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経営資源を有効的に活用するためには、事業ポートフォリオの作成・分析が重要です。M&Aでは、事業ポートフォリオの最適化を行うためのプロセスになります。この記事では、事業ポートフォリオの作り方やM&Aでの活用方法を紹介します。

1.事業ポートフォリオとは

事業ポートフォリオは、企業が手掛けている事業の一覧(組み合わせ)をいいます。これは、各事業における収益性や安全性、成長性などを一覧できるもので、事業毎の個別決定と会社全体の最適決定の二つのレベルによって構成されます。

ポートフォリオとは、世間一般で広く使われる用語で、日常的には「紙ばさみ」や「折りかばん」、「作品集」などを、また金融では「資産構成」や「有価証券一覧表」などを、ビジネスでは「事業の組み合わせ」や「製品の構成」などを指します。

一般に企業経営において、限られた経営資源を有効活用するために、全体を俯瞰した上で、どこに経営資源を配分すればよいかを考える必要があり、経営者の視点から「事業ポートフォリオの最適化(事業の選択と集中による経営資源の最適配分)」を図ることが必要になります。

その際の代表的な手法の一つとして、M&A(合併・買収)があり、社会経済環境や業界・市場動向、自社内部事情などを見極めた上で、将来的な生き残りを図るために、業界再編やグループ再編、事業強化、事業承継、事業譲渡、事業再生などに活用されています。

2.事業ポートフォリオの作成方法

事業ポートフォリオを作成する際は、主に以下3つの視点が用いられます。

2-1.PPM

PPMとは「プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント」と呼ばれるものであり、フレームワーク分析の一種です。

1970年代にボストン・コンサルティング・グループが提唱したマネジメント方法であり、非常に実践的な理論の一つとなります。

より詳しく説明すると、相対シェアと市場成長率を縦と横の軸に設定し、それを「問題児」「負け犬」「花形」「金のなる木」という4つの項目に分類するものです。

もっとわかりやすくするために、細かく見ていきましょう。

PPMの縦軸「市場の成長性」について

プロダクトポートフォリオマネジメントの縦軸は、「市場の成長性」です。

成長性が高い市場は、魅力的な事業ドメインがあります。それに伴って、新規参入も多く、競争が激しくなる可能性が高いです。このような、市場には、積極的に投資する手段を取ることが多いでしょう。

逆に、成長性が低い市場とは、どういったものでしょうか?

成長性が低い市場は、簡単に言うと、動きが少ない市場です。市場のシェアが固定される傾向が生まれます。なので、このような市場への投資は少ないでしょう。

プロダクトポートフォリオマネジメントの縦軸からは、市場の成長性を読み取ることができるのです。

PPMの横軸「市場シェア」について

プロダクトポートフォリオの横軸は「市場シェア」です。

製品を作れば、作るほど、生産コストを下げることができると言う、考え方となります

市場シェアが高くなればなるほど、同じ製品を売る場合、コストが低い方が有利です。

つまり、市場シェアが高いほど、利益を確保しやすいともいえるでしょう。

PPMにおける象限の特徴

PPMは相対シェアと市場成長率の2点を基準として、「問題児」「負け犬」「花形」「金のなる木」という4つの項目に分類します。

PPMにおける「問題児」

「問題児」は製品ライフサイクルの導入期~成長期のことで、市場成長率は高いものの市場シェアを拡大しなければならないため、利益が上がりにくいです。

そのため問題児への投資は未来への投資と同等になるので、将来的な成長を見越した上で投資を行わなければなりません。

PPMにおける「負け犬」

負け犬は製品ライフサイクルの成熟期から衰退期のことで、その呼び方の通り成熟しているため成長の余地が少なく、市場のシェアも小さいので利益も少なくなります。

負け犬は設備投資や販売促進の成果によって利益が発生する場合がありますが、市場が縮小傾向であれば撤退すべきです。

PPMにおける「花形」

花形は製品ライフサイクルの導入期~成長期を示しており、市場シェアが大きいために売り上げが大きくなる傾向があります。

花形は市場シェアが大きい分、成長し続ける必要があり利益が上がりにくいです。

そのため花形は市場シェアを維持することが優先課題となります。

PPMにおける「金のなる木」

「金のなる木」を簡単に説明すると、幅広い市場シェアを獲得し、トップを取っている状態です。金のなる木になれば市場シェアが最大になり、加えて成長率が下がるため利益が最大化されます。

