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YMYL(Your Money Your Life)はGoogleの品質評価ガイドラインに定められた項目です。
お金や健康、政治等、人々の生活に大きな影響を与えるジャンルを扱うページを指し、YMYL領域においてはその他の領域と比較して厳しい品質の基準を設けています。
この基準を知らないままサイトを運営していると、Googleの評価基準に満たないコンテンツを作成してしまい、ページ、ひいてはサイト全体の評価が下がってしまう恐れがあります。
結果として検索順位が下がり、ウェブ集客に大きな影響がでてしまいます。
YMYLに該当するジャンルを取り扱うサイトを運営しており、SEOに取り組みたいとお考えの方は、気を付けるべきポイントをご確認ください。
1.YMYLとは
YMYLとは、Your Money Your Lifeの頭文字を取った言葉であり、人々のお金、健康、生活に大きな影響を与えるジャンルを指します。
Googleは特にYMYLジャンルにおける検索結果の品質向上に注力しており、アルゴリズムのアップデートや品質評価ガイドラインへの項目追加などの取り組みをしてきました。
YMYLジャンルについて、品質評価ガイドラインより一部抜粋した内容を紹介します。
1-1.Googleの品質評価ガイドラインにおける「YMYL」
Googleの品質評価ガイドラインでは、YMYLについて次のように定義しています。
ウェブページやトピックの中には人々の将来の幸福、健康、経済的な安定、安全などに影響を与える可能性のあるものがあります。
我々(Google)はこのようなページを「Your Money or Your Life」ページ(YMYL)と呼んでいます。
では、具体的にどんなジャンルがYMYLに該当するのでしょうか?
具体的な例について紹介いたします。
・ニュース、時事問題
国際的なイベント、出来事やビジネス、政治、科学、テクノロジーにまつわる重要なニュースを扱うコンテンツ。ただし、全てのニュースが必ずしもYMYLに分類されるわけではないことに留意してください。(例:スポーツ、エンタメ、日常生活のトピック等は一般的にYMYLとはみなされません。)
・公民、政府、法律
選挙、政府機関、公共機関、社会福祉、法律問題(離婚、子供の親権、養子縁組、遺言書の作成等)。市民がこのような情報を常に理解しているために重要となるコンテンツを指します。
・金融
投資、税金、退職金、ローン、銀行、保険などに関するアドバイスや情報、特にオンラインでの購入や送金を可能にするウェブページを指します。
・買い物
商品やサービスの調査や購入に関する情報やサービス。特にオンラインでの購入を可能にするページを言います。
・健康と安全
医療問題、薬、病院、緊急時の備え、活動の危険性などに関するアドバイスや情報。
・人々の集団、グループ
ある集団に関する情報や主張について。人種または民族的出身、宗教、障害、年齢、国籍、退役軍人の地位、性的指向、性別または性同一性に基づいてグループ化された人々。 性別または性同一性(※上記が全てではありません。)
・その他
大きな決断や人々の生活の重要な側面に関するトピックス。フィットネス、住宅情報、栄養、大学選び、就職等。
出典:品質評価ガイドライン2-3(https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf)
2.YMYLが品質評価基準の1つとなった背景
では、なぜこのような基準が求められるようになったのでしょうか。
そのヒントは、「Googleが掲げる10の真実」にも記載されています。
「Googleは、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。」
この一文からも分かるように、Googleは常にユーザーの利益を追求しています。
例えばユーザーが自身の健康状態について調べたいとき、真偽が定かでない、低品質なコンテンツが大量に検索結果に表示されてしまったら、人生の決定に悪影響を及ぼしかねません。
誤った薬の飲み方、適切ではない治療方法など、人々の命に関わるトピックも存在します。
