しながら、視聴者から寄せられたコメントを読み上げて質問に回答するなど、高度なスキルが求められます。
社員による配信が難しい場合、インフルエンサーやライバー(ライブ配信を職業とする人)に依頼することもできます。その際は、商品のターゲット層にあったフォロワーを持つインフルエンサーを起用するのはもちろんのこと、商品を普段から使っていて、本気で商品の魅力を伝えてくれる方を選びましょう。
3)購入導線の整備
ライブコマースでは、配信中または配信後に視聴者をどのように誘導するか考えたうえで、事前に購入の導線を整備しておく必要があります。例えば、ライブコマースで視聴者限定セールを実施する場合、ECサイトにもセールの特設ページを作成しておくなど、関連部署が連携して準備を進めましょう。
ライブコマースを継続的に実施する場合は、視聴者数やECサイトへの流入数、コンバージョン率などを計測し、運用の改善につなげてください。
4)商品の選定
ライブコマースを活用している業種は、現時点ではアパレルや化粧品が目立ちます。しかし、テレビショッピングでサプリメントや家電、家具など幅広い商品が売れていることを踏まえると、商材を問わずライブコマースを活用できる可能性があるでしょう。
7.まとめ
ライブコマースについて紹介してきましたが、いかがでしたか。
日本ではまだ市場拡大の余地がある分野で、ECサイトでの購入が促進されている市況も後押ししていることから、今後ライブコマースへの注目度が高まってくると考えられます。
今回紹介した内容を参考に、自社製品をより多くの人の手に取ってもらえるようにライブコマースを取り入れてみてください。
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