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バリュープロポジションキャンバス(Value Proposition Canvas, 以下VPC)は、顧客のニーズと自社の提供価値を一枚に整理できるフレームワークです。
本記事では、VPCの基本概念、なぜ重要とされるのか、作成手順、実際の活用例、注意点を順に解説します。初めて学ぶ方にも理解しやすく紹介しますので、自社の戦略や商品企画に役立ててください。
バリュープロポジションキャンバスとは
バリュープロポジションキャンバスとは、顧客の特徴や期待と自社が提供する価値を体系的に整理し、両者の適合度を検証するためのツールです。顧客理解を深めるための実務的な方法として、世界中の企業で活用されています。
起源と位置づけ
VPCは、スイスの経営学者アレックス・オスターワルダーらが提唱した「ビジネスモデルキャンバス」を基盤に生まれました。特に「価値提案」と「顧客セグメント」の部分を拡張し、より具体的に顧客と価値を結び付けられるように設計されています。
構成要素
VPCは左右二つの領域に分かれています。ここで全体像を理解することが大切です。
- 顧客プロファイル(右側)
・顧客の仕事(Customer Jobs)
・ペイン(Pains:課題や障害)
・ゲイン(Gains:求める成果や喜び) - 価値マップ(左側)
・製品・サービス(Products & Services)
・ペインリリーバー(Pain Relievers:課題を軽減する要素)
・ゲインクリエイター(Gain Creators:成果を高める要素)
この二つを対応させることで、自社が提供する価値が顧客にとって意味を持つかどうかを見極められます。
バリュープロポジションキャンバスがなぜ重要か
バリュープロポジションキャンバスが注目されるのは、顧客目線と自社の価値を結び付けられる点にあります。ここでは主な意義を3つに整理します。
顧客起点での価値設計が可能になる
多くの企業は自社の都合や技術から商品を作りがちですが、VPCを使うことで「顧客が何をしたいのか」「どんな不満を抱えているのか」を明文化できます。その結果、顧客に寄り添った提案がしやすくなります。
提供価値のずれを発見できる
VPCは顧客プロファイルと価値マップを並べるため、両者の不一致が一目で分かります。顧客の課題に対し十分な解決策がない場合や、顧客が求めていない機能を強調している場合など、改善点を早期に見つけられます。
市場適合性を高められる
VPCは「プロダクト・マーケット・フィット」を意識するうえで役立ちます。顧客が求めるものと企業が提供するものが重なれば、商品やサービスの成功確率は高まります。そのため新規事業の企画や既存商品の改善にも有効です。
バリュープロポジションキャンバスの作成手順とポイント
VPCの作成は、顧客理解から始めて自社価値を対応させ、最終的に両者のフィット感を検証する流れです。手順を整理すると次のようになります。
ステップ1:顧客プロファイルを描く
まず顧客の行動や期待を明確にすることから始めてみてください。
- 顧客の仕事
・機能的な仕事(例:作業効率を上げる)
・感情的な仕事(例:安心感を得たい) - ペイン
・作業に伴う不満や負担
・避けたいリスクや障害 - ゲイン
・得たい成果や利便性
・嬉しいと感じる要素
顧客の視点を優先的に洗い出すことで、自社の都合ではなく本質的なニーズを把握できます。
ステップ2:価値マップを描く
次に自社の提供価値を整理します。
- 製品・サービス
・提供している商品やサービスを列挙 - ペインリリーバー
・顧客の悩みやリスクを減らす方法を記す - ゲインクリエイター
・顧客の成果や満足を高める仕組みを考える
この段階では、顧客プロファイルとの関連を意識しながら記入すると効果的です。
ステップ3:フィットを検証する
最後に両者を結び付け、どれだけ整合しているかを確認します。
- ペインに対して、対応するペインリリーバーがあるかを確認する
- ゲインに対して、ゲインクリエイターが十分かを検証する
- 優先度を付け、重要度の高い要素に資源を集中する
検証を繰り返すことで、顧客と価値が一致している部分を強化できます。
作成時のポイント・コツ
作成を進めるうえで役立つ注意点もあります。
- 実際の顧客インタビューや調査に基づいて記入する
- 要素を出しすぎず、核となる部分を明確にする
- 他社との差別化につながるポイントを意識する
- 仮説として書き出し、検証を通じて更新する
上記に注意して作成してみましょう。
バリュープロポジションキャンバスの活用例
理論を理解したら、実際にどう活用されているのかを知るとイメージがわきやすくなります。ここではBtoCとBtoBの例を紹介します。
BtoCサービスでの例
映像配信サービスを考えます。
- 顧客の仕事:家族や友人と楽しむ、時間を潰す
- ペイン:作品探しが面倒、対応デバイスが限られる、月額が高い
- ゲイン:多様な作品、複数端末で同時視聴、オフライン再生
このペインとゲインに対して、自社は「幅広い作品提供」「複数端末対応」「料金プランの柔軟化」などで応えることができます。
BtoB製品での例
業務効率化ソフトを例にします。
- 顧客の仕事:データ入力、レポート作成
- ペイン:入力ミスが起きやすい、システムが複雑、既存環境と合わない
- ゲイン:作業自動化、簡単な操作、システム連携
これに対して自社は「RPA機能」「シンプルUI」「APIによる連携」を用意し、顧客の期待に応えます。
バリュープロポジションキャンバスの注意点と改善策
最後にVPCを活用するときの注意点を挙げます。これらを意識すると、より実践的なツールとして機能します。
- 顧客像を固定化せず、常に仮説を更新する
- 定性的な声だけでなく定量データも取り入れる
- 要素を細かく分けすぎず全体の流れを重視する
- 価値マップだけに偏らず、顧客視点を優先する
- 競合との比較を組み込み、差別化要素を明確にする
このように柔軟に扱うことで、VPCは単なる図表にとどまらず実務に役立つ意思決定ツールになります。
バリュープロポジションキャンバスは顧客と価値をつなげるためのフレームワーク
本記事では、バリュープロポジションキャンバスの基本から重要性、作成手順、活用例、注意点を解説しました。
VPCは、顧客ニーズと自社の価値を整理して両者をつなぐフレームワークです。使い方を誤らなければ、顧客に支持される商品やサービスを生み出す助けとなります。
繰り返し検証と改善を重ねて、自社の取り組みに取り入れてみてください。
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