ただし、金のなる木に該当した場合はあくまで利益の最大化を念頭に置いておく必要があるでしょう。

もちろん投資は継続しますが、それも利益の最大化を維持するためだけに行う程度に留めておくのです。

これらのようにPPMでは対象の会社のキャッシュバランスを占うことができます。

プロダクトライフサイクルについて

プロダクトライフサイクリとは、新しい製品を市場投入してから衰退するまでの売り上げのすい推移を理解しやすくするためのものです。

各事業は、市場の成長性、プロダクトライフサイクル、市場のシェアによって、時間を経て、プロダクトポートフォリオの各象限を移動していきます。

2-2.事業ドメイン

事業ドメインとは会社の事業領域や主力となる事業を指します。

事業ドメインは、顧客・技術・機能の3つで解析を行うCTMフレームワーク分析を使い、その会社にとって最適な事業領域を設定するのです。

事業ドメインは限られた経営資源を効率的に投入し、無駄な多角化を避けるために適切な設定を行う必要があります。

そのためにも、次に説明する「コア・コンピタンス」や「ケイパビリティ」の理解をはじめ、KSF(Key Success Factor:成功の鍵)を意識することが大切です。

ただ、事業ドメインの設定にあたって大切なことがあります。それが、市場の中ですでに顕在化している消費者のニーズを選別的に捉え、それに対応できる商品、マーケティング手法を組み合わせることです。

事業ドメインと企業ドメインの違いとは?

事業ポートフォリオを作成するに当たって、事業ドメインの説明をしましたが、企業ドメインという言葉を目にすることはありませんか?

事業ドメインと企業ドメインの区別がつかなくなってしまっているかもしれませんので、ここで明確にするためにも説明しておきます。

結論からいうと、事業ドメインは、事業ごとに設定するのに対して、企業ドメインは、複数の事業範囲が対象です。

なので、多角化していない場合ですと、単一事業と言うことになりますので、企業ドメイン・事業ドメインが同じ、範囲を指していることになります。

【関連】事業の多角化

CTMフレームワークとは?

事業ドメインを設定する時CTMフレームワーク分析はとても大切なので説明していきます。

CTMフレームワーク分析とは、米ハーバードビジネススクール教授で経営学者である、デレック・エイブル氏によって、提唱された方法です。

先ほども書いた通り、CTMフレームワーク分析には、「顧客」、「技術」、「製品」の3軸から分析します。

1つずつ詳しく説明していきます。

CTMフレームワーク分析の「顧客軸」

CTMフレームワーク分析における、顧客軸の決定方法としては、顧客の年齢、性別、地域、志向性などを、それぞれに分類し、誰に対して、自社の製品やサービスが価値を発揮しているのかを特定することができます。

CTMフレームワーク分析の「技術軸」

CTMフレームワーク分析における、技術軸は、競合他者にない技術の特定に役立たせることができます。自社が持っていて、他者にはない、技術は、どのような技術なのかを特定することで、将来の主力事業立ち上げの大きな武器となるのです。

