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Microsoftが提供する検索エンジン「Bing」のシェア率は約1割と低いものの、SEO対策を行うことで一定の検索流入を期待できます。また、GoogleやYahoo!からの検索流入と併せてアクセスアップを狙うことも可能です。
また、Bingはいち早く生成系AIを搭載した検索エンジンであることから、利用者が増加傾向にある点も注目すべきでしょう。2023年3月には1日のアクティブユーザー数が1億人を突破しており、SEO対策の有効性はますます高まってきそうです。
ただ、どのようなSEO対策がBingでは必要になるのでしょうか。この記事はBingのSEO対策に関する基礎知識や検索アルゴリズムの要素、Bingウェブマスターツールの活用について解説します。
1.Bingとは
Bing(ビング)とは、「Microsoft Bing」のことで、Microsoftが提供、運営している検索エンジンです。
検索エンジンといえば、日本ではGoogleとYahoo! Japanをイメージしますが、Bingも利用されています。Bingは、どのブラウザでも利用はできますが、OSのWindows10で標準搭載されているブラウザ「Microsoft Edge」にて、デフォルトとなっている検索エンジンなので、Edgeを利用し始めた際に、検索エンジンの知ったという方も多いのではないでしょうか。またMicrosoftが運営するポータルサイト「MSN Japan」上の検索機能としてBingが使用されています。
2.Bingのシェアはどのくらい?
ところで、検索エンジンは世界でもGoogleやYahoo!など、さまざまなサービスがありますが、Bingはどのくらい使われているのか気になりませんか?
自社ホームページのSEO対策をGoogleだけでなく、Bingについても行うかどうかも検討しているかもしれません。そんなとき、検索エンジンの世界シェアと日本シェア情報はヒントになります。
例えば、「StatCounter」というアイルランド発のアクセス解析ツールのサイトでは、無料でそれらの情報が得られます。よく世界的なブラウザシェアなどの情報元として出典されることが多いため、ある程度、信憑性は高いと思われます。もちろん、他データと同様、確実に正確であるとは言い切れないため、あくまで参考にするのをおすすめします。
さて、StatCounterでは、最新の検索エンジンシェアが、世界と各国ごとに知ることができます。2023年9月現在の最新データは2023年8月現在のデータです。
◯世界の検索エンジンシェア(2023年8月)
1位 Google 91.85%
2位 Bing 3.02%
3位 YANDNX 1.49%
4位 Yahoo! 1.17%
5位 Baidu 1.06%
6位 DuckDuckGo 0.54%
◯日本の検索エンジンシェア(2023年8月)
1位 Google 75.34%
2位 Yahoo! 13.83%
3位 Bing 9.8%
4位 DuckDuckGo 0.35%
5位 YANDNX 0.2%
6位 CocCoc 0.19%
世界でも日本でも圧倒的に大きなシェアを持つのが、Googleです。またYahoo!も特に日本で多く使われているようですが、Bingも引けをとりません。Bingは、世界シェアでは2位ですが3%程度に留まっている一方で、日本では3位ではあっても10%ほどです。日本では、世界全体よりも、Bingは利用されているということです。
ここで、「なぜ日本でBingが10%程度も利用されているのか?」と疑問に感じるかもしれません。それは、実際にGoogleとYahoo!のほうが頻繁に利用している印象があるからでしょう。さらに、先述のように、Bingはブラウザ「Microsoft Edge」のデフォルト状態で検索エンジンとして設定されているため、設定を変更しなければ、自然と利用し続けるということも背景にありそうです。
ちなみにMicrosoft Edgeのブラウザシェアは、StatCounterのデータでは5.43%であり、日本では13.87%です。決して少なくない数値といえます。
3.BingでSEO対策を行う理由
BingとはMicrosoft社が提供する検索エンジンサービスです。
Statcounterの調査によると、2023年8月時点で、Googleが75.47%、Yahoo!が13.5%、bingが10.03%、DuckDuckGoが0.36%、その他が0.35%というシェア率でした※。
