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Meta(旧Facebook)が提供するモバイル動画編集アプリ「Edits」に、2026年8月20日(現地時間)、新しいアップデートが発表された。米業界メディアSocial Media Todayが同日付で報じたところによると、目玉は静止画をAIで動画クリップに変換する新機能で、このほかプロジェクト管理機能やテキストのブックマーク機能なども追加されている。競合の動画編集アプリでも生成AIによる映像加工の実装が相次いでおり、SNS運用の現場では速報性の高い情報として注目度が高い。ここでは現時点で確認できている事実を整理し、企業アカウント運用者にとっての実務インパクトを解説する。

Editsとは何か、おさらい

Editsは、Instagramが2025年にリリースしたモバイル向け動画編集アプリだ。CapCutなど他社の動画編集アプリに対抗する位置づけで、無料でカット編集・字幕・エフェクトなどを扱える。アプリの概要や基本機能については、当ブログの既存記事「「Edits」とは?Instagramがリリースしたモバイル動画編集アプリを紹介」でまとめている。Editsは以降もほぼ毎週のペースで機能追加が続いており、今回の8月20日発表もその一環となる。

目玉機能:静止画をAIで動画クリップに変換(現時点では米国限定)

今回のアップデートで最も注目されているのが、1枚の静止画をAIによって動画クリップに変換できる新機能だ。Social Media Todayの報道によれば、ユーザーは会話形式のプロンプトで「画像内でどんな動きを見せたいか」を記述するだけでよく、MetaのAIシステムがその指示に沿って写真やイラストをアニメーション化してくれるという。

Editsで静止画をAIによりアニメーション化して動画クリップへ変換する流れを示した図解
写真やイラストに指示を与えると、AIがアニメーション化して動画クリップに変換する。

ただし現時点(2026年8月24日確認)で、この機能は米国のユーザーに限定して提供されていると報じられている。日本を含むその他の地域への展開時期についてMeta公式からのアナウンスは確認できていない。Editsでは過去にも、2025年6月に発表された生成AIによる動画編集機能(最大10秒までの動画をプリセットプロンプトで編集できる機能)が米国先行で提供され、その後段階的に対象地域が拡大してきた経緯がある。今回も同様のパターンをたどる可能性はあるが、これはあくまで過去の傾向からの推測であり、日本での提供時期を保証するものではない点に注意したい。

また、AIによる映像生成という切り口では、Editsは2025年12月にも被写体を自動で切り抜くセグメンテーション機能を追加しており、静止画のアニメーション化はその流れをくむ機能追加と位置づけられる。ただしセグメンテーション機能と異なり、今回の静止画→動画変換は「新たに映像を生成する」機能であるため、生成AI特有の著作権・肖像権への配慮や、生成物であることの開示ルールについても、企業アカウントで利用する際は事前に社内で確認しておく方が安全だろう。

プロジェクト管理・テキストブックマークなど周辺機能も強化

AI機能以外にも、実務で使う頻度が高い改善がいくつか加わっている。報道で確認できている内容は以下の通りだ。

  • プロジェクトフォルダの並べ替え:編集中のプロジェクトを長押しすることで、フォルダ一覧内の順番を自由に入れ替えられるようになった。複数の動画企画を並行して進める運用者にとって、優先度の高い案件を上に固定できるのは地味に便利な改善だ。
  • テキストフレームのブックマーク:テキストフレームのブックマークアイコンをタップすることで、お気に入りの文字装飾・キャプションスタイルをプロジェクトを離れずに保存できるようになった。Meta自身がInstagram投稿で「キャンバスを離れずにお気に入りのテキスト・キャプションスタイルを保存できる」と説明している。
  • 音声・BGM検索の拡張:「chill」「bossy」といった雰囲気(vibes)や、「ファッション」「旅行」といった興味関心を軸に音源を検索できる機能が追加された。
  • プロジェクトの複数バージョン作成・テンプレート強化:1つのプロジェクトから複数バージョンを作成できるようになったほか、テンプレートにオーバーレイ対応や特定クリップのロック機能が加わり、より複雑な構成のテンプレートを作りやすくなっている。

