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マーケティングについて積極的に勉強している人ほど、似たような概念や用語がたくさんあることに戸惑うのではないでしょうか。今回は見た目からしてとても似ている「3C」「4C」「4P」のうち、「3C」について解説します。

 

3C分析とは?

略称を用いたフレームワークは意味を混同しやすいものです。まずは用語の意味を確認しましょう。

自社目線・顧客目線・競合目線

3CのCは、それぞれ「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字です。3C分析は、この3つのファクターについて検討を行うフレームワークです。「4C」「4P」と比べるとまずファクターの数が1つ少なく、最低限の要素について考えるフレームワークだということが分かります。

千葉県で農産品のサツマイモ出荷を見直したところ、結果的に3Cのフレームワークに基づいた分籍が行われていたことが判明した、という事例があります。こちらを例にとって解説していきましょう。

参考:

農協共販産地におけるマーケティング活動の支援策の検討 | AgriKnowledge

市場・顧客(Customer)の分析

千葉県内の4つの農協が管轄するエリアで、「べにはるか」という品種のサツマイモ栽培が広まっていました。これはそれまで主流だった「ベニアズマ」と比べると栽培がしやすい品種なのですが、食感が全く異なっていました。べにはるかは「ねっとり系」、ベニアズマは「ほくほく系」だったのです。

それまで生産者は、消費者が食感に対してどのようなニーズを持っているのかを把握していませんでした。ただ、これまでと違うものを作り始めた結果、消費者が離れていくのではないかという漠然とした不安だけがありました。

そこで消費者モニターにアンケートをとったところ、「ねっとり系」と「ほくほく系」にはそれぞれファンがいて、どちらも好きだという消費者も多いということが分かりました。

農業の場合、「作れる」ことと「売れる」ことは必ずしも両立するとは限りません。生産者都合で始まった栽培が、消費者のニーズに合っているかを改めて考えたという例です。

競合(Competitor)の分析

千葉県でのサツマイモ栽培には明確なライバルがいました。それは茨城県のJAなめがたです。

JAなめがたでは早くからサツマイモ出荷スケジュールを組み、安定したクオリティのサツマイモを長期間出荷できるようにしていました。べにはるかは長期間貯蔵すると甘みが増すため、この戦略の中に適切に組み込まれていました。

このような他地域の施策を参考に、千葉県でも出荷に対して何らかの取り組みが必要だという結論に至りました。

自社(Company)の分析

そもそもベニアズマに替わりべにはるかの栽培を増やしたのは、サツマイモの品質維持や生産段階での効率を高めるためでした。まず生産について、自社(自地域)の分籍が行われていたことになります。

また、競合との兼ね合いを考えたとき出荷も問題となりました。とくに千葉県の場合、サツマイモの出荷は4つの農協を横断する課題でした。そのため協議会を作り、組織間での出荷ルールを策定して取り組みました。

このように、3C分析を使うと様々な課題をこのように切り分けて考えることができます。それぞれに対する施策が明確になりやすいのがフレームワークの特徴です。

他のフレームワークとはどう違う?

3Cについて事例を踏まえて解説しました。それでは、3Cと同様によく使用されるほかのフレームワークとはどう異なるのでしょうか?

4Cとの違い

3Cと4Cは数字の違いだけで、同じ前提にあるフレームワークのように思えるかもしれません。「3Cにひとつ何かを足すと4Cになる」と思っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、4Cは3Cと異なり、顧客目線に立つフレームワークです。4Cの内容は「顧客価値(Customer Value)」「経費(Cost)」「顧客利便性(Convenience)」「コミュニケーション(Communication)」です。

プロダクトや自社の都合はいったん置いておいて、顧客にとってはどうなのか、顧客はどうやって商品を消費するのかを徹底的に考えるのが4Cです。

 

似ているので注意!3CにCを加えて4C、5Cと呼ぶことも

ちなみに、本記事のメイントピックである3CにさらにCを加えて「4C」「5C」と呼ぶこともあるので注意が必要です。3Cをベースにした4C、5Cはそれぞれ以下のようなファクターが含まれます。

4C: 「流通(Channel)」を加える

5C: 「協力者(Collaborators)」「背景(Context)」

「4C」の話をしていて議論がかみ合わないな、と感じた場合は「それは3Cベースの4Cでしょうか?」等と確認してみると良いでしょう。

4Pとの違い

4Pは、顧客目線の4Cからみると逆の視点を持つ古典的フレームワークです。「Product(製品)」「Price(価格)」「Promotion(販促・プロモーション)」「Place(場所)」の略で、「マーケティング・ミックス」と呼ばれることもあります。

4Pは自社の製品ありきのフレームワークです。作ったものをどう売るかについてじっくり分析したいときに役に立ちます。

まとめ

マーケティングのフレームワーク「3C」と、言葉が似ているそれぞれのフレームワークについて解説しました。用語は知っているだけでは役に立ちませんが、概念を正確に理解していないと活用できないのも事実です。概念を掴んだら、ぜひ自社のマーケティングに活用していってください。

 

参考:

事業の成功要因を導き出すための3C分析とは? | 世界の顧問・フリーランス・副業プロ人材活用マガジン

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