人と直接対面しないWEBマーケティングでは顧客の心理を読み解くことが戦略として必要です。そこで活用されるのが「行動心理学」になります。今回はWEBマーケティングで活用可能な効果を紹介しますので参考にしてください。

インターネットを通じて商品やサービスを提供するWebサービスは、ユーザーも企業側もお互い顔を合わせることはありません。実店舗のようにお客様と対面し、直接話をしながら接客できない分、相手の心理を想像しながらページを作る必要があります。

そこで役に立つのが行動心理学です。今回は、ユーザー心理を理解するうえで役に立つ心理学用語を紹介します。

 

1.行動心理学とは

行動心理学とは、人の行動と心の関係を研究する心理学の研究分野の一つです。マーケティング・ビジネス分野では行動心理学の研究を応用し、消費者へのアプローチ方法や、広告、商品の購買意欲を向上させるといった戦略的な手法が編み出されています。

モノやサービスが溢れ、類似のものも多く、情報が溢れている現代ではよく知られている商品ですら売れにくい時代です。このような時代に、マーケティング担当者にとって行動心理学の素養は必須と言えるでしょう。

 

2.押さえておきたいマーケティングに“効く”行動心理学7選

マーケティングでは、顧客心理を読み解くことが戦略策定のもっとも大切なポイントだとおわかりいただけたかと思います。顧客心理を読み解くために”行動心理学”を活用していくのが戦略として必要です。この章ではWEBマーケティングに役立つ行動心理学の手法を紹介します。

 

2-1.「あなた」に呼びかける カクテルパーティー効果

人が行き交う町中では、たくさんの音が溢れています。しかし、そんな環境でも自分の名前が呼ばれたらすぐに気付いた経験はありませんか?

これは脳が情報処理の効率化のために、「注意を向けた情報のみ選択」して処理し、その他の情報はシャットアウトしてしまう現象です。つまり人は自分が呼ばれていると思った時、たとえ周囲がざわついていてもつい反応してしまうのです。

この心理をカクテルパーティー効果といって、コンテンツ中でユーザーに対して「あなた」と呼びかけたり、メルマガで読者の名前を挿入したりすると興味を抱きやすくなります。

 

2-2.「お返し」として購入してもらう 返報の法則

「レストランで親切な対応をしてくれた」、「迷ったときに道を教えてくれた」など、誰かに助けてもらったとき、人は誰でもお礼をしたくなります。逆にお礼の機会を奪われるともやもやしてしまいます。

これが「返報の法則」と呼ばれるものです。

人は施しを受けたらお返しをしないといけないと思う性質があります。これをWEBサイトで活用する場合は、例えば訪問したユーザーに、無料E-bookや無料相談をプレゼントすることです。思わぬ施しを受けたため顧客化につなげやすくなります。

 

2-3.顧客単価をあげる テンション・リダクション効果

最初はそんなつもりはなかったのに、コンビニでついレジ横の肉まんやホットスナックを買ってしまった経験はありませんか?このことを行動心理学では「テンション・リダクション」と言います。

人は、緊張する出来事が済んでしまうと、心理的に無防備な状況になります。この状態で商品を勧められると買うつもりがなくてもつい買ってしまう傾向にあるのです。

 

2-4.「雰囲気」で顧客の安心感を高める バンドワゴン効果

多数に人気のあるもの、支持されているものに心が引かれてしまうものです。

行列ができる人気ラーメン店に行ったとき、他のお店とそんなに変わらない味だけど「何となくこっちの方が美味しい」と感じてしまうことがあります。

これは、周囲につられて自分の満足度もあがる現象で行動心理学では「バンドワゴン効果」と呼ばれています。

例えば、キャッチコピーに「大流行!」「大人気!」という文言を使ったり、販売実績を大きく見せることで顧客の興味をひきやすくなります。

 