あわせて、キャプションを自動で2言語表示できるバイリンガルキャプション機能についても、Instagram公式のクリエイター向けブログで改めて概要が紹介されている。翻訳・自動応答などInstagramのAI機能全般については、当ブログの「InstagramのAI機能まとめ2026|編集・翻訳・自動応答まで」もあわせて参照してほしい。

日本から現時点で使えるのか

結論から言うと、今回の目玉である静止画→AI動画変換機能を含め、日本での提供可否・時期は本稿執筆時点(2026年8月24日)で確認できていない。プロジェクトフォルダの並べ替えやテキストブックマークなど地域制限の言及がない機能については、通常のアプリアップデートとして順次配信される可能性が高いが、こちらもMeta公式からの日本向けアナウンスは確認できておらず、実際にアプリのバージョンやアップデート履歴を確認する必要がある。「使える」と断定せず、自身のEditsアプリのバージョン情報や設定画面で機能の有無を確認することをおすすめしたい。

Editsの機能追加ペースを振り返る

Social Media Todayは今回の8月20日の発表を「ほぼ毎週続く機能追加の一環」と位置づけて報じている。実際、直近だけを振り返っても、2025年11月11日には一括キャプション編集機能や新しいエフェクトの追加、同年12月17日にはAIによる被写体の自動切り抜き(セグメンテーション)機能の追加がそれぞれ報じられており、Editsは比較的短いサイクルで機能を積み増してきた実績がある。今回のAI動画変換機能も、こうした継続的なアップデートの延長線上にある取り組みと捉えるのが実態に近いだろう。

この更新頻度の高さは、裏を返せば「今日時点で使えない機能が、数週間から数カ月後には使えるようになっている」可能性が相応にあるということでもある。日本のマーケティング担当者としては、今回のAI動画変換機能が現時点で使えないからといって完全に様子見に徹するのではなく、対象地域が拡大した際に備えて、どんな静止画・どんなプロンプトで動画化を試したいかを社内で先に洗い出しておく、という動き方が現実的な備え方になる。

なお、静止画から動画クリップを生成する際の具体的な操作手順(プロンプト入力画面の場所や操作フロー)については、本稿執筆時点でMeta公式のヘルプページ上に個別の説明ページが見当たらない。米国での提供開始後、公式ヘルプセンターの更新状況もあわせて追っていきたい。

企業・ブランドアカウント運用者にとっての活用可能性

この機能が日本でも使えるようになった場合、企業アカウント運用の現場では次のような使い道が考えられる。

第一に、商品写真や過去に撮影した静止画のストックを、動画リールの素材として再利用しやすくなる点だ。動画撮影のリソースが限られる中小規模のブランドアカウントにとって、既存の写真資産からモーション付きのショート動画を素早く作れるなら、Reelsやストーリーズの投稿頻度を上げる手段になり得る。ただし、AIが生成する動きは意図通りにならないことも多く、プロンプトの記述次第で仕上がりが大きく変わる点は運用ルールとして事前に共有しておきたい。

第二に、プロジェクトフォルダの並べ替えやテキストのブックマーク機能は、複数人でEditsを使い回すチーム運用や、月次のキャンペーンごとに動画企画を並行管理するケースで効果を発揮しそうだ。ブランドのフォントや文言スタイルをブックマークしておけば、担当者が変わってもトンマナを崩さずに投稿を量産できる。逆に言えば、これらの機能はあくまで「個人アプリ内での効率化」にとどまり、複数アカウント・複数担当者を横断した一元管理には向かない点は認識しておく必要がある。あくまで個人の作業効率を高めるツールとして捉えるのが実務上は妥当だろう。

いずれにせよ、AI機能が米国限定である現段階では、日本のマーケティング担当者がまず着手できるのはプロジェクト管理・テキストブックマークといった周辺機能の把握までとなる。AI動画変換機能の日本展開については、今後の公式発表を継続してウォッチする必要がある。

まとめ

Metaは2026年8月20日、Edits向けに静止画のAI動画クリップ変換・プロジェクトフォルダの並べ替え・テキストのブックマークなど複数の新機能を発表した。目玉のAI動画変換機能は現時点で米国限定の提供にとどまり、日本での展開時期は未確認だ。一方でプロジェクト管理系の機能は運用の地味な改善として役立つ可能性が高い。速報段階の情報のため、今後の公式アナウンスや実際の配信状況、そして日本を含む対象地域の拡大有無を継続して確認していきたい。

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