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得意先との打ち合わせでマーケティング専門用語が出てヒヤッとした経験はありませんか? 知らない人には何のことか想像がつきにくい用語の1つに「4P(よんぴー)」があります。本記事では、4Pとは何のことなのか? 何に使える概念なのか? という疑問に答えて解説していきます。

4p(よんぴー)って何?

「4P」を全て言ってみてください、と言われても困る! マーケティングを体系的に勉強したことのある人以外はそう思うのではないでしょうか。マーケティングの戦略フレームワークとしては王道と言われる4Pについてまず解説していきます。

戦略フレームワークの一つで、別名マーケティング・ミックス

4Pとは「Product(製品)」「Price(価格)」「Promotion(販促・プロモーション)」「Place(場所)」の頭文字を取った名称で、別名で「マーケティング・ミックス」とも呼ばれます。

「ミックス」と言われるように、レイヤーの異なる4種類の視点から分析を行うのが特徴です。4つの複合的な視点を組み合わせることでひとつの方向性からでは見えてこなかった強み・弱みや改善点が見つかるというのが4Pの基本的な考え方です。

では、まず4つの視点をひとつひとつ確認していきます。ここでは、異業種から見るとどこでも似通っているように見える100円ショップ各社を例に考えてみましょう。

Product

「Product(製品)」は自社の製品・商品のことを指します。物理的な売り物だけでなく、サービスやソフトウェアなども含まれます。

100円ショップはどうでしょうか。普段頻繁に利用しない人にはどこの商品も同じように思えるかもしれませんが、実は各社に戦略があります。

最大手のダイソーは品揃えが豊富であることが強みです。選択肢を限りなく多くしていることが売上にもつながっています。

一方、「おしゃれ」「オリジナリティ」などの路線から商品開発をしているのがセリアです。ここ数年はハンドメイド・DIYのブームも後押しし、インテリアやアクセサリーなど、身の回りのものを自分で作ってみたい層にヒットする商品を生み出してきました。

さて、自社の商品について自分たちが一番詳しいのは当然のことです。しかし、商品についての知識だけでは的確なマーケティング戦略が立てづらいため、残り3つのPが重要になってきます。

Price

「Price(価格)」は商品の価格です。値付けは自明のものではなく、原価や顧客ニーズ、市場での競争によって変化します。売り手側の都合だけでなく、消費者から見たときに適正な価格と言えるのかどうかもチェックしなくてはなりません。

100円ショップでは名称の通りほとんどの商品が100円で販売されています。100円で利益を出せる商品開発が肝になっていると言えるでしょう。一方一部の商品は300円・500円などの特別価格を付けることで完成度を上げ、顧客の満足感演出を図っています。

Promotion

日本語化した「プロモーション」は「広告」と同義に捉えられていることがしばしばあります。英語の原義では「促進する」ことを指すので、販促に使える手段は全てプロモーションと呼べます。

100円ショップの場合、SNSで話題になる「100円に見えないおしゃれ商品」「便利グッズ」などが大ヒットすることがあります。このような「SNSで話題になりやすい商品」を開発することもプロモーションとして有効である可能性があります。

Place

「Place(場所)」はどこで売るのか、どの範囲で売るのかという視点に加え、それ以外の場所について考えることもできます。たとえば倉庫は持つのか、オフィスの場所と機能はマーケティングとどう関わってくるのか、といった論点です。

100円ショップは郊外の路面だけでなく、最近ではショッピングモールにも積極的に進出しています。特にダイソーは販売商品数が多いため、大規模な出店要請にも応えられることを強みとしています。

4Pを考えるのに大切なものは?

明確なターゲット像

商品を持っている以上、絶対に考えなくてはいけないのは「誰に売るのか」ということです。メインとなっているターゲット像が曖昧なままだと4Pの視点を深めることができません。

たとえば商品・価格・販売チャネルなどが非常に似通っているように見える大手100円ショップ各社を比較検討してみると、前提となっている顧客ターゲット層が見えてきます。

現代ではSNSなどで消費行動を探るのが大切

スマートフォンの普及やクラウド化の推進により、販売チャネルは年々多様化し、消費者の行動は見えにくくなってきています。一方、SNSで人気のあるインフルエンサーが紹介するだけで商品が品切れになる現象も起こっています。

話題の萌芽をいち早くキャッチし、消費者行動を探ることができるSNSは「Promotion」としてだけでなく、「Place」として分析することもできるでしょう。

まとめ

「4P」の4つのPとは何か、どのように活用できるフレームワークなのかお分かりになったでしょうか。4Pだけでなく、戦略フレームワークを使うときに大切なのは定期的な見直しと方向修正です。一度決定したマーケティング戦略でも、実際に効果を出しているのかどうか、もっと別の方向性があるのではないか、という視点を大切にしましょう。その際には再び4Pの視点が活用できるはずです。

参考

マーケティング4Pとはコトラーが最初に提唱したものではない | ケロッグOBが語るコトラーの教え|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

【3分でわかる】マーケティングの4P分析 | 株式会社いないいないばぁ

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