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分かったようで分からない「インサイトマーケティング」。そもそも「インサイト」って何? マーケティングに適用するとどんなメリットがあるの? といった疑問から、実際に行われたインサイトマーケティングの実例までを解説します。インサイトに関心のある人はぜひお読みになってください。
「インサイトマーケティング」。分かったようで分からない用語はたくさんありますが、これもそのひとつ……という人はいませんか? 本記事では、インサイトの意味からマーケティングでの実例、実際に考えてみるためのフレームワークなどについて解説します。
マーケティングでよく使われるインサイトって何?
英語には語頭に「イン」がつく単語が多いので、意味が混乱してしまう……という人も珍しくないかもしれません。「インサイト」と「インプレッション」もふと取り間違えてしまいそうな単語です。
「消費者インサイト」「顧客インサイト」とも
インサイトの「サイト」には「視力、視野、視覚」といった意味があります。「イン」は「中の、内側に」ですから、簡単にまとめると「外には出てこないものの心の中で見ているもの、考えているもの」ということになります。
元々は心理学用語でしたが、マーケティングの世界では「顧客の潜在的な消費願望」のような意味で使用されます。この意味合いをもう少し分かりやすくするために「消費者インサイト」「顧客インサイト」等と呼ばれることもあります。
正確に見抜くことは難しいことも
インサイトは他人が正確に見抜くことが難しいものです。たとえば前日に焼き肉を食べて、今日も食べたいなあと自分が考えているとしましょう。家族に「今日ご飯はどうする?」と尋ねられたときに、正直に「焼き肉」と答えられる人は少ないのではないでしょうか。「健康に悪い、偏食、と言われるだろうし、ここは『ヘルシーなものが食べたい』と言っておくべきだろう」といった判断が内心で働きます。
これはわかりやすい例ですが、場合によっては自分でも「ヘルシーなものが食べたいなあ」と考えていたにもかかわらず、本心では焼き肉が食べたかった。自分でも気づいていなかった、というようなケースもあります。本人ですらしっかりと把握できないインサイトを、マーケティング担当者が発見するのはなかなか至難の業と言えそうです。
インサイトってどうやって発見するの?
では、マーケティングの世界ではインサイトをどのようにして発掘しているのでしょうか。発表されている論文からふたつの事例を見てみましょう。
移動するという行動に着目した例
日本で働いているとなかなか避けることが難しい「移動時間」に着目した調査「移動者インサイト」があります。それによると、移動する人たち(移動者)は「移動時間を有効活用したい」「移動時間はぼんやりして過ごしたい」という相反する心理を抱えていることが分かりました。
このときに、「なるほど、移動時間を有効活用できるような勉強アプリがあれば売れるのでは?」等と考えるのは早計かもしれません。なぜならば、「本当は移動中くらいぼんやりして過ごしたいんだけど、プライベートの時間がほとんどないから有効活用しないともったいない」というやむにやまれない事情があるかもしれないからです。こうった場合は、「移動中はぼんやり過ごしたい」というのがどちらかというと「本音のインサイト」であり、解決するべき課題であるということになるでしょう。
参考:
資生堂のブランド例
資生堂はもともと百貨店や化粧品専門店での対面販売が多い企業でしたが、消費環境の変化により安価な化粧品ブランドを確立する必要が出ていました。そのため2000年代前半から取り組んだのが「インテグレート」というドラッグストアコスメブランドの強化です。
強豪との差別化を図るためにも、資生堂は顧客のインサイトに着目しました。実際にターゲットである20代の女性にインタビューを行うなどし、「カワイイ」をコンセプトの中心に据えたブランド構築を行いました。
この戦略は市場でのシェアを広げるなど、一定の成果をもたらしました。一方で、ターゲットの年齢層と「カワイイ」を強調しすぎた結果、2016年にはCMがルッキズムにつながるとしてSNS上で強い批判を受けるという失敗もありました。
現在でもインテグレートはシェアの大きいブランドではありますが、インサイトに基づくブランディング戦略には功罪相半ばする面があります。顧客それぞれのインサイトはもちろん重要なのですが、それらを受けてブランドとしてどのようなメッセージを盛り込んでいくのかは慎重に検討したほうが良いと言えるでしょう。
参考:
消費者インサイトの把握に基づく関係性構築 : 「今どきの20代女性」に向けた資生堂インテグレートのブランド戦略 | 千葉商科大学学術リポジトリ
資生堂はなぜ炎上したのか 女性を「年齢や容姿」で判断?|日経BizGate
インサイトを考えるのに使えそうなフレームワーク
最後に、インサイトについて考える際に役立ちそうなフレームワークを簡単にいくつか紹介します。インタビューや統計調査などで得たデータをもとに分析を深めてみましょう。
WWH
WWHとは、「WHO(誰に)・WHAT(何を)・HOW(どうやって)」の頭文字を取ったものです。ターゲット層の選定やインサイトの発掘とともに、それをどうやって解決するのか、具体的な商品戦略にまで踏み込むことができます。
5A(カスタマージャーニー)
「5A」とは、フィリップ・コトラーが「マーケティング4.0」の一環として提唱したカスタマージャーニーです。「認知(Aware)」「訴求(Appeal)」「調査(Ask)」「行動(Act)」「奨励(Advocate)」の5つのAの頭文字を取っています。
インサイトを抱えるターゲットがブランドに触れたとき、ブランドは本当に訴求するのか? 同様のインサイトを持つ周囲の友人等に勧めてもらえるのか? といった視点で考えてみましょう。
SMAC
「これは絶対ターゲットに刺さるはず!」という思い込みが先走ると良い結果を得られないこともあります。販売戦略について考える際には、「SMACな目標」を設定してみましょう。
SMACは「Specific(具体的)」「Measurable(測定可能)」「Achievable(達成可能)」「Consistent(一貫性がある)」の頭文字です。「何となく好評のはず」を排除する良い指標です。
まとめ
インサイトマーケティングの実例と、戦略に取り入れる方法について解説しました。良いマーケティングは、ターゲットが気づいてすらいなかった課題を発掘し、その解決策を提示します。インサイトについて考えると、既存の商品の思いがけないポテンシャルを知ることができるかもしれません。
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