そのため、GoogleやYahoo!と比較した場合においては、重要度は低いという判断もできますが、実際にはシェア率が10%はあるということを考えると、決して無視できる数字ではありません。また、冒頭でも述べたように、Bingに生成系AIが搭載されたことで、利用者が急激に増加していることから、今後も目が離せないチャネルだといえるでしょう。
GoogleやYahoo!と併せて、BingのSEO対策を講じることで、全検索ユーザーの約9割にリーチできる点も覚えておきましょう。
4.Bingのユーザーの属性
Bingのユーザーの属性は平均年齢が44歳、男性57%、労働者が65%です。
一般的な企業や公的機関、または学校などのパソコンにMicrosoft社のWindowsがOSとして採用されているので、デフォルトのブラウザ(Microsoft Edge)を利用して、デフォルトの検索エンジン(Bing)で情報収集をしていることが推測できます。
性別や年齢的に経営陣や管理職、またGoogleよりも年収が高い傾向にあるというデータも示されているので、ある程度、社会的地位の高い方が利用している可能性が考えられます。
そのため、シェア率が全体の約10%だとしても、経営陣や管理職などキーパーソンに情報をリーチするる可能性が高いため、BingのSEO対策を行うべきと言えるでしょう。特にBtoB系の事業を行っている場合に有効でしょう。
5.BingとGoogleで検索結果が異なる理由
BingとGoogleでは検索結果・検索順位が異なります。自社のホームページやオンラインサービスがGoogleでは検索順位の上位に表示されていたとしても、Bingでは下位になっているかもしれません。
検索結果が異なるのは、Bingの提供元がMicrosoftであり、独自のアルゴリズムによって検索結果を構築しているためです。
一方、Yahoo!JAPANはGoogleの検索アルゴリズムや技術を利用しているため、検索順位に大きな違いが出ることはありません。
つまり、GoogleとBingにSEO対策をして、それぞれ検索順位が上位表示されるようになれば、検索エンジンからの集客、ひいてはWebマーケティングで優位に立つことができます。
6.BingでSEO対策をするメリットとは?
とはいえ、BingでSEO対策(※)を行うとなると、「GoogleのSEO対策だけでも苦労しているのに、Bingもやるなんて大変だ」と感じるケースもあるでしょう。BingのSEO対策を実施するには、ある程度、実施するメリットが必要になります。
そこで、BingでSEO対策を行うメリットや、メリットのあるケースはどんなことなのかを確認しておきましょう。
※SEO対策とは:Search Engine Optimizationの頭文字を取ったもので、検索エンジン最適化と訳されます。特定の検索エンジンによってユーザーに検索された際に、検索結果上に上位の、もしくは多くの露出をはかるために行う一連の対策を実施することを指します。
◯パソコン初心者を対象とする場合に検索可能性がある
Bingは、日本でMicrosoft Edge利用者に多く利用されている可能性があると予想されています。そしてMicrosoft EdgeはWindows10以降のOSから標準搭載されているため、以降も新規のWindowsユーザーはBingを利用する可能性が大きいといえます。特にパソコン初心者は、ブラウザのデフォルトの検索エンジンの設定を変更できるという事実や変更する方法をなかなか知り得ないと推測されるため、自ずとBingを利用すると考えられます。
もしパソコン初心者をマーケティングのターゲットとする場合には、BingのSEO対策を行い、上位表示をねらうことも有効といえるのではないでしょうか。
◯海外向けにマーケティングを行う場合
先にご紹介した通り、世界ではBingのシェアはGoogleに次ぐ2位となっています。そのため、海外のBingの利用率が高い国のユーザーをターゲットとする場合には、Bingで上位表示されることはある程度有効と言えるのではないでしょうか。
特にアメリカ合衆国ではBingのシェアは6.58%と高い割合を占めています。世界全体では約3%であったことから考えると、多い割合といえます。
