今さら聞けない「メタバース」とは？定義や事例まで徹底解説

新型コロナウイルス感染症などの影響があり、オンラインで人々がつながる機会が増えました。なかでも注目されているのがメタバースです。

本記事ではメタバースについて理解できるように、基本内容から活用事例までをご紹介します。

メタバースとは？

メタバースは仮想世界を意味しますが、明確な定義があるわけではありません。そのためわかりにくく感じる方がいると思います。

しかし、ゲームで連想するとわかりやすいです。大人気ゲームの「あつまれどうぶつの森」は、さまざまな動物たちとプレイヤー自身が生活するメタバースといえます。

つまり、メタバースは現実の世界に自らの体がありながらも仮想空間で行動できることです。

メタバースという用語は「スノウ・クラッシュ（ニール・スティーヴンスン著）」から広まったといわれています。同著では人間がアバターを介してネット空間でやり取りをする空間が舞台となっているからです。

また、語源は英語の「Meta」「Universe」からきています。英語の意味では、現在と違う世界を示します。

メタバースの仮想空間という意味からVRとの違いがわかりにくいところです。VRは「Virtual Reality（仮想現実）」を示し、専用のゴーグルを装着して仮想世界に没入します。

一方のメタバースはVRの機器がなくても利用できます。（VRの機器を利用する場合もある）両者は専用機器が必要かどうかの違いがあります。

メタバースはゲーム分野とビジネス分野で活用されてきています。ゲーム分野では「フォートナイト」が有名でしょう。また、先述した「あつまれどうぶつの森」なども含めてプレイヤーが仮想世界を舞台にゲームを楽しんでいます。

ビジネス分野ではバーチャルオフィスやバーチャルイベント、バーチャルショップなどにメタバースを活用することが可能です。

なお、具体的な活用例に関しては後述しますので、ご覧ください。

メタバースは注目の技術といえます。ここではメタバースのメリットやデメリットをご紹介します。

メタバースのメリットとしてオンライでの接触があげられます。これまでZoomやSkypeなどでオンライン会議ができたものの、画面の向こう側の人との接触ができませんでした。

もちろんメタバースも生身の人間同士がリアルに対面できるわけではありませんが、VR技術などを活用して相手が目の前にいるような空間になります。オンライン会議などリアルな空間にいる感覚を味わえます。

それからすでにご紹介したようにビジネス分野に活用できます。これから次々に新たなビジネスが創出される可能性があります。

メタバースのデメリットや注意点としてVR機器の準備があげられます。必ずしもVR機を必要とするわけではありませんが、特にビジネス分野に利用する際はVR機器の用意が必要でしょう。

そのため、「わざわざメタバースにしなくてもZoomでいいのでは？」などの声があがる可能性があります。

また、メタバース空間への依存の可能性もデメリットです。メタバース空間の魅力を感じると、なかなか抜け出せない可能性があります。これはゲームをプレイするときに陥りやすいでしょう。

それから、メタバースのゲームをする際はNFT（仮想通貨）を購入する必要があり、ウォレットに保管します。このウォレットの脆弱性にも注意が必要です。過去に仮想通貨のウォレットがハッキング対象になったことがあるからです。

すでにメタバースを活用した事例があります。下記の内容で5つの事例をご紹介します。

SMBC日興証券株式会社は、「投資について学べるミステリーダンジョン」ブースを提供しています。投資に関する格言をクイズ形式で学べたり、ダンジョンをクリアしてゴールを目指したりする体験型になっています。ゴールに達すると特典が得られます。

みずほ銀行は、タワーを展開し1階に銀行の店舗をイメージしたスペース（座談会がひらかれています）、2階からはボルダリングができるつくりになっています。タワーの頂上に昇るまでに金融クイズをクリアする必要があります。

焼津市（静岡県）は、空港を模したエリアでPR動画やふるさと納税の返礼品の紹介などで魅力を発信しています。ブース内でマグロの解体ショーが行われたりふるさと納税サイトに変遷したりします。

株式会社大丸松坂屋百貨店は、リアル店舗の特徴を盛り込み百貨店ブースを展開しました。季節に合わせたおすすめの商品を３Dモデルで展示して販売も行いました。同百貨店の歴史が知れるアトラクションも用意されています。

フォートナイトは、メタバース活用の最先端ともいえるオンラインゲームです。若者を中心に支持されています。空間内でプレイヤー同士がコミュニケーションをとったりアイテムを集めたりなどさまざまプレイが楽しめます。

メタバースは仮想世界でユーザーが行動できる技術です。ゲーム分野、ビジネス分野に活用され、今後も積極的に活用されていくでしょう。今後もメタバースの動向に注目したいところです。