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SNSの分野では、分散型SNSと呼ばれるサービスが出てきています。従来のSNSとは異なり、より自由で公平なサービスとなっており、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)にとって代わると期待されています。

当記事では、分散型SNSの特徴やメリットを解説した上で、現在利用可能なサービスをいくつか紹介していきます。

1.分散型SNSとは

分散型SNSとは、イーサリアム(ETH)などのブロックチェーン上に構築されたSNSを指します。誰でも利用可能なDApp(分散型アプリ)として提供されており、Web3.0サービスの一種です。

1-1.Twitterの買収騒動で注目が集まる

米テスラのCEOを務めるイーロン・マスク氏は、2022年4月にTwitterの買収を表明しました。同年10月末には買収が完了し、検閲を無くしたりスパムボットを排除したりして、より自由で公平なプラットフォームにしようとしています。

このTwitterの急な方針転換に対してユーザー側から反発の声も挙がっており、代替サービスを模索する動きが広がっています。この流れの中、分散型SNSに注目が集まりました。

2.分散型SNSの特徴

分散型SNSは従来のSNSと異なる特徴を持っています。

2-1.中央管理者が存在しない

散型SNSはその名の通り、分散型の構造の上で成り立っています。

従来のSNSは企業などの中央管理者がサーバを管理しており、サービスの全てを掌握できるようになっています。一方、分散型SNSは中央管理者がおらず、DAOなどの民主的な仕組みで運営されています。開発計画やソースコードなども公開されており、コミュニティ全体で運営するような環境が構築されています。

2-2.分散型ストレージを実装

従来のSNSはユーザーの個人情報などをデータベースに保管しており、このデータベースは中央管理者が管理しています。

一方、分散型SNSは中央管理者が存在しません。データベースの代わりに、分散型ストレージと呼ばれる技術を実装しています。分散型ストレージはブロックチェーンの仕組みを利用して、ノード(ブロックチェーン参加者の端末)にデータを保管します。

2-3.仮想通貨を利用しやすい

仮想通貨が普及する中、多くのSNSは仮想通貨関連機能を実装し始めています。例えば、TwitterはNFTのプロフィール画像や仮想通貨送金などを可能としており、仮想通貨との親和性を高めています。

分散型SNSはブロックチェーンを基礎としているので、仮想通貨を利用した報酬システムや、サブスクリプションの支払い、投げ銭、広告出稿などの機能を簡単に実装できます。

3.従来のSNSと比較したメリット

従来のSNSと比較して、分散型SNSは以下のようなメリットがあります。

3-1.投稿を収益化できる

YouTube(ユーチューブ)やTiktok(ティックトック)などの流行で、コンテンツが手軽に収益化できるようになりつつあります。しかし、既存のSNSでコンテンツを収益化できるのは、一定のフォロワー数やエンゲージメントを獲得した一部のクリエイターに限られています。

分散型SNSであれば、ほとんどのプラットフォームで誰にでも独自仮想通貨を獲得する機会があります。コンテンツのインプレッションやエンゲージメントに応じた報酬だけでなく、投げ銭も可能なので、投稿を収益化するハードルは高くないといえるでしょう。

3-2.言論の自由が確保されている

既存のSNSは運営企業によって言論が規制されており、基準によっては公平性を欠く可能性もあります。

例えば、2021年にはTwitterが前米大統領ドナルド・トランプ氏のアカウントを凍結したことが物議を醸しました。トランプ氏が規約違反の発言を行なったことが原因とされており、最終的な判断は運営側が行なっています。

分散型SNSは言論の自由が確保されており、無闇に投稿が消去されたり、アカウントが凍結されたりすることはありません。投稿に関するルールはありますが、既存のSNSと比べると透明性の高い運用となっています。

3-3.ハッキングリスクを低くできる

既存のSNSはユーザーの個人情報を中央集権型のデータベースで管理しています。すなわち、ハッキング攻撃を受ければ、情報漏洩します。実際にFacebookでは幾度となく情報漏洩が発生しており、ユーザーの個人情報が危険にさらされています。

分散型SNSは分散型ストレージを実装しているため、中央集権型と比べて安全に管理できます。ユーザー自身が適切にウォレットを管理していれば、セキュリティ面で優れているといえるでしょう。

また、分散型SNSであれば、運営側がユーザーの個人情報を悪用することもできません。

3-4.システム障害のリスクが少ない

従来のSNSは中央管理のシステム上で稼働しているので、障害が発生すると停止するリスクがあります。

その点、分散型SNSはブロックチェーンを基盤としているのでそのリスクは小さいです。ブロックチェーンはどこかのノードがダウンしてもネットワーク全体で補完しあっており、障害に強い仕組みです。

ブロックチェーンもクライアントソフトのバグなどが原因で停止することはありますが、基本的に24時間稼働できるようになっています。

3-5.運用ルールが明確

既存のSNSは、規約や機能が急に変更されたり、運営会社の意向次第でサービスが終了したりします。

一方、DAOで運営されている分散型SNSでは、重要事項の決定が民主的な投票で行われます。既存のSNSのような急な動きがないわけではありませんが、少なくともコミュニティの意思に反する変更は生じにくいです。

4.分散型SNSの例

4-1.Peepeth

Peepethは、Twitterに似た分散型SNSです。

イーサリアムブロックチェーン上で動作し、ユーザデータの保存にIPFSを使用します。

ユーザは「Peeps」と呼ばれる短いメッセージを送ることができ、そのメッセージは削除したり変更したりすることができません。

アプリから離れることなく、プラットフォーム上の誰にでもイーサリアムでチップを集めたり,チップを渡したりすることができます。

4-2.Mirror

Mirrorは、分散型かつユーザ所有のプラットフォームを目指したWeb3.0対応のライティングプラットフォーム(ブログ)です。

ユーザは、ウォレットを接続するだけで、Mirror上で無料で読み書きできます。

また、ユーザは文章を収集したり,お気に入りの作家を購読したりすることができます。

Mirrorで公開された投稿は、分散型ストレージプラットフォームであるarweaveに永久保存され、Writing NFTと呼ばれる収集可能なNFTとして鋳造されることが可能です。

Writing NFTは、ライターが完全に無料で作成でき、収集はイーサリアムのレイヤ2上で行われるため、安価で高速、かつ環境に優しい取引が可能です。

4-3.Minds

Mirrorは、分散型かつユーザ所有のプラットフォームを目指したWeb3.0対応のライティングプラットフォーム(ブログ)です。

ユーザは、ウォレットを接続するだけで、Mirror上で無料で読み書きできます。

また、ユーザは文章を収集したり、お気に入りの作家を購読したりすることができます.

Mirrorで公開された投稿は、分散型ストレージプラットフォームであるarweaveに永久保存され、Writing NFTと呼ばれる収集可能なNFTとして鋳造されることが可能です。

Writing NFTは、ライターが完全に無料で作成でき、収集はイーサリアムのレイヤ2上で行われるため,安価で高速,かつ環境に優しい取引が可能です。

5.まとめ

Twitterを筆頭に、Reddit(レディット)やInstagramなどのSNSは、仮想通貨やNFTなどの機能を取り込み始めています。また、マストドン(Mastodon)は完全な分散型ではないものの中央集権型を脱却する構造で、Twitter買収騒動の際に脚光を浴びました。

Twitterの前CEOであるジャック・ドーシー氏は、共通化されたプロトコルの開発に着手しており、分散型SNSの普及に向けて尽力しています。SNSは変革の時期にあると考えられ、今後の展開に注目です。

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