話題の「リテールメディア」とは？小売業が取り組むべきメディアを解説

Amazonやウォルマートなどの米国大企業が活用しているリテールメディアが日本でも注目を浴びています。

今回はリテールメディアの概要や注目される背景、メリット、運用ステップなどを解説します。

リテールメディアとは

リテールメディアとは、小売業者が提供するメディアのことで、例えばECサイトや店舗アプリ、実店舗の店頭に設置されている広告を配信する手法です。

リテールメディアでは、小売業者が保有する消費者の購買データや行動データを活用して、広告主であるメーカーに対して効果的な広告スペースを提供します。また、消費者は自身の興味関心に合った商品情報を受け取ることができます。

リテールメディアは、米国では検索（リスティング広告）やSNSに続く、デジタル広告の第三の波として注目されており、日本でも拡大すると予測されています。

リテールメディアが注目される背景には、大きな要因として2点が考えられます。

2020年頃の世界的なパンデミックをきっかけに、購買のオンライン化が進んだことがリテールメディアの発展を後押ししました。

コロナ禍が落ち着いたとはいえ、消費者はオンラインでの買い物に慣れており、今後も引き続きオンラインでの購買ニーズの高まりも得共しています。

Webマーケティングを行っている方はご存知かもしれませんが、サードパーティクッキーの規制も、リテールメディア市場拡大の追い風となっています。

サードパーティクッキーとは、端的にいうとあるサイトでのユーザーの行動や嗜好といった情報を第三者が追跡できる技術のことです。

この技術はマーケターにとっては有益な情報源である一方で、プライバシー上の懸念が指摘されており、3rd Party Cookieがデフォルトでブロックされているブラウザは増えています。一方のリテールメディアは、小売プラットフォームによって収集されたファーストパーティデータを活用できます。

サードパーティクッキーの規制が広がった結果、他のサイトや広告メディアから情報を得ることができなくなり、企業は自社でデータを取るしか情報収集の手段がなくなりました。

そこで、顧客との接触頻度が高く、直接接点を持てる小売業のサイトやアプリにメディアとしての価値が出てきた、ということです。

リテールメディアがもたらすメリットは、リテール企業側だけでなく、広告主であるメーカー側や消費者側にもあります。各社のメリットを簡潔にまとめました。

以上のようにリテール企業、メーカー、そして消費者がWin-Win-Winの関係性を築くことができることが、リテールメディア実施の特長かつ最大のメリットでしょう。

リテールメディアを構築するには、以下の5つのステップが必要です。各ステップですべきことも列挙しましたので、参考にしてください。

1.事前分析

2.ターゲティング

3.広告配信

4.インストアプロモーション

5.効果測定

以上のステップをこなして、リテールメディアを活用してください。

昨今注目を浴びているリテールメディア。多くのメリットがあるため、小売業者であれば、効果的に活用したいところです。データ管理やプライバシーの保護、広告主との信頼関係の構築などに注意しながら活用してください。