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本記事執筆当時(2021年)、コロナ禍で厳しい状況が続いていた観光業界。SNSをどう活用し、誘客に繋げていけばよいでしょうか?
「これからSNSを活用したい」「SNSを効果的に運用したい」とお考えのホテルや旅館、レジャー施設といったみなさまに向けて、効果的なTwitter(現X)の事例を紹介しています。
【重要】本記事は2021年7月時点の情報を基に執筆しています。Twitterは2023年7月にサービス名を「X」へ変更し、「ツイート」は「ポスト」、「リツイート(RT)」は「リポスト」という名称になりました。また、執筆当時のコロナ禍とは異なり、現在はインバウンドを含む観光需要が回復しています。ただし、本記事で紹介するアカウント運用の考え方や投稿の工夫は現在のXでも十分参考になるため、事例部分は当時の名称・内容のまま(参考)として掲載します。企業向けの最新機能はX公式のビジネス向けサイトをご確認ください。
1.ホテル・レジャー施設がSNSを活用する必要性
Twitter(現X)やInstagram、FacebookなどのSNS利用者数は年々増加し、その影響力も増しています。
とくに、情報があふれる現代においては認知から興味、比較検討までをSNS上で行い、予約をするためにGoogleやYahoo!で検索するという行動が増加しているといわれています。
旅行検討層においても、SNS上で認知し、「いいね!」などエンゲージメントをすることで好感度を高め、ソーシャルメディア検索(タグ検索)で比較検討。予約をするためにGoogleやYahoo!検索を行って購買(予約)、その後自分の体験をSNS投稿(UGC)し、その投稿をみたユーザーが認知、いいね!をするという循環が生まれています。
比較的検討期間の長い観光業においては、SNSを活用して潜在顧客とのつながりを持ち、興味関心や好感度を高めて行くことが、来訪者を増やすきっかけとなります。UGCが購買行動に与える影響については、Instagramマーケティングの論文から考察した記事でも解説しています。
またJTBの調査によると、当時、SNSをつながりや移動のきっかけにしている割合は「SNSの投稿を見て行ってみたいと思った場所にでかけた(17.2%)」、「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した(16.2%)」の順で高くなっており、2020年はコロナ禍において例年より低い結果となりました。「SNSは見るだけで投稿はしなくなってきた(24.4%)」という割合は減少傾向にあり、体験したものやサービスについての口コミの投稿が期待できます。
SNSは自社の情報発信の場だけではなく、利用者のリアルな声を知る場にもなっているのです。
だからこそ、SNS活用をして好感度の高い認知を広め、第一想起される観光地・ホテルとなるブランディングを行っていくことが必要です。
2.(参考)実際の効果:フォロワーの33%が観光に訪れた(2020年調査)
株式会社コムニコで実際に運用を行っていた、高知県観光公式Twitter、Instagramアカウントで2020年に行った調査結果をご紹介します。
アカウント運用開始から約半年後、SNSによるフォロワーの態度変容を調査するために、フォロワー、非フォロワーを対象にオンラインアンケートを実施しました。アンケートは、Twitter、Instagramの投稿で呼びかけ、有効回答数531名(フォロワー:365名 ノンフォロワー:166名)となっています。
■SNS活用によるフォロワーの態度変容調査の結果
- フォローのきっかけは「キャンペーン」が最多の78%
- 「興味を持つようになった」が48%、「魅力への理解が深まった」が47%
- フォロワーの33%が高知に観光へ訪れたと回答
- 「観光の計画を立てた」は34%となり、今後の来訪へのロイヤリティを高めた
調査から、プレゼントキャンペーンをきっかけにフォローしたユーザーが多く、フォローから有名観光地以外の情報も伝える投稿を見て観光意欲を高めていったことがわかりました。
実際にフォロワーの33%が観光で訪れたと回答しており、観光平均消費額から推測した経済効果は約6.5億円*という結果が出ています。
3.(参考)ホテル・レジャー施設のSNS投稿事例(2021年当時)
投稿コンセプトの基本は、ユーザーメリット×オリジナリティ。
SNSユーザーが「見たい」「広めたい」と思うようなメリット、感動や驚きがある、楽しい、ワクワクする、役に立つ、面白い、癒やされるといった愛され要素に独自性をもたせていくことが大切です。
これを踏まえて、高エンゲージメントを獲得したTwitter(現X)の投稿事例を見ていきましょう。なお、事例はいずれも2021年当時のもので、名称も当時のまま表記しています。
3-1.ヒルトン東京【公式】
