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X(旧ツイッター)のオーナーである起業家のイーロン・マスク氏が9月18日(現地時間)、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と対談。Xの有料サービスに低価格帯を作る施策を行う考えを明かしたことが波紋を呼んでいます。
Xのポストを見ているとユーザーは不安をつのらせているのがわかります。果たしてイーロン・マスク氏が本当に「有料化する」と言ったのか? 彼の発言内容を詳しく探るとともに有料化したユーザーの意見もご紹介します。
1.マスク氏、全ユーザーに課金か?彼の語った内容とは
イーロン・マスク氏は大規模なボットアカウントが情報操作や拡散を行うことの脅威について言及し、「I say that made the single most important reason that we’re moving to having a small monthly payment for the use of the X system is it’s the only way I can think of to combat a vast armies of bots(大量のボットを消すためには、少額の月額制を導入する以外思い付かない)」と有料のサブスクリプションモデルへの移行を検討していることを示唆した。
具体的には、ボットを作成する度に新たな支払い方法が必要となるため連続的なアカウント作成を制限することや、有料サービス利用者の投稿を優先的に表示することでボットによる不正な利用を制限しアカウントの本物性を確保させることが狙いだとしている。
また価格についてはできるだけ低く抑えられるようにし、多くのユーザーにとって利用しやすい形式になるとも説明。有料サービスには高価格帯と低価格帯の2種類を導入することから価格差別化を通じてそれぞれのユーザーグループに合わせた選択肢を提供すると構想を明かしていた。
こうした報道が流れているが果たしてイーロン・マスク氏はなんと言ったのか? 彼とネタニヤフ首相の対談が残っているのでご紹介します。
この動画の32分35秒付近から、マスク氏は「Xでは5億5000万人の月間アクティブユーザーが毎日1〜2億件の投稿をしている」と、莫大な数の投稿があることを説明。ヘイトスピーチの拡散防止に取り組んでいることに増えています。
これに対してネタニヤフ氏は、たった1つの投稿であっても、「ボット軍団」による複製や拡散によって膨大な数になっていることを指摘します。
34分37秒付近から、マスク氏はボット対策が困難なことを認めた上で、「我々がXの利用に少額の月額課金をする方向に動いている理由は、それがボット軍団と戦うための唯一の方法と考えているからだ」と語っています。
その根拠としては、ボットを作るのに少しでも費用がかかれば痛手になり、クレジットカードが必要となれば(たとえ不正に入手したとしても)その枚数が制限となることを挙げています。
その上で、X Premiumを契約しているユーザーからの投稿は優先的に取り扱っていることを挙げ、さらに安価なプランを作るアイデアにも披露しています。
つまり完全有料化するとは明言していません。たしかに「全体を有料化する」と受け取られかねない発言とは感じるものの、ヘイトスピーチやボット対策としては、マスク氏が以前から語ってきた内容と重複しています。
イーロン・マスク氏はXアカウントでXで「Elon Musk says users will soon have to pay a small monthly payment for X in effort to stop bots(イーロン・マスク、ボットを阻止するため、Xの利用者は近々少額の月額料金を支払う必要があると発言 }というポストに付いたコミュニティノート(Xのサービス)に
記載された「プレミアム会員向けに『より低価格なプラン』を導入すると述べただけで、全ユーザーに料金を課すとは言っていない」という投稿に対してリプライを送りました。
「And @CommunityNotes scores again(そして、@CommunityNotesがまたもや得点。)」
このポストで判断すると有料化するわけではなさそうです。
2.ユーザーの反応は?
続いては有料化と報道されたときのユーザーの反応についてです。「2ちゃんねる」の創始者で起業家のひろゆき氏は自身のXアカウントで9月19日にポストをしています。
《twitterの完全有料化。マスク氏は、Paypalの時から銀行口座から決済までお金の流れを一つのサイト内で完結させれば投資も支払いも便利になるよね、、と言ってました。3億人と言われるXユーザーの10%でも、Xの金融経済圏に巻き込めれば莫大な価値を生むよね、、と。》
また日本テレビが緊急アンケートを行ったところ有料化したら『やめる』という人が61%、『料金次第』が35%、『続ける』が4%という結果が出ました。
アンケートのコメントでは、『無料で気楽に見られることが魅力的なので、課金してまではしなくていいかなぁ』『課金制で人口が減るとなると、続ける必要がないと思ってしまう』といった声が寄せられたそうです。
先ほど紹介したようにXは有料化しない方向と言っていいでしょう。しかしイーロン・マスク氏の発言が独り歩きしてしまい混乱したのも事実です。
Xはイーロン・マスク氏がオーナーとなってから派手な宣伝をしますが「広報」が不在の状態が続いています。正式な発表ができない状態が続くと企業アカウントがXを止めてしまい事態が起きかねません。サービスの提供も大事ですが、広報の強化もしてほしいところです。
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