そのような事態を未然に防ぐため、Googleは一部のジャンルを「YMYL」と定め、それらについてその他の領域よりも厳しい基準を設けているのです。
ただし、勘違いしないようにすべき点もあります。
Googleは特別厳しい基準をYMYL領域に定めていますが、その他の領域であっても質の高いコンテンツを作り、ユーザーに提供することに変わりはありません。
3.YMYL分野のSEOではE-A-Tが重要
検索品質評価ガイドラインによればGoogleは、YMYLに限らず以下のような観点からページを評価しています。
- ページの目的
- 専門性・権威性・信頼性(E-A-T)
- メインコンテンツの質と量
- ウェブサイト運営者やメインコンテンツ作成者の情報
ウェブサイト運営者やメインコンテンツ作成者の評判
YMYLには高い評価基準が設けられていることはすでに述べましたが、上記の中でも特に専門性・権威性・信頼性が重要視されます。
これらはExpertise/Authoritativeness/Trustworthiness の訳語で、頭文字を取ってE-A-Tと呼ばれています。
E-A-Tを評価する際に考慮されるのは以下の点です。
- メインコンテンツ作成者の専門性
- メインコンテンツ作成者、メインコンテンツ自体、ウェブサイトの権威性
- メインコンテンツ作成者、メインコンテンツ自体、ウェブサイトの信頼性
E-A-Tが重視されるとなると、コンテンツやウェブサイトの内容それ自体だけでなく、誰が作成したコンテンツで、誰が運営しているサイトで、それが外部からどのように評価されているのか、ということも重要となってきます。
その理由は、サイトの運営者が自身のE-A-Tの高さを主張するだけでは不十分で、E-A-Tを図るソースとして外部からの評価を加えることが有効であると考えられるためです。
医療健康アップデート以降上位表示されているサイトは、その時々でGoogleが高いE-A-Tをもつと判断したサイトであると考えられます。おおまかに言って、以下のような傾向がみられています。
アップデート当初は政府や学会などのサイトや論文等に極度に偏って上位表示されていた
その後、誰もが該当分野での信頼性を認めるような大企業・有名企業が運営するサイトも上位表示しやすくなった。一方で、信頼性を担保しにくい個人のサイト(アフィリエイトなど)は上位表示しにくくなった。
中には、専門家が作成したサイト、コンテンツであるにもかかわらず、アップデートによって(一時的ではあっても)下落してしまったケースも数多く確認されています。これはGoogleのアルゴリズムが完全ではないために、誤って判断されたのだと推測できます。
また、アップデート後上位表示されているサイトの種類が増えてきたことから、アルゴリズムによる判断の精度が上がってきているのだと考えられます。
このようなことをふまえると、YMYLのSEO対策においては、E-A-Tとは何かを理解し、GoogleにE-A-Tの高さを適切に伝えることが非常に重要となってきます。
4.YMYL分野におけるSEO対策のポイント
では、上記YMYLに該当するジャンルのコンテンツを作成している場合は、どのような点に気をつければいいのでしょうか。YMYL分野に関するSEO対策について、気をつけるべき内容について解説します。
これまであまり意識せずにコンテンツを作成していた…という方も、今からでも遅くありません。できる部分から取り入れてコンテンツの質を高め、より多くのユーザーに見つけてもらえる環境を整えましょう。
なお、これらをすべて行ったからといって、必ず検索順位が向上するわけではありません。Googleのアルゴリズムも常に変動していますし、E-A-T要素などはスコア化が難しいからです。ただ、Googleが評価したいサイトの考え方に沿ったコンテンツを作成することで検索順位アップの可能性も高まりますし、何よりユーザーにとって良いコンテンツを提供することにつながります。ユーザーの高い評価が得られれば、結果としてWebサイトの成果も高まるはずです。
即効性のある対策ではありませんが、一つ一つ確認して、しっかり取り組むようにしてください。
4-1..Webサイトの情報を充実させる
コンテンツだけでなく、Webサイト全体の情報を充実させ、信頼に足るWebサイトであることをアピールしましょう。
