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α(アルファ)世代とは「2022年に12歳以下」を指す世代であり、まだ幼い層ではありますが、今後の消費行動を担うターゲットとしては注目していきたい世代です。

今回は、そんなα(アルファ)世代について紐解いていきます!

どんな特徴があるのか、またα(アルファ)世代に向けたマーケティングについても分析していきますので、是非最後までご一読ください。

1.α(アルファ)世代とは?

α世代(ジェネレーションα)は、2010年以降に生まれた子どもたちと定義されています。

これまでとは違う新しい時代を表す言葉として、オーストラリアの学者マーク・マクリンドル氏が名付けました。

α世代はミレニアム世代の子供に当たる世代であり、生まれた頃からiPhoneやSNSが日常的に使用されている環境の中で育っています。

既にZ世代が、インターネットとの距離が近い世代として知られていますが、α世代はさらにハイテクなデバイスを利用した環境や、社会と常に繋がっている状態での暮らしを当たり前にしている世代です。

今後を担うα世代がどんな消費行動を行っていくのか、動向を探っていく必要がありそうです。

2.α(アルファ)世代の特徴

それでは続いて、α世代の特徴について詳しく見ていきましょう。

2-1.親子共にデジタルネイティブ

α世代の親である30~40代は「ミレニアル世代」にあたり、ミレニアル世代はインターネットの誕生や発展とともに成長してきた世代であることからITリテラシーが高く、スマホやPCといったデジタルデバイスやオンラインツールを使いこなすことができます。

そのため、親子でデジタルネイティブであることは、この世代ならではの新しい特徴といえるでしょう。

また、α世代が初めてスマホやタブレットに触れた年齢は1~3歳程度であるとされ、物心が付く前からデジタルデバイスを使っていることもα世代の特徴です。

2-1.オンライン学習・在宅学習を経験している

α世代はwithコロナの生活が当たり前の時代に育っていることから、オンライン授業や在宅学習を経験していることが特徴です。

また、学校内での式典やイベントを経験していないケースも多く、物理的な経験や対面での人とのかかわりがコロナ以前よりも希薄であると考えられます。

そのため、従来のオンライン・オフラインに対する価値観が他の層とは異なることが予測され、オフラインでのサービスや経験の消費行動にも影響を与えるともいえるでしょう。

2-3.多様性に寛容

近年、LGBTや国籍にまつわる人権問題についてなどに対し、個性を尊重して全員が生きやすい世の中を作ろうという動きは世界各国で見られています。

LGBTを公言する芸能人も頻繁に見られるほか、子供向けアニメでも様々な国籍のキャラクターが描かれたり、性的思考も異性愛を当たり前としていない作品が増えたりしています。

最近では、アメリカの出版社DCコミックスが、世界的に有名な「スーパーマン」の漫画の最新作で、主人公を同性愛者として描いたことも話題になりました。

それ以外にも、会社員として働くことだけが普通ではなく、副業をすることやフリーランスとして生きていくこともこれまでより増えています。

そのため、α世代は大衆と同じであるということに安心感を覚えたり、ステータスを感じるといった考え方を持たず、それぞれにあった生き方を自らで選択することを好む世代になると予測できるでしょう。

2-4.バーチャル空間との親和性

α世代は、Z世代が経験したよりもさらに高い技術を駆使したインターネット空間に触れながら育つことが予測されます。

また、各SNS上でのライブ配信やオンラインゲーム、eスポーツなどにも慣れ親しんでおり、近年ではバーチャル空間で自分を発信できるような場も増えています。

バーチャル空間ではアバターを操作して他者と関わることが多いため、現実世界での人との関わり方の価値観も変わっていくことが考えられるでしょう。

それ以外にも、支払い方法はスマホを使ったキャッシュレスが主流であるなど、消費行動にもα世代ならではの特徴があります。

また、α世代は現金などの手で触れられる“モノ”と関わる機会が少ないことから、オンライン上やメタバース上での価値をより重視するようになるでしょう。

3.α(アルファ)世代とZ世代の違い

α世代を、ひとつ前のZ世代と比較して捉えてみましょう。Z世代は現在中高生~20代半ばと消費の中心になりつつあります。スマホネイティブとも呼ばれ、幼少期から身近にあったデジタルデバイスを使って、SNSなどでの情報収集・コミュニケーションを日常的に行っています。これらの環境から、Z世代はそれまでの世代とは価値観や行動特性が大きく異なると分析されてきました。

