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【重要】本記事は2022年3月時点の情報を基に執筆しており、本文中の「日本の人口の83%(H28年現在)以上がインターネットを利用」という記述は2016年時点のデータです。総務省「令和6年通信利用動向調査」(2025年5月公表)によると、2024年時点の日本のインターネット利用率(個人)は85.6%で、端末別ではスマートフォン(74.4%)がパソコン(46.8%)を上回っています。以下では当時の数値を参考情報として残しつつ、最新の数値やポイントを本文末尾でご紹介します。
ネットリサーチを行うことで、一般消費者の意見を効率的に収集することができ、企業の課題発見や戦略の見直しにつながります。「Webアンケート」や「オンラインサーベイ」とも呼ばれ、特に新商品を企画する時やPR施策の効果検証を行う時に非常に役に立ちます。
そこでこの記事では、ネットリサーチのメリットやデメリット、どのようなシーンで実施するべきなのかなどについて詳しく解説します。
1.ネットリサーチとは?特徴について
ネットリサーチは、調査対象者(回答者)にインターネットを通して「アンケートサイト」にアクセスしてもらい、Web上で回答してもらう調査手法です。
従来の調査手法である「電話調査」や「郵送調査」「訪問調査」等と比べると、経費や時間の削減が可能になりました。
(参考:2022年当時の数値)日本の人口の83%(H28年現在)以上がインターネットを利用するようになった当時も、母集団としての回答モニターの偽りは緩和されていました。後述する通り、現在はさらに利用率が上昇しています。
さらに、インターネットにアクセスできるツールも以前はパソコンのみでしたが、現在はスマートフォン、タブレットと幅広く、利便性はより高くなっています。
ネットリサーチは、低コスト、短時間で多くのデータを収集できることから、「定量データ」と呼ばれる「量(金額や数量など)」や、「割合(パーセンテージ)」のように数字で表現されるデータを収集する「定量調査」において用いられることが増えています。
その他にも、
・大量のサンプル数を対象にした全国規模のアンケートが可能
・アンケートに画像・動画の添付が可能
・地域や属性・対象を細かく絞り込んだアンケートが可能
・自由記述回答(フリーアンサー)の充実
などの特徴があります。
2.ネットリサーチのメリット・デメリット
ネットリサーチには従来の調査手法にはないいくつかのメリットがあります。一方で、調査を実施する際に考慮しなければならないデメリットも存在します。
ここではネットリサーチのメリットとデメリットを解説していきます。
2-1.ネットリサーチのメリット
ネットリサーチは、低コスト、短期間で大量の回答を得ることができるのが最大のメリットです。
さらに細かくみると、
・結果が早い(調査企画からレポート提出まで3週間~1ヶ月ほど)
・回収数が多く、大規模な調査が可能(時間や場所を選ばず、日本全国への調査が可能)
・紙調査よりも低コスト(印刷費、人件費の削減)
・ターゲットを絞りやすい(年齢、性別、住まいなど限定できる)
・アクセス解析やトラッキングによってターゲット層の詳細な行動パターンを把握できる
等、インターネットの特性を生かし、調査の目的や用途によって予算や規模を自由にカスタマイズできることが分かります。
2-2.ネットリサーチのデメリット
では、次にネットリサーチにはどんなデメリットがあるのか見ていきましょう。
・回答者に偽りがある
60歳以上の高齢者の場合、携帯電話は保有していてもインターネットは利用せず、通話やメールだけを使用する傾向があります。
そのため、若年層を対象としたネットリサーチは効果が高いものの、60歳以上を対象としたネットリサーチでは、十分な回答を得られず、調査が失敗してしまうケースもあります。
このように、回答者に偽りが出てしまう点がネットリサーチのデメリットと言えるでしょう。
・虚偽回答の可能性がある
対象者はアンケートに答えるたびにポイントが貯まり、貯まったポイントはWebショッピングで使用できたり、現金や商品券に交換できたりするため、中にはポイントのみを目的として、適当な回答を送る悪質なユーザーも存在します。
例えば、匿名性を利用して対象者ではないにも関わらず、他の人間になりすまして回答していたり、回答の質が極端に悪かったりといったケースが挙げられます。
このように報酬だけを目的にした回答者が多い場合、信頼性に乏しいデータが集まってしまう点がデメリットです。
3.ネットリサーチの活用目的
・新商品やサービスの企画
ネットリサーチは、新しい商品やサービスに対するニーズを見つけることに活用されます。さらに既存商品における顧客満足度や改善点の抽出などにもネットリサーチは有効です。
・マーケティング
戦略策定においては自社の考えだけでなく、顧客目線が求められることもあります。ネットリサーチはそのためのマーケティングツールの一つとしても活用されます。収集したデータはSTP分析やProduct(製品)分析などのマーケティングフレームワークにも活用できます。マーケティングにおける4Pとは?分析方法とケーススタディも紹介もあわせて参考にしてください。
・調査結果の発信
会社の運営するブログやメディアにおいて、ネットリサーチによって得た集計結果を発信すれば、より説得力のある主張をすることができるようになります。数値で客観的に表現することでコンテンツに対する信頼性を高め、さらにその内容が拡散されることで自社の認知度を上げることにも繋がります。
4.ネットリサーチを行う時のポイント
ネットリサーチを行う時は、回答者を惑わせない調査票を作成することが大切です。