具体的には、Webサイト運営者の情報を記載する、お問い合わせページを作成する、プライバシーポリシーや利用規約ページを作る、ECサイトであればキャンセル・返金ポリシーを整備する、受賞歴などを記載する、などが挙げられます。
Webサイト内に上記のコンテンツページを作成し、適切に管理するようにしましょう。
4-2.著者情報を充実させる
専門性のあるコンテンツの場合、「誰が執筆したコンテンツか」というのは非常に重要です。例えば、医療情報でも一般人が書くのと医師が書くのとでは信頼性に大きく違いが出ます。各コンテンツの著者がGoogleやユーザーに伝わるように、以下のような内容を記載しましょう。
- 著者個人のプロフィールページを作る
- 各コンテンツ内にも著者の専門性が分かりやすくまとめられているプロフィールを書く
- 著者のブログやSNSへリンクする
4-3.コンテンツの正しさを確認する
大前提として、コンテンツの正しさを確認するフローを設けるようにしましょう。YMYLに関する内容については、その分野の専門家に監修もしくは添削してもらうようにしているWebサイトが多いです。
ただ、専門家にコメントをもらった場合、専門的すぎて内容がユーザーに伝わりにくくなる可能性もあります。専門家の指摘やコメントを反映しつつ、一般の人が見てもわかりやすい言い回しになるように調整しましょう。そのときに、よく検索されているワードなどを調べて盛り込むと、SEO対策としても有効です。
4-4.公的機関の情報を参考にする
専門家に監修や添削を依頼するのが難しいという場合もあると思います。その場合は、情報の引用元を公的機関に絞るなどして、コンテンツの精度を高めるようにしましょう。
キュレーションサイトでも問題になりましたが、他サイトの無断引用やコピペはNGです。これはYMYL分野に限った問題ではなく、SEO対策をする上での基本知識、文章を書くうえでの基本知識としても徹底しておきましょう。
4-5.各コンテンツが、ユーザーの求める「答え」になっているか確認する
これもYMYL分野だけに該当するポイントではありませんが、コンテンツの内容が「ユーザーの求めている内容になっているか」を確認するようにしましょう。
1つのコンテンツにすべての内容を盛り込むというのが良いと思われるかもしれませんが、多すぎる情報やとりとめのない曖昧な情報は、ユーザーにとって不利益です。欲しい情報が見つからず、結局他の情報を探さなくてはならないからです。
各ページでユーザー層を想定し、その人に向かって疑問の答えを解説するイメージで、コンテンツの質を高めましょう。質の高いコンテンツは、自ずとユーザーに高く評価されるはずです。
4-6.HTTPS化する
対応ができていない場合は、HTTPS化も進めましょう。ユーザーにこのサイトが安全であるという安心感・信頼感を与える指標になります。
4-7.情報を適切に更新する
古い情報は誤っている可能性があります。ユーザーからの信頼性も下がります。掲載している情報は定期的に見直し、更新するようにしましょう。
4-8.Googleマイビジネスを活用する
店舗を運営している場合は、Googleマイビジネスも活用しましょう。これはGoogleが公式に提供しているサービスで、Googleマップ上で自店舗の写真を掲載したり、クーポン等を表示できたりする機能です。登録に際してはGoogleから認証を受ける必要があるので、その時点で一定の信頼性が獲得できると期待されます。
この機能を使うと、一般ユーザーからの口コミを集めることができます。もしネガティブなレビューが書き込まれたとしても、返信機能等で真摯に対応すれば良い印象を与えられます。
5.まとめ
YMYL領域には何か特別な指標があると思われがちですが、実際に気を付けるべきポイントは普段コンテンツを作る際と同じです。
ただし、YMYLではないコンテンツでは「上位表示に必要な要素」である指標が、YMYLコンテンツでは「上位表示に必須の要素」となることが重要です。
ユーザーにより良質なコンテンツを届けるためにも、YMYLやGoogleのアルゴリズムを理解し、信頼性の高いサイトを作るように心がけましょう。
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