2-5.「秘密」でクリックに導く カリギュラ効果

禁止されるほどやってみたくなる、見てみたくなる心理をカリギュラ効果といいます。

昔ばなし「鶴の恩返し」では「決して中を見てはいけません」と言われつつも、結局は中を覘いてしまい鶴はいなくなってしまいました。これは情報を得ることが「禁止」されているために逆に気になってしまったからです。

WEBでは「本気で英会話を身につけたいと思う人以外は、この先は見なくてけっこうです。」みたいなキャッチコピーを使ったり、会員登録をしなければ見れないコンテンツを作ったりして興味をひく方法になります。

 

2-5.安心感を高める ハロー効果

人は他者を評価するときに、その人が所属する組織がどこなのか、またはどの大学の出身であるのか、などを無意識に重視してしまいがちです。たとえその人が本当に優秀でなかったとしても、有名な組織に属しているだけでその人自体も立派な人間だと考えてしまう傾向があります。

これをハロー効果と呼び、ある特徴によって、他の評価まで変わってしまう心理現象のことです。

 

2-6.リピート率を高める ザイオンス効果

初めて接する他人と最初から親しく話せる人はごく一部です。毎日顔を合わせて仕事をしてゆく中で徐々に打ち解けて、いつしか気兼ねなく頼み事をし合えるような間柄になってゆきます。接触回数が多いほど相手に受け入れてもらう確率が高まってゆくという心理が働くからです。

これをザイオンス効果といいます。

例えば、メールマガジンで、ステップメールなどを使って接触回数を増やしていくことで親近感がわき、購入率アップにつながるのです。

 

2-7.ついついクリックさせる ツァイガルニック効果

例えば、テレビ番組で冒頭やCM直前などに「この後、まさかの展開に・・・!」のように、あえて未完成の情報が流れてしまい気になって見てしまったことがあると思います。

これは完成されたものよりも、未完成なものに興味を引かれてしまう「ツァイガルニック効果」を利用して編集方法です。知ってしまえば、なんてことのない情報だったりもしますが、それでもつい見てしまう人間の本能を利用して離脱を防いでいるのです。

 

3.まだまだある行動心理学の11個の効果!

ここまで行動心理学を利用した広告効果について説明をしてきました。しかし、まだまだたくさんあるのでこの章でも引き続き紹介をしていきます。

しっかりと覚えて自社の広告戦略で活用してみてください。

 

3-1.シャルパンティエ効果

数字の表現によって受け取る印象が変わるものを”シャルパンティエ効果”といいます。「1キロの鉄」は単純に重く固い印象です。しかし、「1キロの羽毛」は重さというよりも量がイメージされるのではありませんか。数字や比較対象の置き換えによって、得られる効果や印象をより効果的に伝えていく広告はたくさんあります。

 

例えば

・100人乗っても大丈夫!

 

ならば建物の頑丈さがイメージしやすくなります。

 

また、

・31種類の野菜がこの1本に

 

だとどれくらい栄養価が高いのか伝わりやすくなりますので商品の魅力を伝えるときにシャルパンティエ効果を使って伝えてみましょう。

 

3-2.吊り橋効果

危険や苦難をともにする事で、連帯感や恋愛感情が生まれる現象を「吊り橋効果」と言います。この現象は必ずしも「ともに」する必要はなく、危険や苦難を伝えることでも効果は発揮されます。

例えば、ある商品の開発がいかに苦難の連続であったかを上手に伝えることでユーザーから共感を得やすくなるのです。

 

3-3.フォールス・コンセンサス

自分の言動や意見、行動は普通で、みんなが自分と同じ考えや意見を持ち、同じ行動をとると思うことを「フォールス・コンセンサス」と呼びます。

例えば、ECサイトで商品を購入したときに他の人のレビューを気にしたことがあると思います。これは自分と同じ行動と評価をしている人を捜して、安心感を高めようとしている行為です。

これをサイトで上手に活用するにはレビューを掲載することからです。

 