CTMフレームワークの「技術軸」は次に話す、コア・コンピタンスに近いものなので、そちらも見ておくといいでしょう。

CTMフレームワーク分析の「機能軸」

CTMフレームワーク分析における機能軸は、自社の製品やサービスは顧客にどのような価値を提供できているのかを特定することができます。

機能軸を強めることで、高機能・高価格の製品やサービスを実現し、優良顧客の獲得にも繋げ、事業ドメインにいい影響を当てることができる軸です。

2-3.コア・コンピタンス

事業ドメインの設定にはコア・コンピタンスが使用され、その会社の核や特色を意味しています。

事業の集中や拡大を図るときは、自社のコア・コンピタンスを明確に意識し、それを活かせる展開を行うことが何より大切になってくるのです。

コア・コンピタンスは「クライアントに利益を与える」「競合が真似しづらい」「いくつかの市場や商品に推進できる」という3つの自社能力のこと。

コア・コンピタンスはその会社の事業を模倣可能性、移動可能性、代替可能性、希少性、耐久性の5点から評価します。

さらにSWOT分析などを用いてもよいでしょう。

SWOT分析とは

SWOT分析(スウォット分析)とは「強み(Strength)」、「弱み(Weakness)」、「機会(Opportunity)」、「脅威(Threat)」の頭文字から作られた、フレームワークです。

SWOT分析を使うことによって、市場機会や事業課題を発見します。

3.事業ポートフォリオの最適化ポイント

事業ポートフォリオの最適化は、経営資源を無駄なく確実に配分するために必要です。業績の向上を最大化して成長性を確保するためにも最適化を忘れないようにしましょう。

事業ポートフォリオを実際に最適化する際は以下のように進めていきます。

3-1.5つの観点で評価・分析を行う

事業ポートフォリオを評価・分析する際は、下記の観点を持つことが重要です。

  • 成長性
  • 収益性
  • リスク
  • シナジー
  • リスク分散

事業を複数用意して投資を行うと、リスク分散になり景気動向が変化しても安定した売上を確保できるようにはなります。ただし企業価値が最大化されるとは限らないので、リスク分散だけを考えるのは危険です。

複数の観点から状況を分析する視点を持てるかがポイントです。

3-2.選択と集中を意識する

会社の収益を最大化するためには、選択と集中を意識することが重要です。

事業の中には収益を挙げられているものと挙げられていないものがあります。収益を挙げられている事業を中心にピックアップを行い経営資源を集中投下できるようにすれば、効率よく事業を成長させてさらなる利益を見込めるようになります。

同時に採算の取れない事業を廃止したり売却したりすると無駄な投資が避けられるので検討しましょう。

3-3.トップが意思決定しやすい環境を整える

事業ポートフォリオの最適化の際は、ある程度のリスクを覚悟して行動を実行する必要があります。ためらいや利己的な思考で判断が鈍ってしまわないように、下記のような環境を整えましょう。

  • ガバナンス:経営に統制を持たせて監視を行う
  • インセンティブ:業績に応じて報酬や褒賞を与える

ガバナンスを整えることで、経営判断を行うトップに対して適切な行動を取るように促すことができます。加えてトップに適切なインセンティブを設定することで、企業を正しい方向に導く理由を与えます。

4.事業ポートフォリオの作成における注意点

事業ポートフォリオマネジメントを実行する際は、単に経営資源の効率的な配分を意識するだけでなく、優先的に投資を行う事業を明確化することが重要です。

無駄なコストの発生を抑えることは大切ですけど、PPMによって判断できるように、事業によっては積極的な投資が必要となるケースもあります。経営資源を渋るだけでなく、投資すべき事業を正確に見極め、どれだけの投資ができるかも同時に考慮しないといけません。

また、トップマネジメントへのガバナンスやインセンティブなどの制度を整えたり、経営管理システムを構築したりすることも重要です。

事業ポートフォリオマネジメントでは、ある程度のリスクを想定して投資や多角化戦略の検討が行われるため、トップマネジメントの手腕が問われます。ガバナンスやインセンティブなどの制度を整えることで、重要な経営戦略を決定する場面でも、トップマネジメントが意思決定をしやすくなる効果が期待できます。

5.まとめ

経営資源を有効的に活用するために、事業ポートフォリオが重要になります。

そのためにも、様々な、フレームワークを利用することによって、意思決定をしやすくなるので、少しでも実践に移すことが大切です。

「事業ポートフォリオの最適化」によって、「選択と集中」を実践し、作成した事業ポートフォリオをもとに投資の優先順位を決定していきましょう。

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