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「●●テック」という言葉を聞くようになりました。さまざまな分野でIT技術の導入が始まっており、農業分野においても例外ではありません。
今回は農業分野とテクノロジーの融合である、アグリテックについて解説します。市場規模や取り組み事例なども紹介しますので、ぜひご覧ください。
アグリテックとは
アグリテック(AgriTech)とは、農業とテクノロジーを合わせた造語です。AIやドローンなどさまざまな最新技術を駆使して農業をIT化する技術や概念を意味します。アグリテックはさまざまな視点から、近年、注目を浴びています。
アグリテックが注目される背景
ここからはアグリテックが注目される背景をご紹介します。
人材不足や人材の高齢化
まずは農業従事者の不足や高齢化が挙げられます。近年、日本では少子高齢化が進んでおり、各業界の人手不足が慢性化しています。これは農業分野においても例外ではありません。農業分野において、次世代を担う若者が減少することは、国の食糧事情を考慮すると大きな課題といえます。
そこで、テクノロジーを駆使して人材不足を解消する目的からアグリテックが注目されているのです。
食料自給率の低下
次に挙げられるのが食料自給率の低下です。日本の食料自給率は世界の国々と比べると低い傾向です。食料自給率が低いと海外からの輸入に頼ることになり、輸入ができなくなった際や食料需要の拡大で価格が高騰したときに、十分な食料を確保できない可能性があり、対策としてアグリテックが求められています。
異常気象の増加
近年、日本では豪雨や大雪など異常気象が増加しています。長雨や少雨、猛暑なども含めた異常気象は農作物へ大きなダメージを与えます。
そこで、アグリテックによって「最適な気温を保てる室内で農作物を育てる」など、異常気象に備えた対策ができることから注目されています。
アグリテックの市場規模
アグリテックの市場規模は2027年までに400億米ドルを超えると予測されていますこれは世界の市場規模の予測ですが、2019年の市場規模より5倍以上の拡大となっています。国内においては現状2,000億円程度であり、今後も伸びることが予想されます。
参考:JAcom「アグリテックの市場規模 2027年に411億7250万米ドル到達予測」
アグリテックで注目される分野
アグリテックで注目される分野では下記の3つの分野が挙げられます。
ドローン
ドローンによって農薬散布や作物の種まき、遠距離からの耕作地チェックなどが可能です。これまで人力で対応していた部分をドローンに任せることで、農業従事者の負担を減らせるでしょう。また、人材不足の解消にも期待がかかります。
ロボット
ドローンと同様でロボットの活用も農業従事者の負担を減らせます。例えば、牛の搾乳ロボットは、自動で牛の乳頭を関知して、搾乳します。さらに絞った生乳をもとに、一頭ごとの健康管理などもできます。今後、テクノロジーが進化すれば、種まきや収穫などをロボットに任せることができるでしょう。
IoT
IoTは「モノのインターネット」と呼ばれ、さまざまなモノがインターネットとつながることで利便性や効率性の向上が図れることです。アグリテックにおいてもIoTが活用できます。具体的な内容は下記をご覧ください。
- 10分間隔で農場の気温や湿度などのデータを計測
- 牛にセンサなどを装着して1頭ごとの体温を計測
- スマホをかざすだけで食物の栄養素や追加肥料の可否を判断
上記は一例であり、その他にもIoTの活用が考えられます。
アグリテックの取り組み例
すでにアグリテックに取り組んでいる国内の企業が多数、存在します。そのなかから3社に絞って、事例をご紹介します。
株式会社オプティム
株式会社オプティムは、ドローン技術を中心にアグリテックに取り組む企業です。特許を取得している技術もあり、農業への貢献度の高さが伺えます。具体的には、ピンポイントに無農薬散布のテクノロジー、土壌の状態に応じて種まきを制御する技術、ライブ映像を活用して遠隔操作による指示だしなどがあります。
ヤンマーホールディングス株式会社
ヤンマーホールディングス株式会社は、ロボット化された農業機械をメインに扱う企業です。特に乗り物の技術は最先端であり、高性能な機能を備えたトラクターをいくつも用意しています。例えば、熟練度にかかわらずだれでも運転できたり肥料を自動で調節できたりするトラクターがあります。特に大規模農家には重宝するトラクターがそろっています。
株式会社セラク
株式会社セラクは、デジタルマーケティングなどIT分野で幅広い事業を展開しています。「みどりクラウド」という農業従事者支援サービスでは、環境モニタリングシステム(みどりモニタ)や農作業記録・管理サービス(みどりノート)を展開しており、生産支援や販売支援をしています。
アグリテックの理解を深めよう
アグリテックはさまざまな課題を抱える農業分野で、利便性や効率性などを向上させられます。日本のみならず世界の多くの企業が農業にテクノロジーを活かすために研究を進めています。
今後、どのようなテクノロジーが登場するのか、注目していきましょう。
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