3-4.スリーパー効果

スリーパー効果とは最初は疑っていたものが、時間がたつにつれて信じられるようになることです。

占いで「幸運期」と言われても最初は信じられなかったのが時間がたつにつれて占いの結果だけが心に残ったという経験があるでしょう。この心理をサイトで活用するにはサイトに応用すると、サイトに訪問した事を思い出させることです。

そのため広告を数日ごとに分けて配信して、何度か思い出してもらうきっかけを与えることが大切です。

 

3-5.プラシーボ効果

「特効薬」として渡した錠剤が実はビタミン剤にもかかわらず、思い込みによって病気が快方に向かったという有名な心理効果が「プラシーボ効果」です。

いわゆる「思い込み」なのですがウェブでは「劇的に」、「即時に」、「信じられないほど」、などの表現を使い夢を与えるこで効果を現します。

ただし、提供している商品やサービスに見合ったものでないと誇大広告や虚偽になるので注意してください。

 

3-6.初頭効果

数年間付き合った友人でも、最初に受けた印象が残り続けるということは良くあることです。これを「初頭効果」といい、人の第一印象を覆すことは非常に難しいということを意味しています。

つまりウェブサイト上では最初に目にしたページでユーザーに抱いてもらいたい印象を考えて情報や構成をする必要があります。

 

3-7.親近効果

最後に提示された情報が強く記憶に残ったり、判断の直前に出された情報に強く影響される現象を「親近効果」といいます。「終わりよければすべてよし」という感じで最後の印象が変わるのを指します。

例えば、ウェブ上で最後に「とどめ」の目玉情報を紹介したり、サンクスメールを丁寧に書いて送ったりすることでユーザーに好印象を植えつけられるようになります。

 

3-8.ストループ効果

「ストループ効果」とは同時に目に入る情報が干渉しあって理解しづらくなることです。例えば、赤色のペンで「青」と書くと非常に読みづらくなります。これは文字と色の情報が「ちぐはぐ」なために頭の中が錯綜してしまうからです。

このようなちぐはぐな情報は、ウェブサイトでも同様にユーザーを混乱させるので整合性のある情報にしておかなければいけません。

 

3-9.クレショフ効果

写真や映画に勝手に意味を作り上げる現象を「クレショフ効果」といいます。戦争の画像とパーティーの画像の後に男性のアップの画像をそれぞれ挿入してみると同じ男性の写真でも印象が大きく異なります。

つまり、同じ画像でも直前に挿入される画像によって受け取り方が変わってくるのです。

ウェブサイトの場合、訪れたページの順序によって印象が変わってくるのでユーザーにどう受け取ってもらいたいかを考えてサイトの構成や動線を構築する必要があります。

 

3-10.ベビーフェイス効果

「ベビーフェイス効果」とは、幼児性のある顔は「かわいい」と印象づけられ、優しくて暖かみのある人だと思われる現象のことです。丸い顔立ちでかつ目が大きい人は、優しそうな印象を与えやすい傾向にあります。

これをウェブサイトに活用する場合、従業員の笑顔や穏やかな表情の写真をたくさん掲載しておくことです。それにより組織全体も暖かみのある会社であるという印象を与えやすくなります。

 

3-11.宣伝効果

自分や他者に目標を宣言する事で、達成率が上がることを「宣伝効果」といいます。自分の目標を周りに宣言したら目標達成のモチベーションがさらに高まった経験はありませんか? 実は、目標を口に出して宣言することでプレッシャーがかかり、モチベーションもアップしていく効果があるのです。

「30日続けたら10キロやせる」と宣言したユーザーに対して、数日ごとに目標達成の進捗を確認するメールを送るとします。するとユーザーは自分の目標を思い出し目標に向かって行動するようになるのです。

 

4.最後に

行動心理学はリアルとデジタル、両方のマーケティングにおいて活用できる優れものです。「より効果的なマーケティングを実現したい…」をお考えならば、ぜひ”行動心理学”に目を向けてみてください。