ナレッジマネジメントとは？導入方法や事例も紹介 | 最新SNSマーケティング研究所 by misosil

人材の流動性が高まっており、ノウハウを社内で積み上げるナレッジマネジメントの必要性が高まっています。ナレッジマネジメントに取り組むことで、さまざまなメリットが生まれます。今回はナレッジマネジメントの概要や導入方法、事例などをご紹介します。

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントは「Knowledge Management」を日本語にしており、英語の意味通り「知識」を活かして「経営管理」をすることです。具体的には、組織に所属する人物がノウハウを組織で共有し、知識の属人化を避けることです。

なお、企業や個人が保有する「知識」には、企業が蓄積してきた情報、社員の経験、技術、ノウハウなどがあげられます。また、ナレッジマネジメントを行うことで、企業運営にかかわる全ての人物が、それぞれの有する知識を誰もが自由に利用できます。

企業や個人が有する知識を経営などに活かすナレッジマネジメント。一見すると当然の取り組みに思えますが、その必要性は何なのでしょうか。ナレッジマネジメント自体は近年になって登場した概念ではありません。

「知識」に重点を置いて経営することは、日本企業がこれまでも取り組んでいます。例えば、朝礼や夕礼で情報共有をすること、ノウハウをデータなどに残すこともナレッジマネジメントです。

しかし、テレワークの導入によって知識の属人化が課題になったり、IT化やグローバル化で情報共有の方法が変化したりして、時代に合わせた情報共有の方法が求められています。ITツールなどを効果的に活用して知識を蓄積するといった取り組みが必要です。

ナレッジマネジメントに取り組むことで、下記のメリットがあげられます。

ナレッジマネジメントが浸透している企業では、知識やスキルを持つ人材が育ちやすいです。当然のことですが入社したばかりの社員は、知識やスキルが乏しい場合が多くなります。

そこで、豊富な知識が蓄積されていれば、新入社員からの相談や疑問点にもすぐに回答できます。結果として、新入社員が効率よく知識やスキルを吸収することが可能です。

ナレッジが共有されていないと、作業分担が難しくなり一部の人材に業務の負担がかかってしまいます。しかし、ナレッジマネジメントにより組織内で知識が共有されていれば、それをもとに作業分担がしやすくなり、効率化が図れます。

作業分担が効率よく行えると、労働時間の削減につながります。その結果、残業時間の削減ができ、コストを抑えることも可能です。

知識やスキルの属人化が慢性的になると、その人物が退職した際に企業価値の低下が考えられます。その人物が積み上げてきた知識やスキルが流出するからです。

そこで、しっかりと文字化し暗黙知を形式知に変換することで、ノウハウが組織内に蓄積されます。これもナレッジマネジメントの大きなメリットといえます。

企業や組織にメリットが多いナレッジマネジメント。効率的に導入する方法をご紹介します。

まずはナレッジマネジメントに取り組む目的を明確にしてください。そのために、企業の課題を見つめ直し、どのように改善していくかを考えます。そして、全社員にナレッジマネジメントを行う重要性を伝えましょう。

とはいえ、ナレッジマネジメントの目的を明確にできれば、社員にもその重要性が伝わります。

次は必要なナレッジを絞り込みます。あれもこれもとナレッジを詰め込むと、情報過多になり管理が煩雑になります。さらに、必要な情報が必要なときに取り出せない可能性もありでしょう。

必要なナレッジは目的をもとに、決めていきます。顧客の利便性を高めるナレッジ、業務効率化を図るナレッジ、専門分野のナレッジなど必要な内容を決定してください。

ナレッジマネジメントにはITツールが不可欠といえます。データや情報を蓄積、さらに必要なときに取り出しやすいなどの期の面を比較して選びましょう。

ナレッジマネジメントに取り組んで成功した事例をご紹介します。

まずはある機械メーカーです。同企業では最終工程での設計変更による開発期間延長の問題を解決するために全員設計ルームを設置しました。全員設計ルームでは、初期工程からプロダクトへのコメントや改善案が提出でき、ナレッジが積みあがっていきます。

有用なナレッジが社内で活用できるようになり、最終工程での設計変更が起こりにくくなりました。

次はツール開発やWebサイトのコンサルティングを行う企業です。同企業はナレッジの共有をスプレッドシートで行っていました。しかし、なかなか活用されず、ナレッジの更新も行われていませんでした。

そこで、ITツールを導入し情報の蓄積や運用、活用を習慣化しています。ツールを導入することで新入社員はわからないことがあるとすぐに調べることができ、成長スピードが向上しました。

ナレッジマネジメントによって、企業の経営が円滑に進みます。作業効率が向上しひいては売上げも伸びるでしょう。現状を振り返り、必要なナレッジを最適な方法で蓄積していきましょう。