では、その後に続くα世代はどうでしょうか。Instagramがサービスを開始し、またiPadが発売されたのは2010年でした。これらが象徴するように、α世代は生まれた時点で既にSNSやタブレット端末が発展している環境にあります。小学校からプログラミング教育がなされ、さらに昨今のコロナ禍もあって、タブレットを通じたオンライン授業も日常的に行われるようになりました。スマホネイティブであるZ世代と比べても、α世代を取り巻くデジタル環境は大きく変化していると言えるでしょう。

4.α世代へ向けたマーケティングのポイント

α(アルファ)世代を狙ったマーケティングを成功させるためには、下記の2点を押さえることが重要です。

  • α(アルファ)世代と、その親であるミレニアル世代の両方を狙う必要がある
  • 興味関心が持続しないα(アルファ)世代へアプローチするアイデアが必要

4-1.α世代と、その親であるミレニアル世代の両方を狙う必要がある

α(アルファ)世代はまだ幼く、消費の当事者には当てはまりません。

そのため、α(アルファ)世代の子どもだけでなく、親の大半にあたるミレニアル世代(ジェネレーションY)の心をつかむサービスや商品を考案する必要があります。

1980~95年ごろの生まれを指すミレニアル世代は、環境負荷の低減や男女機会平等への意識の高さ、自身が価値を感じるものへの消費を重視する傾向などが特徴とされています。

また、物質的な豊かさよりも、特別感があったり、周囲とシェアできたりする体験のためにお金を使う、「コト消費」の傾向が強い点も特徴として挙げられます。

そのため、自分の子どもに関する消費に対しても、サステナビリティを意識したものや、魅力的な経験・知識を得られるサービスに対するニーズが高いと予想されます。

4-2.興味関心が持続しないα世代へアプローチするアイデアが必要

α(アルファ)世代をターゲットに設定したマーケティングでは、興味が持続しにくい彼らの特性も考慮する必要があります。

生まれたころからデジタルコンテンツに慣れ親しんでいるα(アルファ)世代にとって、大量の情報が流れてくる状況は当たり前のため、わざわざ自分から物事を調べたり考えたりする手間をかけにくい傾向があります。

「まず答えありき」の志向になりがちであったり、コスパよりも、かかった時間に対して得られる対価や満足度を指す「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する点も、特徴として挙げられます。

YouTubeなどの10分程の動画でも「長い」と感じ、知りたい情報が数秒の短尺動画ですぐに手に入るSNS・TikTokを好むなど、そのタイパを重視する価値観が色濃い世代です。

飽きやすく、タイパに重きを置く彼らの志向に合わせ、常に斬新なテーマを設定し続ける、成果の見えやすいコンテンツを用意する、といった、彼らの価値観の特徴をとらえた特別なアプローチが必要です。

5.α世代をターゲットにしたマーケティング事例

α(アルファ)世代をターゲットにしたマーケティングの事例として、以下の2つの商品をご紹介します。

いずれもα(アルファ)世代から人気を得ていて話題に上っている商品です。

  • タカラトミー「ぷにるんず」
  • メガハウス「マイイルミ ドリームカラー」

5-1.タカラトミー「ぷにるんず」

タカラトミーの「ぷるにんず」は、本体の穴に指を入れ、ぷにぷにとした触感のボタンを操作しながらプレイする新感覚の育成トイ。

液晶画面のキャラクターに、直接触れてお世話しているような感覚を味わえる”本物感”がα(アルファ)世代の心をつかみました。

ボタンを押すだけだった従来の育成トイに、まぜる・こねる・さわる、のアナログな体験をプラスした点が画期的。

タブレットやゲーム機に慣れ親しんだα(アルファ)世代に対して、斬新な体験を提供するおもちゃとして、親世代にも支持されているようです。

5-2.メガハウス「マイイルミ ドリームカラー」

バンダイナムコグループ・メガハウスの「マイイルミ ドリームカラー」は、自分だけのイルミネーションをつくれるホビーセットです。

5色のイルミピンを”イルミカセット”にさして、自由に図柄をデザイン。

カセットを本体に装着し、ライトアップさせて遊びます。

光の色や明るさのほか、点滅・ウェーブなど、光り方も選択可能。

見た目に楽しいだけでなく、本格的なクリエイティブ体験ができるおもちゃとして、α(アルファ)世代の子どもたちを魅了しています。

また、遊んでいるうちにものづくりやデザインの面白さに気付けることから、親世代からの評価も高いようです。

6.まとめ

以上、α世代の特徴と今後のマーケティングについて分析していきましたが、いかがでしたか。

α世代はまだ子供にあたる年齢のため、今すぐに経済に与える影響は少なく、彼らの消費行動が実際に反映されるまではまだ時間がかかります。

しかし、彼らの意思決定や行動を分析していくことは、将来的なマーケティング効果を生み出すことにつながるといえるでしょう。

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