BingにおけるSEO対策において、具体的なメリットが見込めるとすれば、主にこれらのことが挙げられます。この他にも、例えば、GoogleばかりSEO対策をするということの偏った対策に不安のある場合に、Yahoo!やBingにおいてもSEO対策を行っているケースもあります。また、検索結果の順位が異なるということから、より多くのユーザーを呼び込みたいという思いからBingのSEO対策を実施しているケースもあるようです。
自社にとってどのようなメリットが見込めるのか、これらをヒントに確認するのも良いのではないでしょうか。
7.BingAIとは
2023年2月、MicrosoftはBingにBingAIというチャット機能(ChatAI)を導入しました。BingAIは、GPTをベースにしたAIモデルを活用したチャットサービスで、最新情報をリアルタイムに取り入れ、より新しい回答を提供します。
このサービスは、人間の文章を理解し、自然な文章でユーザーの質問に答える能力が特長です。質問方法を工夫すれば、情報のまとめだけでなく、小説のプロット構築、文章要約、プログラムのソースコード生成、といった業務も可能です。
従来の検索エンジンでは、適切なキーワードを見つけるために、複数回の検索が必要で、適切な情報源を見つけるために手間がかかりました。しかし、BingAIを使用することで、一度の検索でAIが情報をまとめて提供するため、これらの手続きを短縮できます。また、BingAIの回答には参照したWEBサイトのURLも提供されるため、出典元や引用元の確認が容易です。
BingAIは、人間同士の対話のような自然な文章で回答を提供します。トピックに関する情報が増えるにつれて、AIは学習し、ユーザーに合わせた高精度な回答を提供しやすくなります。
BingAIは、通常の標準的な回答を得るモードだけでなく、クリエイティブな要素を強めた回答や、正確さを優先したモードを選択できます。
8.BingのSEO対策
Bingの検索アルゴリズムは以下の要素でコンテンツのランク付けを行っています。
したがって、BingでSEO対策を行う場合は、これらの要素を念頭にいれてWebサイト運用を行う必要があるでしょう。それぞれの要素について、さらに詳しく解説します。
要素 | 意味 |
関連性 | 検索キーワードとコンテンツの関連性 |
品質と信頼性 | コンテンツ内容の品質とサイトやドメインに対する信頼性 |
ユーザーエンゲージメント | ユーザーの満足度やアクションを起こした頻度 |
鮮度 | 情報が最新か、更新によって最新の情報になっているか |
場所 | アクセスしているユーザーと位置関係や距離の近さ |
ページの読み込み時間 | ユーザーがページを開いてから表示されるまでの速度 |
※参照:Bing Webmaster Guidelines|Microsoft Bing
8-1.関連性
Bingの検索アルゴリズムの「関連性」とは、検索キーワードとコンテンツの関連性の高さ、もしくはサイト全体の検索キーワードに対する関連性の強さや深さを指標とした要素です。
▼SEO対策のポイント
- 検索キーワードに関連性の高いコンテンツの内容にすること
- 自然な形で検索キーワードや関連する用語を盛り込むこと
- コンテンツの内容がユーザーのニーズを満たすこと
SEO対策の基本でもある部分ですが、検索キーワードを基軸としてコンテンツを作成したり、作成したい内容に合わせて検索キーワードを選定したりするなどして、キーワードとコンテンツの関連性の高さを高めることが重要です。
ただし、原則として検索キーワードはターゲットであるユーザーに合わせて、ニーズがあるものを選ぶことが前提です。
8-2.品質と信頼性
Bingの検索アルゴリズムにおける「品質と信頼性」とは、ページ単体、もしくはサイト全体の品質や信頼性を指標とした要素です。
▼SEO対策のポイント
- 読みやすさと分かりやすさを両立させること
- 客観的かつ正確な情報を記載すること
- 引用元や参考元は信頼できる情報源にすること
上記が品質と信頼性を重視して、Bingの評価を上げるための具体的なSEO対策のポイントです。
検索エンジンのアルゴリズムは、読みやすさや分かりやすさといった部分も評価する仕組みとなっています。同様に「最新かつ正確な情報であるか」も品質と信頼性の一部として評価されるため、コンテンツを制作する際はあいまいな情報を掲載しないように注意してください。
引用元や参考元で信頼できる情報源とは、公的機関や大学などの研究機関、もしくはブランドやメーカーとして信頼できるページやサイトを指します。