調査票は、実際にネットリサーチでアンケート調査を行う際の指標になるものです。特に自社商品が複数ある場合や他社商品との比較などの項目を作成する場合は、回答者が他の商品と混乱しないように、順序立てて質問を並べるようにしましょう。
例えば、答えやすい項目は初めに持ってきて、後に本当に聴きたい項目を並べる。また、離脱率を押さえるために、初めに設問数を提示して回答のモチベーションを高めるなどの工夫が必要です。
5.ネットリサーチの進め方
ネットリサーチは下の4つの段階を経て進んでいきます。
・調査企画
リサーチにおいては、まず「何を明らかにするのか」「誰に対する調査か」「調査対象は何人か」「どんな質問にするか」といったことを検討します。そこで調査対象の設定はできるだけ具体的に行います。調査対象の人数である標本サイズについてはその後の分析を意識して決定していきます。例えば、性別で比較するのか年代別に比較するのか、さらにこれらを組み合わせるのかどうか、どれだけ詳細に分析するのか先に決めておくことが大切です。
・調査票作成~実査
ネットリサーチの企画ができれば調査票を作り、実査を行います。こうして調査およびデータ収集を行う際、質問の書き方には注意が必要です。回答する者によってニュアンスが違った形で伝わることがないようにしなければなりません。
・集計
集計を行います。これには「単純集計」と「クロス集計」と呼ばれるものがあります。
単純集計では回答結果をそのまま集計しますが、これに対しクロス集計では複数の項目を組み合わせて分析していきます。
・分析~レポート作成
集計したものを分析していきます。そしてこれらをレポートとしてまとめていきます。レポートはマーケティングにおける課題を解決するために活用され、企業の意思決定を助けるものとなります。調査票作成段階において立てた仮説通りの結果が得られればその通りに遂行し、異なる結果となった場合には戦略を見直すなど、重要な資料となるのです。
6.ネットリサーチを利用する際の注意点
・回答デバイスにも着目する
ネットリサーチならパソコンやスマホ、タブレットなど、様々なデバイスで回答することが可能となりますが、使用するデバイスによって回答者層が異なるという点も忘れてはいけません。スマホやタブレットは比較的若年層に利用者が多いと言え、パソコンからだけ回答できる、という条件を設けてしまうと回答者に偽りが出てしまう可能性が出てきます。
さらにデバイスによって画面サイズが異なるという点にも配慮しなければなりません。スマホも対象とする場合には、小さな画面でも見やすいようにしておく必要がありますので、ネットリサーチ会社を選定するときにはマルチデバイス対応しているかどうかも確認しておくようにしましょう。
・質問が多くなりすぎないようにする
ネットリサーチでは、ページ遷移を伴う質問をする場合、全部でどれだけの質問があるのか回答者が分からないというケースがあります。紙であればそのボリュームが分かりやすいですが、ネットリサーチでは視覚的にこうした情報が得にくいため、あらかじめ質問数を明らかにしておくか、過剰に質問を設けないようにしなければなりません。多く質問することでより詳細に情報を得ることができる一方、回答者が疲れてしまい、精度が落ちてしまう危険もあるのです。
・虚偽回答の発生
調査の実施方法によってはプロフィールの詐称や不正回答が起きやすくなります。調査員による確認や監視がないことによって起こる問題です。これはネットリサーチに限ったことではありませんが、手軽に回答ができるネットリサーチでは、対策をしなければ虚偽回答が多く生まれてしまう可能性もあります。しかし柔軟な条件設定等、調査にあたり厳しい設定を設けることもネットリサーチなら可能です。そのため信頼できるネットリサーチ会社を選ぶことで虚偽回答の少ない結果を得ることができるでしょう。
7.【最新情報】日本のインターネット利用率とネットリサーチへの影響
総務省が2025年5月に公表した「令和6年通信利用動向調査」によると、2024年(令和6年)時点の日本のインターネット利用率(個人)は85.6%と、記事執筆当初(2016年:約83%)からさらに上昇しています。端末別の利用率ではスマートフォン(74.4%)がパソコン(46.8%)を上回り、モバイル中心の回答環境への対応がより重要になっています(総務省「令和6年通信利用動向調査」の結果より)。
利用率の上昇により、ネットリサーチで収集できる回答モニターの母集団がより広がり、高齢層を含めた幅広い層の意見を収集しやすくなっています。一方で、回答デバイスはスマートフォン中心になっており、アンケート画面のモバイル最適化(モバイルファースト設計)は以前以上に重要なポイントとなっています。
ネットリサーチで得た定量データをさらに深く活かすには、定性的な顧客理解も並行して行うと効果的です。ユーザーインサイトとは?知る目的とユーザーの本音を把握する方法を紹介では、定量調査だけでは見えにくい顧客の本音の探り方を解説していますので、あわせて参考にしてください。また、マーケティングリサーチ全体の基本についてはマーケティングリサーチとは?簡単解説。仮説を大切にしようもあわせてご参考ください。
8.まとめ
利便性が高いネットリサーチですが、デメリットの問題も無視できません。
マーケティング課題の解決のためには、メリットをうまく活用しながら、デメリットを最小限に押さえる工夫を凝らすことで、より精度の高い回答が得られるでしょう。
調査会社によって得意分野が異なる場合もありますので、複数比較がおすすめです。
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