フェアや宿泊キャンペーン情報を絵文字を交えた、固くなりすぎないトーン&マナーで投稿しています。
来館者投稿に対して「いいね」対応などのアクティブコミュニケーションを行うことで好感度を高めています。ホテルアカウントの品の良さはそのままに、Twitterらしい活用をしているのが特徴です。
他ホテルでもカレーフェアを同時期に行っていましたが、Twitterのユーザー属性を理解した投稿で差別化したことで、多くのエンゲージメントを獲得。誘客につなげました。
3-2.【公式】コンフォートホテル
全国のコンフォートホテルを周辺観光施設とともに紹介しているアカウント。
「#今日のコンフォートホテルあるある」として、あるあるネタを定期的に投稿することで親しみやすさを持たせています。
プレゼントキャンペーンはRT(現リポスト)やいいねで回答を絞ることでユーザーが回答しやすい投稿を行っています。
参加ハードルを下げることでキャンペーン参加者=フォロワーも増えやすくなります。
ユーザー回答を促すには、当時提供されていたカンバセーショナルカード(カンバセーションボタン)のような参加型の広告メニューの活用も有効でした。
3-3.水族館│すみだ水族館(@Sumida_Aquarium)
すみだ水族館のTwitterアカウントは、主に水族館にいるいきものの日常や生態、常に共に過ごしている飼育員スタッフだからこそ知る貴重な姿などを中心に投稿しています。
中でもエンゲージメントが高く人気シリーズとなっているのがハッシュタグ「#すみだHappyHeadlines」を用いて、毎日投稿されている閲覧者の心が癒されるような平和なニュース。
これら投稿はいずれも画像あるいは動画付きで投稿されているためタイムライン上でもTwitterユーザーの目に留まりやすく、フォローしたくなる非常に魅力的なコンテンツとして発信されています。「画像・動画付きの投稿」は、いきものの日常風景など投稿できるコンテンツを豊富に持つレジャー施設にとって、どこでも簡単にSNS活用に導入しやすい手法です。
3-4.博物館│九州国立博物館(@kyuhaku_koho)
九州国立博物館のTwitterアカウントでは、主に上記のような開催イベントや特別展のお知らせ、また他アカウントで自館の展示物が紹介されている投稿をRT(リツイート、現リポスト)するなど展示内容に関する多種な情報が発信されています。
人によっては興味を惹かれやすい伝達方法は異なります。本アカウントではイベントの情報が、文章で見どころを説明・クイズで楽しみながら理解・YouTube動画でなど複数の方法で発信されていて、自館の魅力を伝わりやすくする手法の一つとして取り入れられています。
上記で触れた、RTおよび引用RT(現在のリポスト・引用ポスト)はTwitter(X)特有の「情報拡散のしやすさ」という特徴と関連深い機能で、自分自身で投稿する画像・動画などのコンテンツがなくとも他ユーザーによる投稿を用いて情報発信が可能なため、運用の際にコンテンツ不足で困っているアカウント運用者はぜひ積極的に取り入れていきましょう。
4.現在のXでも通用する運用のポイント
2023年の名称変更以降も、Xはリアルタイム性と拡散力に強みを持つSNSであることに変わりはありません。そのため、本記事で紹介した以下のような考え方は、現在のX運用でもそのまま活かせます。
- 画像・動画付きのポストでタイムライン上の目留まりを高める
- リポスト・引用ポストを活用して自社コンテンツ不足を補う
- 来館者のUGCに「いいね」などで反応し、好感度を高める
- 参加ハードルの低いキャンペーンでフォロワー接点を増やす
一方で、広告メニューや認証制度などの仕様は名称変更後に大きく変わっているため、キャンペーンや広告を実施する際は最新の規約・機能をX公式ヘルプセンターで確認してから実施しましょう。
なお、XとInstagramではユーザー層や投稿の文化が異なるため、両方を運用する場合はTwitter(X)とインスタグラムの違いと連携方法の記事も参考にしてください。また、SNSでファンを増やして集客につなげた他業種の事例としては、美容室「ALBUM」のSNS戦略もあわせてご覧ください。
5.まとめ
今回はTwitter(現X)を集客に活用するために、4つのホテルとレジャー施設のアカウントおよび投稿事例をご紹介しました。
いずれのアカウントも基本となる投稿テーマがある上で、発想・趣向を凝らした一捻り加えられた投稿があるのが特徴的でした。
今回ご紹介した内容はあくまでも2021年当時の一例に過ぎませんが、投稿の工夫の仕方は現在のXでも十分に通用します。今後SNSを見る際には「この投稿は、どのような考え・発想で発信されているのか」や「この企画を自分の立場に置き換えたら、どのように実施できるだろう」など、一歩踏み込んで考えてみるのもおすすめです。
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