いわゆる権威があるサイトやドメインを参照すべきという意味であり、適切な引用元や参考元を選ぶことで、信頼性を担保して評価が上がりやすくなるでしょう。
8-3.ユーザーエンゲージメント
Bingの検索アルゴリズムの「ユーザーエンゲージメント」とは、ユーザーがコンテンツに満足したかどうか、もしくは何らかの行動およびアクションを指標とした要素です。
▼SEO対策のポイント
- ユーザーの利益優先でニーズを満たすコンテンツを作成すること
- ユーザーがコンテンツを最後まで読んでくれるように工夫すること
- デザインやインターフェースを見やすく使いやすくすること
ユーザーがコンテンツに満足するということが最も重要で、途中離脱を防ぎ、ページの最後まで読んでもらえるように工夫することで、さらに評価が上がります。
コンテンツの内容だけでなく、サイト全体のデザインやインターフェースも工夫して、ユーザーが扱いやすいサイトにすることも大切です。
8-4.鮮度
Bingの検索アルゴリズムの「鮮度」とは、コンテンツの最新性と正確性を指標とした要素です。
▼SEO対策のポイント
- 公開したタイミングにおいて最新で正確な情報を記載する
- 古いコンテンツを定期的に見直し、内容を更新する
- 定期的かつ 定量的な情報発信を心掛ける
検索エンジンのアルゴリズムには、情報の新しさを評価する仕組みがあります。コンテンツが公開された日時や、更新された日時が最新かどうかが判断基準の1つになるため、新しいコンテンツを増やすだけでなく、古いコンテンツを更新することで評価が上がるようになるでしょう。
同様に定期的かつ定量的な情報発信を心がけることで、サイト自体が最新の状態に保たれている点が評価へとつながり、サイトとドメイン自体の鮮度も高いと判断してもらえる可能性が高まります。
8-5.場所
Bingの検索アルゴリズムの「場所」とは、検索キーワードとユーザーの位置情報、そしてコンテンツ内の場所などの情報をもとに関連しているかを評価する指標です。Google同様、ローカル検索に対応した検索結果であるため、以下のポイントを押さえることで集客増加に寄与します。
▼SEO対策のポイント
- コンテンツごとに場所に関する情報があれば必ず明記する
- 会社情報や店舗の情報など住所をしっかりと記載する
- 住所や地域の名前をタイトルや見出しに盛り込む
基本的には住所や電話番号などの情報はできる限り掲載しておき、会社概要の部分だけでなく、必要な箇所に表示しておくといいでしょう。
同時に公式ホームページだけでなく、外部のブログサービスやSNSを利用している場合においても、住所をしっかりと掲載しておくことで信頼性が高まり、地域に関連する企業や組織として評価されやすくなります。
8-6.ページの読み込み時間
Bingの検索アルゴリズムの「ページの読み込み時間」とは、ユーザーがページを開き、コンテンツが表示されるまでの時間を評価する仕様です。
▼SEO対策のポイント
- 画像のサイズや解像度を見直す
- 動的でグラフィカルな表現を最小限にする
- 不要なスクリプトやHTML要素を削除する
ページの読み込み速度が低下する原因として、まずは画像のサイズや解像度を見直すことから始めましょう。
たとえば、コンテンツマーケティングやブログ形式のコンテンツにおいて、画像の容量が大きいものであれば、表示されるまでの時間が増えてしまうため、圧縮したり次世代フォーマット(WebP)を用いるなどして画像の読み込み時間を短縮しましょう。同時に動的でグラフィカルな表現も遅くなってしまう要素のため、必要最大限にしたほうがいいでしょう。
その他に削れる要素としては不要なスクリプトやHTML要素を削除し、その上でサイトのデザインが崩れず、かつ扱いやすいインターフェースを備えていればなおベストです。
9.まとめ
今回はBingのSEO対策に関する基礎知識、そして検索アルゴリズムおよびBingウェブマスターツールの活用について解説しました。
普段からWindowsを使っている方の中には、標準のブラウザを利用し、標準の検索エンジンとしてリングを利用されている方もいらっしゃるでしょう。
そのため、しっかりとBingのSEO対策をしておくことで、Bingを利用しているユーザーからもアクセスを期待できるようになります。Bingの検索アルゴリズムを理解し、Bingウェブマスターツールにサイトを登録して、適切に活用していくことが大切です。
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